3分で学ぶ、分人主義『私とは何か(平野啓一郎)』豊かな人生を送る方法!

ハッとさせられる考え方・哲学


“本当の自分を誰も知らない、気づいてもらえない!”

と思ったことはありませんか?

頭の中のわたしが“本当の自分”で、他者に合わせるのが“うわべの自分”とすると、誰しもがそう思ったことがあるはずです。

“本当の自分”とのギャップに思い悩む人も多いと思います。

この記事で紹介する “分人主義” は、作家・平野啓一郎さんが考案された、

個人という単位をさらに細かい分人に分ける

という考え方です。

これを知ることで、“本当の自分”に悩んだり、自分探しの旅などをすることから解放され、自分の捉え方に幅と余裕が生まれます。

それでは、詳しくみていきましょう。

 

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1. “分人主義” のあらまし


まずは “分人” とは何なのか、平野さんの著書を引用して説明します。

「分人」とは、対人関係ごとに生じる様々な自分のことだ。

一人の人間は、複数の分人のネットワークでできており、「本当の自分」という中心は存在しない。

私は、近代的な「個人」という考え方の限界を乗り越えるために、「分人」の概念を発送した。

ーー「自由のこれから」平野啓一郎

ここで重要なことは、本当の自分は存在しないという認識です。

私たちは生まれながらにして、何か“本質的な自分”が存在していると思っちゃいますよね。

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いい思い出の中の自分、ふとした時に表れる嫌な自分など、これが“本当の自分”だと定義付けたくなるのが人間です。

また、こうあるべきと思い描く、“理想の自分”もいますよね。

しかし、そうした“自分”は、仮に「自分一人しかいない世界」を生きてきたとしたら、存在したでしょうか?

もちろん、存在しません。

環境や他者があり、それに反応した結果として“自分”が表れているのです。

そう考えると、多くの関係性の中で “様々な自分 = 分人” が存在することは、ごく自然なことだと思えませんか?

 

2. 他者の存在が自己愛につながる


上司の前の自分と、幼なじみの前の自分とでは、全く異なる自分がいるはずです。

家で一人でいる自分と、満員電車の中の自分も違います。

日々生活していく中では、様々な分人が表れては消えていく状態が続きます。

仮に、幼なじみと大学の友人または身内が一堂に会する場があったとしたら、どこか気まずさを感じませんか?

その理由は、それぞれ異なる環境を生きていた分人が一度に表れ、干渉し合っているからです。


あなたの中には複数の分人がいて、遠い昔に形成された分人でも懐かしい人と再会すると、自然とその分人は表れます。

そして、複数いる分人の中でも、ここに属している時の自分は楽、この人といる時の自分は気分がいい、といった好き嫌いがあるはずです。

この “特定の環境、他者を愛する” ということが、ひるがえって “己の分人を愛する” ことにつながるという気づきが重要だと、平野さんは言います。

コミュニケーションは他者との共同作業である。会話の内容や口調、気分など、すべては相互作用の中で決定されてゆく。

自分を愛するためには、他者の存在が不可欠だという、その逆説こそが、分人主義の自己肯定の最も重要な点である。

愛とは、「その人といるときの自分の分人が好き」という状態のことである。

出典:「私とは何か」平野啓一郎

この気づきにより、“他人は切っても切り離せない、自分の構成要素である” と、より理解できるのではないでしょうか。

これを日々意識することで、他者に対してより寛大な気持ちになれる気がしませんか?

また、他人にとって自分が、“愛すべき分人を引き出す要素”となれているかと考えることで、自己を振り返るきっかけにもなりますね。

 

3. 分人の構成比率をコントロールする


最後に、どう分人を扱えば、より良く、より自由にいられるかということを解説します。

第一に、あるべき唯一の自分というものはなく、複数いる分人が干渉し混ざり合いながら、日々変化していることを理解することが大切です。

これだけでも、自分探しをしなくなり、だいぶ気持ちは楽になります。

さらに、どの分人が好きか日々考え行動し、生活に占めるそれぞれの分人の構成比率を意識的に変えることで、より豊かにより自由になります。

自分が好きな自分でいられる分人の比率がなるべく大きくなるように、人間関係を整理すること。

そうすると環境が、より好きな分人を生きやすくしてくれると思います。

引用:WEEKLY OCHIAI「自由をアップデートせよ!」

ここで重要なのは、

分人の構成比率が可変であるか?

ということです。

例えば、サラリーマンである分人が生活の大半を占めていて、その分人があまり好きでないとします。

本来、その割合を少なくしたいはずですが、他に移すべき分人がいなかったり、移そうにも移せないことがストレスになります。

そう考えると、より多く好きな分人を持つこと、分人間を自由に行き来できることが、豊かさや自由に直結することが理解できますね。

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お金や時間がたくさんあり、自分本位に生きていくことが自由で幸せとは限らない。

他者との関係性を楽しみながら、日々分人を動かし、アップデートしていくことが、自分にしかない幸せにつながっていくのです。

なかなか実践していくことは難しいかもしれないですが、日々分人を意識して、少しずつアップデートしていきましょう。

 

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