いつもハツラツして若々しく元気な人と、そうでない人の違いは何でしょうか?
倦怠感・イライラ・ 冷え性・肩こり・アレルギーなどの日常的なものから、糖尿病・動脈硬化・脳卒中・心疾患・がんなど。
これらの根本的な原因を突き詰めると、血流が悪くなっていることが挙げられます。しかし、血流が低下すると、すぐに何かしらの症状が現れることもなく、自覚症状を感じないうちに、静かに確実に体が蝕まれます。
さらに体調面だけでなく、老化の原因にもなります。血流が悪いことは、諸悪の根源と言っても過言ではないでしょう。逆にいえば、血流が良くなれば、健康に若々しさを保つことができます。
この記事では、石原新菜先生の「「空腹の時間」が健康を決める」という本を紹介します。
空腹であることと血流に、一体どんな相関関係があるのでしょうか?
最近では、ファスティングなどで空腹の時間を設ける健康法が多く知られていきましたが、血管・血流にも良い影響をもたらすことはなかなか語られていないと思います。
健康と若返りの源である血流や血管のことと「空腹の時間」を作ることの重要性について、一緒に学んでいきましょう!
<健康に関する書籍についてはこちらでまとめて紹介しています>
1. 老化の原因も血流である
まずは冒頭で紹介した、血流の悪さは老化を早めてしまう直接の原因にもなるという話を具体的に紹介します。
例えば、乾燥肌は毛穴の開き、たるみ、シワといった肌の老化を招きます。それに対抗しようと、乾燥肌対策のために必死でお水を飲んでいても、改善されない方がいます。
本来であれば摂取した水分は、血流によって水分を必要としている細胞へと運ばれ、利用されます。水分がお肌の細胞にしっかりと届けば、潤いとハリがよみがえるはずです。
しかし、血流が悪いとどれだけ水分を摂っても細胞に水分が行き渡らなく、肌の細胞へと水分が正常に運ばれない場合、つまり血流が悪い状態でどんどん水分を摂ると、別の箇所で水分がだぶついてしまい、余計に肌の状態が悪化することになります。
さらに、そのだぶついた水分によりむくみが発生し、冷えが発生し、免疫力の低下まで起きてしまうといった困った状態を作りだしてしまいます。
頭皮の悩みも血流が原因
老化といえば、白髪や抜け毛、髪の毛が細くなったという悩みも外せません。このトラブルも頭皮の血流が悪いことが原因です。血流によって届けられるはずの、髪を作るために必要な栄養素が届かずに不足してしまった結果です。
今はヘッドマッサージやブラッシングにより、頭皮に軽い刺激を与えて血行をよくする方法が流行っていますが、全身の血流が良くなれば頭皮の血行も自然と良くなります。
頭皮の血行が良くなると、髪の悩みが改善され、グッと若返ることができるでしょう。肌トラブルや抜け毛白髪のほかに、血流の悪さが原因の老化の症状は、他にもたくさんあります。
例えば、体力低下、頻尿、冷え性、骨密度の低下、更年期障害、高血圧、動脈硬化、認知機能の低下など。これらはほんの一例に過ぎません。
血流が悪い状態では、大きな改善は見込めない
血流が悪い状態でどんなに高い水を飲んだり、有効とされる成分を取ったりしたところで、それを必要としている細胞に行き届かないのでは、大きな変化は望めません。残念ながら、その努力が無駄になってしまうだけです。
先ほど乾燥肌から水分をたくさんとっている人を例にしましたが、そのような表面的な症状だけに気を取られて対策をしているという人が非常に多いのではないでしょうか。髪に関しても、白髪が増えてきたから髪に良いと言われているような食品を多く食べてみる、薄毛になってきたから育毛剤をつける。
また老化の不安に縁がない年齢の方でも、熱が出たり下痢になったりした際に、薬で一時的に症状を抑え込む人も多いと思います。
しかし、それでは根本原因が手つかずのままで、いずれまたぶり返すことに。
本当に症状をなくしたいのであれば、その原因に目を向ける必要があります。ほとんどすべての体調不良や病気には、血流の問題が関わっているこのことを、胸に留めておいてください。
皮膚も筋肉も内臓も骨でも脳も、私たちの体のすべては細胞から作られ、活動するためには血液中に含まれる栄養酸素水分を必要としていることは同じです。
血流が良くなれば、全身の細胞にそれらが届けられて元気に活動でき、体調不良、病気、脳幹などに大きく悩まされることなく、いつまでも健康で若々しくいられます。
2. 空腹の時間を作ることは健康の秘訣
ここまでは、血流が美容と健康を保つためのカギを握っている理由を解説しました。
血流は心臓から送り出されると動脈を通って全身に送られ、細胞へ水分・酸素・栄養を届けた後に、老廃物や二酸化炭素を受け取り、静脈を通って心臓へと再び戻ってきます。この動脈と静脈をつないでいるのが、毛細血管です。
太くしっかりとした動脈や静脈とは異なり、毛細血管は肉眼では見えない程に細い。髪の毛の10分の1ほどの 0.01mm しかありません。
その分、動脈や静脈ほど頑丈な構造をしておらず、鼻をかんだ勢いで鼻血が出たり、目をこすった刺激で白目の部分に内出血するなど、とても破れやすいです。
この超極細で繊細な作りだからこそ、人間の体を構成する何十兆個もの小さな細胞を一つ一つと直接やりとりをすることができます。毛細血管は、私たちの頭頂から手足の末端まで、すべての細胞の活動を支えている非常に重要な血管です。
ゴースト血管の恐ろしさ
最近、テレビや雑誌などで、ゴースト血管という言葉をよく聞くようになりました。ゴースト血管とは、ほとんど働くことができなくなり、血流がほぼ途絶えた状態の毛細血管のことを指します。
この状態が続いた毛細血管は、恐ろしいことに毛細血管自体がなくなってしまいます。細血管のゴースト化は、人間の生命活動のベースにある細胞への活動源の供給がなくなってしまうことを意味します 。
この弊害は、あらゆる面に現れます。特に、目の下のクマ、顔色が悪くなるシミやシワ、頭に白髪や抜け毛が増えるといった美容面での影響はかなり気になるのではないでしょうか。
老けたり、病的になるといった見た目以外にも、当然健康面にも深刻な影響があります。温かい血液が流れなくなるため、冷えを発生させ、免疫力が落ちます。
そして栄養が運ばれず、老廃物の回収も行われません。そのため、様々な病気を引き寄せることになり老化を早めることになります。
さらに、認知症や骨粗しょう症にも関わっていることも、分かってきています。
では毛細血管は、なぜ衰えてしまうのでしょうか?
分かりやすい原因としては、加齢が挙げられます。年齢を重ねるごとに目が悪くなったり耳が遠くなったり、内臓の動きが低下するように、毛細血管も徐々に衰えます。
50~60代には衰えのイメージがありますが、一般的に40代、早い人は30 代から毛細血管が減少し始めます。
60代になると、毛細血管が最も元気な時期の20代と比較すると、約4割もの毛細血管が消失しているそうです。
Tie2の役割について
ここからは、簡単にですが毛細血管がどうのように衰えていくのかを確認しましょう。動脈や静脈に比べ毛細血管は構造がシンプルです。
動脈・静脈は3つの層になっているのに対し、毛細血管は一層しかありません。その一層を血管内皮細胞と言い、その外側には壁細胞がくっついています。
注目すべきは血管の内皮細胞にあるTie2(タイツー)という受容体です。Tie2とは血管内皮細胞同士、そして血管内皮細胞と壁細胞が適度な隙間を保ってくっつくように導くという役割を持っています。
壁細胞からは、このTie2を活性化する成分が分泌され、Tie2の働きにより適度にできた隙間を通して、栄養・酸素・水分が毛細血管から細胞へと適切に供給されるのです。
Tie2は、老化により減少したり、働きが低下してしまいます。すると、細胞同士が適切にくっつくことができなくなり、細胞と細胞の間の隙間が崩れ、栄養・酸素・水分の供給が乱れます。
結果として、全身の細胞にそれらがきちんと行き渡らなくなり、老化や体調不良、病気などが進行してしまうのです。老化に抗うことはできないと思いがちですが、毛細血管の健全度に大きく関わるTie2は、腸で活性化することが可能です。
3. 老化のスピードが遅い人の共通点
ちょっとした食の知識で、毛細血管を元気にできるのであれば、取り組まない手はないですよね。老化のスピードに個人差があるように、日頃の生活習慣で老化を遅らせることはできます。
老化のスピードに差が出てしまう理由は様々でしょうが、少なくともいくつになっても若々しく元気で過ごしている人には、次のような共通点があります。
- 定期的に体を動かしている
- 責任ややりがいを感じる暮らしをしている
- ストレスを溜めず、いつも明るい気持ちでいる
- 趣味や勉強など向上心をもって取り組んでいることがある
いかがですか?
あなたの周りにいる年配の方々で若いなと思える人に、これらを感じないでしょうか。
これらの共通点に、もう一つ付け加えておきたいのが、小食です。小食であることは、若々しさの秘訣。逆を言えば、過食は老化を加速させる要因になります。
現在は1日3食を食べ過ぎだとして進めない主張が多く見られ、少なくとも量をたくさん食べることが、美容やアンチエイジング、健康にとって良いという主張は見かけません。
空腹の時間を作り、胃腸をしっかりと休ませてあげることが、体にとって重要だということは、多くの人々がすでに知っています。食べ物が入ってくると、胃腸はそれを消化吸収するために、一生懸命働きます。そのたびに、胃腸には大量の血液が集まっています。
空腹でいる時間は、胃腸に大量の血液を回す必要がなく、それを全身のあらゆる箇所に存分に使うことができます。体のすみずみまで血液が行き渡り、各所に酸素や栄養素が運ばれ、老廃物を回収するので、全身の細胞が元気になります。そこに流れるべき血流がある限り、毛細血管の消失のリスクも下がります。
しかし、1日3食も摂っていると、全身の細胞が元気になる空腹の機会を持つことができず、健康になる機会を逃してしまいます。空腹の時間がほとんどない方は、少し不安になったかもしれませんが、毛細血管が弱っているかどうかを確認する方法があります。
それは汗をうまくかけているどうか。空腹時間の設け方については、こちらの記事で紹介しています。
ベタついた汗、嫌な臭いがする汗をかく
汗は上がりすぎた体温を下げる役割を持っています。昔は汗に適用するうちに、代謝や発汗が促され、血の巡りがよくなっていたので、血流力がありました。
しかし冷暖房が発達した現代に生きる人々の多くは、汗をかきにくく、人間が本来持っている体温を調節する機能が低 してしまっています。
汗をかきにくく、汗腺を開かないことは、毛細血管の衰えに直結します。毛細血管を流れる血液の中の水分が、汗腺へとしみ出て表面に現れたものが汗です。
汗の原料は、実は血液。
夏に汗をかかない人は、毛細血管のゴースト化を疑ってみてほしいです。また、汗には良い汗と、健康的だとは言えない汗があります。
ベタついた汗、嫌な臭いがする汗をかくことが多い人は、毛細血管が弱っている証拠です。毛細血管から汗腺へとしみ出した水分は、もともと血液。カルシウム・マグネシウム・亜鉛・鉄などのミネラルが含まれています。
汗腺は毛細血管から受け取った水分をろ過して、ミネラル分を毛細血管へと戻しています。
毛細血管がきちんと連携できて、水分のろ過とミネラルの再吸収がうまくいっていれば、嫌な臭いのない、サラサラとした汗が出ます。
もしあなたの汗にベタつきや、嫌なニオイがあるなら、毛細血管に返すべきミネラルがそのまま汗に含まれて露出されてしまっている可能性が高いです。
急にドバッと大汗をかく
もう一つ良くないのは、大汗です。
エアコンの効いた部屋で長時間過ごしてから、身体が冷えた状態で炎天下の屋外に出ると、すぐにはその暑さを感じる汗をかき始めるまでは、一瞬気持ちいいと感じるでしょうが、しばらくして暑さを意識するようになった頃から急にドバッと汗が吹き出します。
現代人であれば誰もがそのような経験をしたことがあるでしょう。体が冷えると幹線は汗を出す必要はないと判断して閉じるので、急に炎天下な環境に変わってもすぐに反応ができず、体温を下げる汗を出すまでに時間がかかってしまいます。
汗腺がしっかりと働いている人であれば、ちょっとエクササイズをしたり、小走りで少し移動した時などに身体の動きに反応して、すぐに汗が出始めます。
一方で、汗腺の働きが弱っている人は、少し動いたところで全く汗が出ず、ある瞬間から滝のような汗が流れ出します。血液中の水分が短時間で大量に汗に回されると、血液がドロドロの状態になり、脳卒中や心筋梗塞といった心配も出てきます。
汗をかきにくいことや、不自然なかき方をすることを決して甘く見てはいけないのです。では、汗腺の機能はどうしたら正常に戻るのでしょうか。対策は簡単です。
しっかりと湯船につかる、高強度である必要はないので筋肉をしっかりと動かし、汗をかく運動をする。たったこれだけ で効果があります。ぜひ取り組んでみてください!
空腹の時間を作ることは、毛細血管を守るだけでなく、再生させることもできます。空腹の時間には、胃腸に血液を集中させる必要がないので、ゴースト化していた毛細血管にも血液が行き渡るようになります。
これまで滞って いた血流が復活すれば、毛細血管の再生が促される。これまで食べ過ぎていた人も、まだ諦める必要はないということです。
1日3食をいきなりガラッと変えることは難しいかもしれませんが、ここまでで紹介した知識で、食習慣の意識が少しは変わったはず。これからは、空腹の時間で全身の細胞を元気にし、健康な身体を手に入れていきましょう!
4. Tie2を活性化する食材で毛細血管を守ろう
ここからは、Tie2を活性化する食材を3つ紹介します。Tie2は、毛細血管の細胞同士は絶妙な隙間を保ち、その隙間から栄養・酸素・水分を細胞に届けたり、老廃物を受け取るものでした。
その細胞同士の適度な密着感を保てるのは、Tie2の働きのおかげです。Tie2は加齢により減少したり機能が低下しますが、Tie2を活性化する食材を日常的に摂取することにより、毛細血管の強化が期待できます。
シナモン
まずは、シナモンです。世界には本当に数多くのスパイスがありますが、その中でも シナモンは現代の日本人にも馴染み深いのではないでしょうか。
シナモンは漢方薬では経費と呼ばれ、血行促進、胃腸を整える、免疫力アップ、狂人などの幅広い薬効を持っていることが知られています。
シナモンに含まれる経費アルデヒドという成分2対2の働きを活発にする作用が、最近の研究によって明らかになっています。シナモンをスイーツと組み合わせる場合は、砂糖とセットになることが多いかと思います。
甘味を追加する際は、健康のことを考えて黒砂糖かハチミツにすることがオススメです。
ヒハツ(島胡椒)
次の食材は、ヒハツです。ヒハツとはコショウ科の植物で、沖縄では島胡椒として料理によく使われています。
もちろん沖縄以外でもゲットすることができます。スーパーのスパイスコーナーにいけば、ロングペッパーなどの名前で並んでいるのでぜひチェックしてみてください。
ヒハツは、血管を元気にする効能に注目が集まっており、代謝促進、代謝アップの効果があるため、中国やインドでは古くから冷え対策の薬草として用いられています。
そして、日明日エキスが対2を活性化させ辛味成分のピペリンには、血管を拡張する作用があると言われています。摂取量の目安は1日小さじ1杯です。肉や魚の下味に使ってみましょう。
ルイボス
最後は、ルイボスです。ルイボスティーの原料であるルイボスは、南アフリカの植物。活性酸素を取り除き、老廃物や余分な水分などを排泄する作用に優れた、イオンアップの効果もあります。
そしてノンカフェインでリラックス効果や整腸効果があるため、遅い時間に飲んでも安心です。
最近ではコンビニやスーパーなどでも買えて、非常に取り入れやすくになりました。毛細血管を元気にしながら全身を健康にしてくれる 飲み物が手軽に買えるなんてありがたいですよね。ぜひ飲んでみてください。
今回紹介した、石原新菜先生の「「空腹の時間」が健康を決める」について、空腹時間の効果や始め方をより詳しく知りたい方は、ぜひ手にとってみてください!