この記事では、「影響力の武器」という本を紹介します。
本書は、“なぜ人は動かされるのか”、“誰かに影響を与えたり人を操りたい”といったことに興味のある方におすすめです。
また、本の中では心の操り方のテクニックが、6つ紹介されています。これは日常生活でも使えますし、ビジネスの場でも使える鉄板の考え方なので、ぜひ知ってほしい内容です。さっそくみていきましょう!
1. なぜ人は操られてしまうのか

まずは、なぜ人は操られてしまうのか、なぜ欲しくもないようなものを高値で買わされてしまうのか、という点について説明していきたいと思います。
人間は進化の過程で、心理トリガーというものを身に付けています。
何故か知らないけどこういうことをされると、こういうことをしたくなってしまうという引き金のことです。
例えば、食べ物を見ると唾液が出てしまうといった、意思に反して反射のようなものが心ともつながっているということです。
本書では具体例として、間違って2倍の値段をつけてしまった宝石店が、その日はいつもよりも宝石が売れたという話があります。
人間の行動としては、頼みごとをする際に嘘でもいい理由でもつけたほうが相手を説得しやすいです。相手は、「その理由だったら仕方ない、受けるよ。」と言いやすいといった操られる基本パターンがあります。
注意して欲しいのは、無意識の心理トリガーに抗うことはできないということをしっかりと押さえておく必要があります。
心理トリガーで今もしかしてこの商品欲しくなってるんじゃないかな?ということを客観視してみると自分が別に欲しくもないんだけどいろんな心理のテクニックによって買わされそうになっているんだなとを気づくことによって初めて買うのはやめておこうと思えます。
だからこそ、しっかりと知識としてこの情報を知っておくということが大切になってきます。
2. 6つの心理テクニック

ここからは、心理テクニックをみていきましょう。本書で紹介されているのは以下の6つの心理テクニックです。
- 返報性
- 一貫性
- 社会的証明
- 権威
- 行為
- 交渉
今回は、その中から特徴的な3つについて解説してきます。
返報性
まずは、返報性について。
好意の返報性というのは、恋愛なんかで好きでもない人から告白されたのに何か気になっちゃって気づいたら好きになってるといったことを言います。何かしてもらったらお返しをしたくなるというのが、返報性です。
例えば、試食販売でウインナーを食べさせられることによって、悪いからその商品買わなきゃいけないと思うことや、服屋で試着していいと言われて後に引けず悪いから買ってこうみたいなのことです。
返報性のはすごい特徴があります。
嫌いな人からなにかされた時にも、お返しをしたくなるということです。
好きな人とかそういう特別な人からだけでなく、嫌いな人からされた場合も返したくなる。また欲しくないものをもらった場合でも、返報性が作用してしまいます。
むしろもらったものよりもいいモノを返さないといけないとさえ思ってしまうのです。
嫌いわれている人にいらないものでもあげたら、よりも多く返ってくるよっていうのがこの返報性です。
一貫性
次は、一貫性についてです。
コミットメントと一貫性って言わますが、発言したことを曲げることができない、一度発言したことを撤回できないよというのがこの一貫性です。
特に男性はこれ陥りがちですが、自分が言ったことが間違っているなと思いながらも、一回行ってしまった事っていうのをもう撤回できないと思ってしまうのです。
人間は特に自分自身っていうのは正しいと思いがちなので、発言したことに違和感を覚えても、やっぱそうなんじゃないかなとだんだと思い込むように出来ています。
例えば、高額商品を買った時、なんかにその商品自体が素晴らしいものだと思い込もうとしてしまう。実際買ってみて思ったのと違ったなぁと最初は思っていても、次第にやっぱりいいと思ってきてしまう。
他にも、一度イエスって言ったら撤回しにくくなるということもあります。
まずは小さな買いやすいものを売りつけて、どんどん高くしていくっていう情報商材の手法があったりしますよね。これも一貫性を利用しています。
この一貫性には効果を増強する4つのカギがあり、相手を行動させて公衆の目に晒し、さらに努力を要して自分の意思で選んでいるということなんです。
例えば服の試着なんかをさせて、皆の前で服を着させて「素晴らしい、似合ってますよ!」と言ったりすると、これを買わないといけないんじゃないかなと思ってきたりする。これも一貫性の一つのパターンです。
その他にも馬券を買って一度勝つと、その後も勝てるのではないかと馬券を買い続ける行動は、この一貫性に関連した、慣性という心理テクニックが作用してしまっている場合になります。
社会的証明
最後に、社会的証明です。
これは多くの人が行っていることが正しいと思ってしまうっていう心理テクニックです。
よく言われるのは行列が出来ている店っておいしいんじゃないかと思ってしまうということ。これをうまく利用しているのがテレビです。お笑い番組なんかで用意された人の笑い声が入っていたりしますよね。
みんなが笑ってるんだからこれは面白いんだ、この芸人は受けてるんだと思ってしまう。これも社会的証明の心理テクニックです。
他にも再生数が多い動画が、信憑性が高いというのは権威と同時に、みんなが見ているということはこの動画はいいコンテンツだという社会的証明にもつながっています。そのため、社会的証明を獲得するまでは難しいですが、一度得てしまうと後が楽になるというケースはよくあることです。
今回紹介した心理テクニックは分かっていても、はまらないのがなかなか難しいセオリーです。何か騙されていないかと意識することも大事ですが、知らずにいるならそれはそれでいい思えることもあると思います。
ただし、これらを使える立場になると日常生活で人間関係や意思決定を通すといった場で活用できることもあるではないでしょうか。
「影響力の武器」について、より詳しく知りたい方は、ぜひ本書を手にとってみてください。