この記事では、鈴木祐さんの書籍「不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる」を紹介します。本書ではアンチエイジング、つまりいつまでも若々しくいるための方法について徹底的に書かれています。なかなか疲れがとれない、謎の不調が続いている、何をするにもやる気が出ないという方にオススメの内容です。
著者は言わずと知れた科学論文オタク。メンタリストDaigoさんが、日本で一番尊敬している方です。アンチエイジングについて学べば、健康寿命が延びる、活力が湧く、人生の幸福度・満足度が上がる、体調が良くなる、脳・体・メンタルのパフォーマンスが上がるといったたくさんのメリットがあります。
方法としては、苦痛と回復のサイクルでホルミシスを発動させること。やるべきことは、睡眠・運動・食事を整えることがメインになりますが、目的に応じて何から実践すべきか異なります。それでは、具体的にみていきましょう!
<鈴木祐さんの書籍はこちらでまとめて紹介しています>
1. ホルミシスとは
私たちの体に眠っている回復力が、痛みによって目覚めさせる機能を“ホルミシス”と言い、若返りの仕組みは、苦痛と回復のサイクルを繰り返すことで成り立ちます。つまり、適度な痛みが“刺激のトリガー”となり、私たちの体は若さを取り戻そうとし、体の機能が上がるのです。
ここでの苦痛とは、運動や効果的な食事、適度なストレス、サウナ(暑さ、寒さ)、ファスティング(断食)などが当たります。今回は苦痛の中でもどういうものなのか分かりにくい、効果的な食事について掘り下げていきます。
野菜や果物などの体に良いとされている食べ物には、豊富な栄養だけでなく、少しの“毒”が含まれています。これが、ホルミシスのスイッチを押す“痛み”に該当します。
例えば、ポリフェノールは一般的に身体に良いとされますが、実は毒です。ポリフェノールという弱い毒が体に入ることで、体がホルミシスを発動させ、結果的に体に良いということです。
この毒を総称して“フィトケミカル”言い、植物が自分の体を守るために作り出した成分です。ポリフェノールのほかに、緑茶のカテキン、大豆のイソフラボン、ブドウのアントシアニン、トマトのリコピン、ニンジンのベータカロテンなどもフィトケミカルであり、毒です。
このような毒や刺激、苦痛は、適量であればホルミシスを発動させるため、体に有益に働くのです。
2. 3つの回復方法とコツ
ここからは、苦痛と回復の若返りのサイクルのうち、回復について解説していきます。弱った身体の具体的な回復方法は大きく、睡眠・栄養を摂る・休養を取るの3つです。
睡眠については、十分な量をとり、かつ質も上げること。栄養については、栄養価の高い食事を摂ること。そして、休養については、リラックスする時間や趣味の時間などを取ることが大事になります。
また、これらの回復の効果を上げるために押さえるべきコツは、回復にコントロール感を持つこと。自分で回復の方法や目的などをデザインし、攻めの姿勢で回復することです。
例えば、あらかじめ決めたとおりに休むことが有効です。毎週日曜日の午後は休憩の時間にして仕事のことは考えない、50分作業したら10分休むなど、決めたとおりにちゃんと休憩しましょう。
ここで意識すべきことは、適度な量で苦痛と回復を繰り返すということです。苦痛と回復は、どちらも適度な範囲から外れると、ストレス過多か刺激不足に陥ります。ストレス過多には、老ける・脳機能が落ちる・体調が悪くなるといったデメリットがあります。
逆に刺激不足には、例えば、肉体の機能(骨の修復力や心臓の血液ポンプ能力など)の低下、脳機能や精神機能の低下といったデメリットがあります。また、ドーパミンやアドレナリンといった神経伝達物質の分泌量が減り、モチベーションが下がります。
苦痛と回復の適切な量には、個人差があるので、試しながら自分に合うやり方を探していく必要があります。大事ことは、自分をよく観察すること。体調や気分がどう変化するかを観察することで、自分に合うやり方を探しやすくなります。
3. 目的別ロードマップ
苦痛と回復のいろいろな試すにも、選択肢はたくさんあります。その中で、どれから取り組むべきか、データと効果のバランスが良い方法を、本書では4つのロードマップとして紹介しています。
このロードマップを参考にすれば、目的に応じて何から始めるのが効果的か、知ることができます。ここではそれぞれ詳しい内容は紹介しませんが、取り組むべき項目の順位のみ載せておきます。
初心者向けロードマップ
- 睡眠環境の改善
- 活動量を増やす
- スキンケア
- 食事内容の見直し
- 運動の強度を上げるもしくはファスティングに取り組む
体力アップロードマップ
- ストレス対策
- 運動
- 食事を整える
肌改善ロードマップ
- 運動
- 保湿と日焼け止め
- 睡眠の質を上げる
- 運動の強度を上げる
- ポリフェノールの摂取
脳機能&メンタル改善ロードマップ
- 運動
- エクスポージャー(新しい経験やチャレンジをすること)
- 睡眠の質を上げる
- 食事を整える
以上が4つのロードマップの優先すべき順位になります。結局、睡眠・運動・食事ストレスのマネジメントあたりを整えましょう、という話です。
それぞれの方法は、本ブログで過去に紹介したやり方と概ね一致するので今回は割愛しますが、ここでは、聞き慣れないエクスポージャーについて紹介します。エクスポージャーとは、軽いストレスを感じるポジティブな行動に挑み続けること。新しい経験は、脳の前頭前野が活性化させます。
例えば、スポーツ・旅・美術鑑賞などで、脳刺激を与えることができます。中でも、何らかの目標に向かって努力するときに味わうストレスは、脳を生き生きと活性化させます。
そもそもストレスには、老けさせるストレスと若返らせるストレスの2種類があります。老けるストレスは、人間関係の不満や人生の不安など、頭の中で繰り返されるような慢性的なストレス。対して、若返るストレスは、何らかの目標に向かって努力するときに味わうストレスです。
そのためには、自分がいつもいる心地いい範囲(コンフォートゾーン)から少し抜け出して挑戦してみる、あえてリスクを取るという姿勢が大事です。これは、必ずしも大きな挑戦でなくても大丈夫です。小さな挑戦でも効果があります。
例えば簡単なものでは、利き手の逆の手を意識的に使うようにするとかでさえも、効果があるそうです。スマホを1日使わないなど、小さなストレスを乗り越える経験やいろいろなインプットの方法を試すといったことも効果的です。
要するに、大なり小なり、新しいことに価値があります。また、新しい挑戦やリスクを取るときの参考として、リスクメーターというものがあります。
これは、リスクを身体的リスク、知的リスク、金銭リスク、社交リスク、感情リスクの5種類に分け、それぞれについてリスクを取り挑戦できているかを判定します。
- 身体的リスク:身体を使ったチャレンジ、新しいスポーツや楽器体験、スキルアップなど
- 知的リスク:知的なチャレンジ、新しい学びやアイディア交換など
- 金銭リスク:金銭的なチャレンジ、自己投資、経験への投資、金融投資、大切な人へのプレゼントなど
- 社交リスク:社交的なチャレンジ、新しい人間関係を作る、長い間連絡を取っていない友人と連絡を取ってみるなど
- 感情リスク:感情的なチャレンジ、不安や恐怖を乗り越える経験、人前でのスピーチ、誰かに隠しごとを打ち明ける、資格試験などに臨むことなど
これらをバランスよく取ることが良いとされているので、リスクメーターを参考にすると、自分がどの種類のリスクを取れていないかが明確になります。本書、鈴木祐さんの「不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる」は、王道の先端とも呼ぶべきテクニックばかりです。より詳しく知りたい方は、ぜひ読んでみてください!