スティーヴン・キングの映画でどれが好きですか?
「スタンド・バイ・ミー」、「シャイニング」、「ショーシャンクの空に」、「グリーンマイル」。
どれも一度は聞いたことのある名作映画は彼の原作です。
素晴らしい原作を数多く世に生み出してきたキングですが、その中には世間的に“何でそんなエンディングになるの?”と、胸糞悪い作品が多いとの評判もあります。
私個人としては、その絶妙な世界観に心惹かれることが多いです。
この記事では、そんな一風変わったスティーヴン・キングの虚無感溢れる映画を3つ紹介します!
興味はあったけど、まだ見れていないという方はぜひご一読ください!
1. 作品全体を包み込む暗〜いイメージ「黙秘」(1995、131分)
最初は、スティーヴン・キングの小説「ドロレス・クレイボーン」が原作の「黙秘」です。
ニューヨークで雑誌記者として働くセリーナは、故郷で長年疎遠だった母・ドロレスが殺人を犯したと連絡を受け帰郷。
母は家政婦として働いている家の家主、ヴェラ・ドノヴァンを殺害した容疑にかけられていました。
実は母は18年前の日蝕の日も、夫の殺人容疑で疑われていた過去があったのですが、その両方ともを否定。
ドロレスと久々に会い、事件の真相を聞き出そうとするセリーナですが、彼女は無実を主張する一方で、詳細については一切黙秘を貫きます。
事実と真相を過去の描写とともに、振り返りながら描いた本作。
母と娘の会話から、徐々に真実が浮かび上がっていきます。
結果としては親子愛を描いている映画ですが、その暗い印象から何とも言えない感じに仕上がっています。
母親役は映画「ミザリー」でアカデミー主演女優賞を受賞した、キャシー・ベイツ。ホラーっぽい雰囲気ですが、怖い顔やグロい描写は一切ないのでご安心ください。
2. ラスト15分は胸糞か、それとも希望か「ミスト」(2008、126分)
ガラス窓を破るほどの嵐の翌日、スーパーへ買い出しに出掛けたデヴィッド。
軍人やパトカーが慌ただしく街を往来する中、店の外はあっという間に濃い霧に覆われしまいます。
設備点検のために外に出た店員のジムが異様な昆虫系生物に襲われると、人を襲う恐怖の霧の発生によって人々は外部に出られなくな理、次第に理性を失いはじめる…。
スーパーマーケットで買い物をしていた人々は、同じようなシチュエーションのゾンビ映画では一致団結して戦うが、本作では恐怖ゆえに判断力を失った集団が、混乱をあおる狂信的な宗教信者の中年女等により、外部の敵より怖ろしいものに変貌していくという皮肉が込められたキングらしい作品になっています。
長い時間すったもんだした後に、決死の覚悟で視界ゼロの白霧の中を自動車ので進むことをついに決意。
霧の中を進むと、そこにはあまりにも巨大すぎる異形の生物も出現するが、それは恐ろしくもどこか優美で、デヴィットは清々しささえ感じているかのようです。
そして、思わず目を疑うような驚愕のエンディングが用意されています…。
まさに虚無。集団異常心理を回避できた人々ですら避けて通ることができない、生きることの中で遭遇する怖ろしいものの存在を暴き出されます。
3. 当時からしても雑なCGが逆にクセになる?ランゴリアーズ(1995、180分)
今回の記事はこれを紹介するために書いたといっても過言ではない。最後に紹介するのは、ランゴリアーズです。
ありえない状況設定と、制作費が無かったのか、ジュラシックパーク(1993)より後の作品とは思えない雑なCGが逆にクセになります。
深夜便の旅客機。
順調にフライトを続ける航空機の中、盲目の少女・ダイナは眠りから目を覚ます。すると隣りに座っているはずの叔母が衣服を残していなくなっていることに気づく。
なんと、10人の乗客を除いて、ほとんどすべての乗客が消えてしまっていたのです。
偶然にも飛行機に乗り合わせていたパイロットのエングルは、無線で管制塔と連絡を取ろうとするが繋がらず、やむなく近くの飛行場へ着陸。
しかしそこにも誰もいない異様な状況に、乗客の一人であるエリート銀行員のトゥーミーはパニックを起こし、正気を失いかける。
そして彼は、ある過去の話を思い出します。
“怠け者は「ランゴリアーズ」という化物に生きたまま喰われちまうんだ”と脅してくる父親との思い出。
世界を喰いつくす怪物、ランゴリアーズ。喰われた後は何もない暗黒が残るだけ。
この作品も、ミスト同様、限られた空間での人間の心理状態を描いていますが、胸糞具合は優っていると思います。
小学生の頃に観てからというもの、何度夢でランゴリアーズに襲われたことか…。
以上、スティーブン・キングの虚無感を感じる映画を3つ紹介しました。
このブログでは、他にも映画について紹介しているので、よかったら見てみてください!