5分で学ぶ、安宅和人『シン・ニホン』要約【後編】コロナから開疎化へ!

ハッとさせられる考え方・哲学


昨今リモートワーク化が進み、都市に集まらなくても仕事出来るんじゃない?
そう感じている人も多いのではないでしょうか。

自然豊かな暮らしに以前から憧れていた人もいると思います。

前編では、「シン・ニホン」の紹介として、日本がまた立ち上がれる理由について書きました。

この後編では、シン・ニホン論から派生して、世界で猛威を振るう新型コロナウィルスのような自然災害といかに共生していくか、安宅さんの未来志向の考え方を紹介していきます。

 

gray conveyor between glass frames at nighttime

(成毛眞)5分で学ぶ『2040年の未来予測』要約【前編】(いま何が問題なの?)

blue and black disco ball

未来予測『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』要約【前編】

1. 新型コロナウイルスで見えた「開疎化」の重要性


新型コロナウィルスの流行は、これまで数千年にわたって人類が進めてきた叡智の結晶、高度にシステム化された都市(このまま行けばブレードランナー的な超過密となる都市)のような「密閉(closed)×密(dense)」な空間の価値創造を全く否定するものとなりました。

通勤ラッシュ、シネマコンプレックス、高層住宅やオフィス、テーマパーク…

このようなものを急に全て捨てることは不可能ですが、ウイルスのような局所的でなく広がる可能性のある自然災害と共存していく(Withコロナ)には真逆の「開放(open)×疎(sparse)」に向かう強いトレンドが生まれるだろうと安宅さんは言います。

実際、向こう数十年で北極やグリーンランドの氷はほぼすべて、南極の氷の多くが一度は解ける可能性が高く、その中に閉じ込められていた病原体(細菌やウイルス)が氷の中から出てくる可能性もあります。

同じような自然災害がいつ起こるか分からない状態が続くことを“心づもる都市づくり”が、今後大切になっていきそうですね。

 

2. 消費・娯楽へ与える変化

_
開疎化を前提とした場所づくり、人々の行動が求められる世界では、ショッピングモールやホテルも人数制限をかけ、いかに密でないか、クリーンであるかを顧客に伝えることが、ブランディングの1つになり得ます。

例えば、世界的な企業であるスワロフスキーがチロルの山中に持つ、クリスタル・ワールドという世界最大のフラッグシップ店舗。

ここでは、店員が20ヶ国語以上の言語に対応しており、少数向けに特化した販売をしているそうです。

オーストリア・チロルの山中にあるスワロフスキー・ワールド

今後はこうした空間で、安心してゆっくり楽しめる店舗が増えるでしょうし、10〜100㎢の土地にそういう場所が1つあるだけで、まったく新しい、開疎で豊かな郊外の空間が生まれる可能性があります。

 

3. 風の谷をつくる。これからの都市の価値


映画「風の谷のナウシカ」で描かれる世界は、“腐海”という有毒ガスと胞子に覆われた空間と、腐海に覆われていない風通しの良い谷に住む人々に分かれていました。

今はそこまでではないが、エアタイトな高層ビルや満員電車のある都心にいるということは、密なリスクの高い生活をすることになります。

今すぐ全員が散りじりに開疎に住むということではないですが、

都市でエラーが起こったときに開疎な「風の谷」的な空間を周りに十分持てない都市は、今後価値を失う可能性が高いのでは?

と、安宅さんは言います。

また、個々の場所の変化としてはオフィス空間は同じ場所に密に集まる島構成のデスクやエレベーターといったものから、低密・低層で気持ちのいいオフィスの需要は増えてくるかもしれません。

風の谷のイメージ


こうした「開疎化」を前提とした暮らしを考えていくと、都市の恩恵を受けてきた私たちの日常のあらゆる場面が、再評価されるタイミングにあると言えます。

詳しくはこちらの安宅さんのブログ記事もご覧ください。

 

関連書籍をチェックする ✔︎

関連リンク

こちらの動画ではシン・ニホンについて討論している、Newspicksの動画ダイジェストがご覧いただけます。