5分で学ぶ『科学的根拠に基づく最高の勉強法』要約(受験勉強にも役立つ効率的な勉強の仕方)

person holding pen above white open notebook page 日々を豊かに、丁寧に暮らすコツ

 

普段なかなか時間のない現代、効率よく勉強したいと思いませんか?

この記事では、安川康介さんの書籍「科学的根拠に基づく最高の勉強法」を取り上げます。

私たちは勉強という行為を、1時間勉強した、20ページ勉強した、50問解いたなど、時間・ページ数・問題数などの分かりやすい指標に変換しがちです。

しかし、勉強という行為は複雑です。

学術的な研究によれば、私たちが直感的に効果的だと感じる勉強法が、必ずしも効果が高いわけではないことも分かっています。

 

本書は、科学的根拠のある効果の高い勉強法について知り、実践する方法が書かれています。

心理学や脳科学の研究によって得られた根拠に基づいた勉強法を知ることができるおすすめ本です。

今回は、3つのキーワードで中身をみていきます!

 

1. 科学に基づいた効果的な勉強法①:アクティブリコール

person writing on brown wooden table near white ceramic mug

 

“アクティブリコール”という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、学習した内容を能動的に思い出すことで、記憶の定着を助ける勉強法のことです。

この方法は、単に情報をインプットするだけでなく、積極的に記憶から情報を引き出すことに重点を置いていて、単純な暗記を超えた深い理解と長期記憶が可能になります。

多くの学習が多量のインプットに頼りがちですが、実際にはアウトプット、つまり記憶から情報を引き出す活動が学習効果を高める鍵です。

 

アクティブリコールの実践法

アクティブリコールの効果は、100年以上前から様々な研究で実証されています。

2013年のダンロスキーらによる報告では、アクティブリコールが他の学習方法に比べて時間効率が良く、最小限の訓練で高い効果を発揮することが確認されています。

方法としては、練習問題や過去問の解答、フラッシュカードの使用、学習内容の書き出しや他者への教授など。特に、何のヒントもなく記憶を引き出す作業は、学習効果をさらに高めるとされています。

例えば、1989年のグローバーらの研究では、ヒントなしで情報を思い出した学生が、ヒントありで思い出した学生よりも記憶の定着が良好であったと報告されています。

 

白紙勉強法

著者は医学の膨大な知識を覚えるために「白紙勉強法」という特別なアプローチを用いています。

この方法では、まず関連する教科書や資料から情報を読み取り、その後、何も見ずにその情報を白紙に書き出すもの。アウトプットは形式にこだわらず、可能な限り記憶から内容を引き出します。

さらに、書き出した内容を声に出して読むことで、記憶に定着しやすくなります(プロダクション効果)

また、教えるフリをすることで理解が深まる(プロテジー効果)とされており、これらの技術を組み合わせることで最大の学習効果を期待できます。

この繰り返しを通じて、不十分な理解や記憶の漏れを補い、完全な知識の獲得を目指せるでしょう。

 

2. 科学に基づいた効果的な勉強法②:分散学習

two women sitting in front of white table

 

“分散学習”とは、一度に長時間勉強するのではなく、短い学習期間を何度も繰り返し行う方法です。

試験前夜の「一夜漬け」は短期間には効果的かもしれませんが、長期的な記憶にはあまり役立ちません。実際、試験後すぐに学んだ内容を忘れてしまう経験をした人も多いでしょう。

これは、人の脳が日常的に受け取る情報の多くが生存に直接必要ではないため、不要な情報は忘却されやすいから。

この自然な忘却プロセスに対抗するために、分散学習では学習した情報を繰り返し思い出させることで、脳にその情報が重要であると認識させ、記憶に定着させます。

 

連続的再学習

“連続的再学習”は、分散学習のスケジュールとアクティブリコール(能動的記憶回復)を組み合わせたアプローチです。

この方法では、新しい情報を学んだ直後に何度かアクティブリコールを行い、その後数日間隔を空けて再度アクティブリコールします。

例えば、新しい単語を学んだ後、発音を聞きながらスペルを書き出し、意味も声に出して確認。その後、何も見ずにその単語を書き出すことで、記憶がどれだけ定着しているかをテストします。

不確かな点があれば再確認し、理解を深めます。

このプロセスを繰り返すことで、学習内容が長期記憶に移行しやすくなり、学習効果を最大化できます。

 

3. 科学に基づいた効果的な勉強法③:インターリービング

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“インターリービング”は、異なるトピックやスキルを交互に学習する方法で、科学的に効果が高いとされています。

この学習法では、一度に一つのトピックに集中するのではなく、複数の異なるトピックを周期的に切り替えながら勉強するもの。

たとえば、数学の問題を解く際に代数、幾何、統計などを交互に学ぶことで、それぞれの概念をより深く理解し、適用する能力が向上します。

 

インターリービングの効果

インターリービングの学習法は、単に知識を獲得するだけでなく、スポーツや音楽などのパフォーマンススキルにも応用可能です。

ゴルフのストローク、バスケットボールのパス、バレーボールのサーブなど、複数の技術を同時に練習することで、それぞれの動作をより効果的に習得できるとされています。

また、クラリネットやピアノなどの楽器演奏においても、異なる曲や演奏技術を交互に練習することが推奨されています。

特定の科目やスキルだけでなく、実際の試験のような複雑で多様な問題設定に対応する能力を養うのに特に有効です。

 

ブロック学習(一つのトピックだけを長期間集中的に学習する方法)では、1つの問題に対してどの概念や公式を適用するかが直感的にわかるようになります。

一方で、インターリービングでは、問題ごとに最適なアプローチを自ら見つけ出すことで、学習者はよりアクティブに知識を整理し、適用する力を養うことができます。

学習する内容をより広範囲にわたって適用するための思考力と柔軟性を育て、長期的な記憶保持に非常に有効な勉強法と言えるでしょう。

 

今回紹介した安川康介さんの書籍「科学的根拠に基づく最高の勉強法」について、まだまだ紹介できていない部分が多いです。おすすめの本ですので是非読んでみてください!

 

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