【最強脳】5分で学ぶ『一流の頭脳』要約(大人になっても遅くない、頭がよくなる方法)

日々を豊かに、丁寧に暮らすコツ

 

体を動かすことほど脳に影響を及ぼすものはない。これが本書のテーマであり、とりわけ効果の高い体の動かし方とそのメカニズムをお伝えする。

アンダース・ハンセン

頭はどうしたら良くなるのでしょうか? この記事では、アンダース・ハンセンさんの書籍「一流の頭脳」を紹介します。本書は、

  • 賢くなりたい
  • やる気を出したい
  • 効率よく物事をこなしたい

という方におすすめで、「運動にはこんなメリットもあったのか!絶対に運動しなきゃ!」と思わされるような内容です。

 

運動が健康に良いということは、誰もが知っていることですよね。しかし、運動が頭の良さや性格の良さにまで影響を与えるということは、あまり知られていません。

脳機能を上げたり頭をよくするためには、運動が最も有効な方法。運動をすると身体全体と脳の血流が増え、脳内で新しい細胞や血管が形成されたり、領域同士の結合が強化される一連の流れにより、脳機能が上がるのです。

これを聞いただけでも運動したくなると思いますが、より詳しく内容をみていきましょう!

 

1. 運動で脳が変わる

man tying his shoes

 

運動すると、身体全体と脳の血流が増え、それにより脳機能が上がる。これにより私たちはさまざまなメリットを得ることができます。

運動すると気分が爽快になるだけでなく、集中力や記憶力、創造性、ストレスに対する抵抗力も高まります。また思考のスピードが上がり、頭の中から必要な記憶や知識を効率的に引き出し、物事を素早く処理できるようにもなります。

 

これらのことは、数々の研究が示す運動のメリット。さらに著者は、脳の機能を高めるには、戦略的に運動をする方がパズルや脳トレよりはるかに効果があることが、研究成果ではっきりと証明していると語ります。

運動を行うことのメリットは大きく、短期的と長期的の2つのメリットに分けることができます。短期的なメリットとしては、運動の直後にドーパミンが多く分泌されること。長期的なメリットは、運動を習慣にすることにより脳の前頭前野が発達することです。それぞれ、さらに掘り下げていきましょう。

 

運動をすることの短期的なメリット

ドーパミンはこのブログでも何回も取り上げてきた、別名やる気ホルモン。人のやる気・活力・モチベーション・集中力・記憶力などに関わっている大事な脳内物質です。運動終了の数分後にドーパミンの分泌量が高まり、数時間はその状態が続くことが分かっています。これが、運動を行うことの短期的なメリット。

体に与える負荷が大きいほど、ドーパミンの分泌量も増えます。そのため、ドーパミンの量を増やすためには理想としてはウォーキングよりもランニングとかの方が効果が高いです。

また先ほどから書いているとおり、運動をすることで血行がよくなり、脳の血流も増えます。運動をすることで直後にドーパミンの分泌量が増えること、脳血流が増えることの2点により、私たちは運動をすることで短期的に脳機能が上がるのです。

 

運動することの長期的なメリット

短期的なメリットは、何となく想像できると思います。では、長期的なメリットは何でしょうか? それは、習慣的に運動を行うことで、脳の前頭前野が発達するということです。

運動をすることで脳の血流が増えたり BDNF(神経細胞の生存・分化、神経回路の発達・機能などの調節に必須な分泌性のポリペプチド、脳の栄養素)という脳内物質が分泌されます。BDNFが作られることで、脳細胞が増えたり機能を維持したり、成長したりします。

これにより、脳の前頭前野が発達します。脳の前頭前野は脳の最高中枢である一番大事な部分。やる気や集中力・記憶力・論理的思考・客感的思考・報道や感情のコントロールコミュニケーションなどを司ります。

 

前頭前野について

前頭前野についてはよく、脳内における“人を人たらしめている部分”と言われます。前頭前野が発達している人ほど、他人と良好な関係を築ける。目先の利益にとらわれず、長期的に見た有利なせだけができる。

それらの結果、社会的地位や経済的地位が高くなりやすいという傾向があります。運動をすることで、脳の前頭前野が発達することは、とても大きなメリットなのです。

さらに脳への血流が増えることで、脳内で新しい細胞や血管が形成され、領域同士の結合も強化されます。その結果、脳機能が上がり、頭が良くなります。運動による長期的なメリットを得るための目安としては、週に2~3回の運動を半年ほど続けること。そうすることで、自分でも実感できるほどに脳機能が上がるだろうと著者は言います。

 

ウォーキング・ミーティング

以上のように、運動を行うことには短期的と長期的の2つのメリットがあります。また、別の観点として運動はアイディア出しにも有効です。

例えば、アップルの創業者スティーブ・ジョブズは、よく歩きながら会議を行うことを好んだということで知られています。会議室のテーブルを囲んで話し合うよりも、歩きながら意見を出し合う方が、成果があると考えたんですね。

実際に、これは脳科学の観点からも理にかなっています。この流れを受けてFacebook (Meta) 創業者のマークザッカーバーグや、Twiterの創業者ジャック・ドーシーなどシリコンバレーの多くのビジネスエリートたちはこれに共感し、ウォーキング・ミーティングを取り入れています。

 

2. やる気の最新科学

silhouette of man standing on high ground under red and blue skies

 

ここからは、やる気と脳の関係について解説していきます。

数多のモチベーション研究で出された結論として、運動をすれば気持ちが前向きになりモチベーションが上がるということが分かっています。なぜかというと、運動をすることで、脳内でノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンといった脳内物質が分泌されるからです。それぞれについて、解説していきます。

 

ノルアドレナリンについて

ノルアドレナリンは、やる気や注意深さ、集中力の維持を促せる脳内物質です。これが不足すると疲労感を覚えたり、気持ちが滅入ったりします。運動を行うことで、適度にノルアドレナリンが分泌され、やる気が出るように調節されるため、やる気を高めるためには運動が効果的です。

一方で、このノルアドレナリンは厄介な物質で、多すぎると興奮したり過活動になったりと、落ち着きを失ったりします。また、ノルアドレナリンは別名、“闘争・逃走ホルモン”と言われてもいます。これは逃げるか戦うかという意味で、もともと天敵となる獣などに遭遇した際に多く分泌される脳内物質であるため、そう言われています。

天敵に対して逃げるか戦うかを選択が迫られますが、いずれにせよ集中力を発揮して、火事場の馬鹿力を発揮する必要があります。この集中力を高めてくれる物質がノルアドレナリンやアドレナリンであるため、これらの物質は闘争・逃走ホルモンと呼ばれるのです。

 

ドーパミンについて

ドーパミンは前述でも説明したとおり、別名やる気ホルモン。人のやる気や活力、モチベーションや集中力、記憶力といったものに関わる重要な脳内物質です。

 

セロトニンについて

セロトニンは別名幸せホルモン。鎮静作用があり、脳の活動を調節しています。興奮した脳細胞を沈め、脳全体の活動を抑制し、悩みや不安を和らげる効果もあります。

また、心を落ち着かせ、冷静な判断には強い精神力をも促す効果があります。セロトニンが欠如すると、機嫌が悪くなったり不安になりやすくなります。セロトニンは、精神の安定や心の落ち着き、安らぎに関わるとても重要な脳内物質なのです。

 

以上、3つの重要な脳内物質は、運動をすることで分泌が促されたり、量が調整されます。それにより、運動を終えた直後にモチベーションが高まり、その状態は1時間から数時間程度継続します。また、定期的に運動を行っていれば分泌されるようも徐々に増えていきます。

 

3. 3つの脳内物質の運動以外の分泌方法

human anatomy model

 

運動を行うことで3つの脳内物質を同時に分泌させることができますが、それぞれの3つの脳内物質について分泌を促す運動以外の方法についても解説します。

 

ノルアドレナリンの分泌を促す方法

ノルアドレナリンがたくさん分泌される時は、仕事の締め切りが近づいてきた時です。仕事の締め切りが近づくときに、集中力が高まりますよね。このように、適度なストレスがかかる場合に、ノルアドレナリンは分泌されて脳機能や集中力を上げてくれます。

また、ストレスの量と脳のパフォーマンスの関係性を示す例としては、「ヤーキーズ.・ドットソンの法則」が有名です。この法則とは、人は不安やストレスが小さすぎても大きすぎてもよくない。量が適度な時こそ、最高のパフォーマンスを発揮できるというものです。

この法則の要因となっているのが、ノルアドレナリンです。不安やストレスやプレッシャーが適度にある時に適度な量のノルアドレナリンが分泌されて、私たちは最高のパフォーマンスを発揮できるようになります。

 

ドーパミンを分泌させる方法について

ドーパミンを分泌させるためには、小さな達成感を味わうことが大切です。達成感を得ることにより、ドーパミンが分泌され、さらにやる気が高まります。たとえ小さくても、達成感を得るということが重要です。

例えば、朝に布団を綺麗に畳んでベッドメイキングをするといったことでも、私たちの脳内ではドーパミンが分泌されています。どんなに小さくてもとにかく何かを達成する、クリアする、終わらせるといったことを意識するとが効果的です。

それにより、脳内でドーパミンが出て快感を得ながらさらにやる気を得ることができます。エンジンがかかり、たくさんのやるべきことを次々に終わらせていくことができるのです。

 

セロトニンの分泌を促す方法

セロトニンの分泌方法は3つあります。

  • 日光を浴びること
  • 単調なリズム運動
  • 咀嚼

です。日光を浴びることは、特に午前中であるほど分泌が促されやすいです。朝起きたらすぐに日光を浴びることが効果的です。

単調なリズムは、散歩やラジオ、ストレッチ、ガムを噛む、キャベツの千切りなどです。単調であれば何でも良いです。

咀嚼は、よく噛んでご飯を食べる、ガムを噛むとった噛むことを意識することで効果があります。

 

4. 効果が高い運動のやり方

person in red shirt standing near river during daytime

 

最後に、具体的な運動のやり方について解説します。

脳に最も効果的な運動量は、どのくらいなのか。また、最大限の効果を得るためにはどんな運動をすればいいのか。残念ながら、それらに明確な答えは出ていません。しかし、実験データに基づきいくつかの条件や目安はあります。著者は、たとえわずかな一歩でも脳のためになる。少しでもいいからとにかく動くことが大切と言います。

確かに5分の運動よりも、30分程度の運動の方が効果は大きいです。しかし、たったの5分間の運動でも、それなりに良い効果を得ることができます。だからこそ、自分にあった無理のないペースで初めて行くことが重要です。

 

自分に合った強度で行う

運動をすることによって脳機能を高める高い効果を望むなら、最低ラインは1日30分のウォーキングです。さらにより高い効果を望み、脳のための最高のコンディションを保とうとするのであれば、ランニングを週に3回、45分以上を行うことが望ましいとされています。

また、ここでのポイントは、心拍数を上げることウォーキングでは、心拍数はあまり上がりませんよね。だからこそ、ランニングです。しかし、疲れるほど運動してしまうと脳の血流量は逆に減ります。なぜなら、血液が脳から筋肉へと流れを変えるためです。この点からも、自分に合った強度で行うことが一番重要です。

例えば、最初のうちはウォーキングから始めて体力がついてきたら、ランニングに挑戦してみる。このように、自分に合ったやり方で進めながら徐々にステップアップしていく方法がよさそうですよね。

 

有酸素運動、ときどき無酸素運動

また、脳へのよい効果を狙うのであれば、無酸素運動よりも有酸素運動です。早歩きのウォーキング、ランニング、サイクリング、スイミングなどのような中程度の負荷をある程度時間をかけて行う運動を取り入れましょう。

無酸素運動でも脳血流が増えたり、BDNFの分泌が促されたりしますが、その効率は有酸素運動には劣ります。脳を鍛えるという点においては、有酸素運動の方が有効です。

しかし、無酸素運動にも筋力がつく、疲れにくくなる、テストステロンなどの有益な脳内物質の分泌がされるというメリットがあります。筋トレのような無酸素運動でもメリットが大きいので、片方に偏らず、両方を取り入れるのが理想的です。

 

運動は万能薬だと言われています。今回紹介した「一流の頭脳」はおすすめの本ですので、ぜひ手に取って読んでみてください。

 

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