あなたは、片付けが得意ですか?
この記事では、心理カウンセラーの大島信頼(おおしま のぶより)さんの著書「片付けられない自分が今すぐ変わる本」を取り上げます。
何度も片付けよう、部屋を綺麗にしようと思っても、結局いつも集中力が続かなかったり、途中であきらめてしまったりすることはよくありますよね。
本書は心理学や脳科学からのアプローチにより、部屋と心のゴチャゴチャが消え、毎日がラクになる25の整理術が書かれています。
今回はその中から、エッセンスを解説していきます。
これを読めば、自然と片付けしたくなり、片付けられないという悩みから解放されるきっかけになるかもしれません。
さっそく内容をみていきましょう!
1. あなたが片付けられない理由
具体的な片付けの考え方を学ぶ前に、まずあなたが片付けられない原因を知っておきましょう。
その原因とは、ずばり脳のバランス感覚です。
人間には計算や記憶、物事を理解する力があり、これを言語性知能と言います。
一方でパズルを組み合わせることや、優先順位をつけて仕事をこなすなどの力を、動作性知能と呼びます。
片付けられないという人は、この2つの知性のバランスが悪いです。いくら言語性知能が優れていても、動作性知能が十分にないと優先順位がつけられないため、片付けられなくなってしまいます。
「よし!」と片付けを意気込んで始めてみても、雑誌が落ちているとそれを気づいたら読んでしまう。こんな経験ありませんか?
これはまさに、動作性知能による優先順位がつけられていない状態。
脳のバランスに問題がある場合、いきなり進んで片付けができるようになるのが難しいので、無理に片付けしなくて大丈夫です。
無理やり片付けようとすると、かえって続かなたったり、気持ちが落ち込んだり、ムシャクシャして気分が不安定になってしまったりしてしまうことも。
では、どうしたらいいでしょうか?
2. 片付けられる自分に変わる方法
この本では片付けができるようになる考え方が、25個書かれています。今回は、その中で特に有効だと思える考え方を3つ紹介していきます。
自分が安心できる場所を想像する
著者はもともと片付けられない方だったのですが、あるとき催眠療法を受け、カウンセラーに「自分が安心できる場所をイメージしてください」と言われたそうです。
その時、著者は海辺のビーチを思い浮かべ、柔らかな風、キラキラした陽の光をイメージしました。
その次に、ちょっと嫌だと感じるような場所をイメージするように言われます。
著者が嫌だと感じる場所は“散らかっている自分の部屋”だったそうです。
この感覚で、著者はあることに気づきます。
それは、「なぜ居心地の悪い所で、じっとしているのか?」「なぜ居心地が悪いと思うのか?」という疑問でした。
そして、この催眠療法がきっかけで、片付けが続けられる性格になったそうです。
みなさんは安心できる場所と嫌な場所を思い浮かべたら、自分の部屋はどちらには入りそうですか?
想像してみたら、片付けに効果があるかも知れません。
遺伝だからしょうがないと考える
先に述べたとおり、脳のバランスによって片付けられない人がいます。これは遺伝的な部分も大きいので仕方がないです。
また、著者が遺伝だから仕方がないと気付いた事例があるので、ここではそれを紹介します。
著者は、もともと真面目すぎる性格でした。
例えば、机に乗っているティッシュペーパーの箱が少し長めになっているだけでもそれを直したいと思っていたのだそう。
机の上がめちゃくちゃで片付いていなかったそうですが、散らかってるのがいやだなと思いながらも、片付けができないという不自由さを感じていたのです。
著者のような、完璧主義で真面目すぎる性格は“強迫性パーソナリティー障害”である可能性があります。
また、この障害の特徴は他にもあります。
例えば、
- 人に任せることができない
- 頑固で妥協ができない
- 価値のないガラクタでも捨てることができない
などがあります。
著者はこれらの特徴にすべて当てはまったそうで、この時に自分自身が強迫性パーソナリティ障害に属することに気づいたそうです。
実は、この知覚が大事です。
気づけたことで、片付けられないことを、今までは自分で自分を責めてしまっていたのに自覚し、自分をありのままに受け入れることができるようになったそうです。
そして、片付けられなかったと自分を責めたくなる時に、遺伝だから仕方がないと思うことで、「こんな遺伝子の特徴があるのに、今までよくやってきたね!」と、自分を褒めて尊敬してあげることで、少しずつ片付けができるようになったそうです。
自分を責めずに、ゆるく考えていくことが、片付けるためのコツです。
呼吸について
片付けを始めることを意識的にするためには、自己効力感が大切です。
自己効力感とは、ある環境下における必要な行動をうまく遂行できるイメージが湧き、自身の可能性を信じられる感覚のこと。
片付けが上手くいかない人は、この自己効力感が下がってしまい、片付けに対して無力感しか感じなくなっている人が多いです。
「また片付けができなかった。いつもそうだし、まぁいっか。」と諦めてしまう。そうならないために、片付けのやる気、自己効力感を上げる方法があります。
それは、“呼吸”を制御することです。
やり方は超簡単で、自分の呼吸を1.1倍速で行うだけです。
人は1分間に12回〜18回呼吸をしていますが、これを1.1倍速でやるように自分に命令をして、呼吸回数をコントロールしてみましょう。
これをやることで、自分の命令で適切な呼吸を自分にさせているという感覚になれます。
そして、自分は必要な行動を上手にできているという知覚は、自己効力感を高めてくれます。
ちなみに、呼吸の速さを変えてみるのも効果的な方法で、1.2倍速などに早めてみるのもアリです。
呼吸により自己効力感がアップしている感覚を持てれば、他の様々なものに邪魔されることなく、目の前の片付けに集中することができるようになるそうです。
簡単な方法なので、とりあえずやってみましょう!
もし効果があればラッキーですよね。
以上、今回は大島信頼(おおしま のぶより)さんの著書「片付けられない自分が今すぐ変わる本」を紹介してきました。具体的な片付けの手順よりも心理的な話が多いのが意外ですよね。
本書をより詳しく知りたいと思った方は、ぜひ手に取ってみてください。