5分で学ぶ『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』要約(サム・アルトマンが描く未来)

man in black crew neck t-shirt wearing black sunglasses holding black smartphone 時代を生き抜く考え方・哲学

 

最近の生成AIの進化の早さは、未来が加速している瞬間に立ち会っている感覚がありますよね。

この記事では、橘玲さんの書籍「テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想」を取り上げます。

いま世界を変える思想は、“リバタリアリズム”だけだと、著者は言います。

 

こう言い切れるのは、Google、Amazon、Metaなどプラットフォーマーの創業者、ChatGPTなどのAIやビットコインなどで使われるブロックチェーンの開発者が、みな“テクノ・リバタリアン”だからです。

リバタリアンとは自由原理主義者のことで、その中で極めて高い論理数学的知能を持つのがテクノ・リバタリアンです。

本書は、そんなテクノ・リバタリアンについて書かれた本です。テクノロジーの最前線の人たちが何を考えていて、どんな未来が想像されるのか、一緒に中身を見ていきましょう!

 

1. ベーシックインカムの決定的な弱点

person in green shirt holding white plastic pack

 

私たちは一人一人、異なる“脆弱性”を抱えています。

そうした個々の差異を受け入れた上で、すべての人が幸福になれる社会システムを構築することは可能でしょうか?

この疑問に対して、OpenAIのCEOで企業家、投資家のサム・アルトマンは、地球上の全ての人に仮想通貨を使って金銭を配布する「ユニバーサルベーシックインカム(UBI)」の提案で応えようとしています。

 

ベーシックインカムを誰に支払うか

経済格差の解消を目指し、毎月一律お金を配るようなベーシックインカムの導入は、多くの人が支持しています。

しかし、そこには大きな弱点があると著者は指摘します。

それは「誰に支払うのか」という点です。

例えば、日本でベーシックインカムが実施された場合、その受給権は日本国民に帰属しますが、長い歴史を持ち日本で育った在日韓国人などは外国籍であるため、資格を得ることができません。

 

さらに、制度の悪用も問題となります。

現行法では、日本人の親から生まれた子どもは自動的に日本国籍を得ることができるため、アジアやアフリカ、中南米などの国々で日本人として認知された子どもを大量に持つことで、莫大なベーシックインカムを受け取ることが可能になります。

このような現象は、日本国内で収入の少ない男性が海外へ移住し、「日本人」を増やす事態にもつながるかもしれません。

 

国籍と遺伝子の問題

この問題を解決するためには、生物学的な「日本人」の定義を法律で明確にし、すべての子供を遺伝子検査する等の措置が必要になる可能性があります。

例えば、日本人の遺伝子を2/3以上持つ者だけがベーシックインカムの受給資格を得る、といった規定を設けることが考えられますが、これはグロテスクな優生学国家を創出する危険性をはらんでいます。

 

サム・アルトマンはこれらの問題を認識しており、地球上の全ての人間に対して仮想通貨でベーシックインカムを提供することを目指しています。

彼の提案は、国籍や人種、地域にとらわれることなく、真に普遍的な福祉を実現するための一歩と見なされています。

 

2. 人間であることの証明

a pile of coins sitting on top of a table

 

サム・アルトマンが率いるワールドコイン財団は、世界の80億人全員にユニバーサルベーシックインカム(UBI)を提供する野心的な計画を進めています(私も参加していて、少額ながら日々受け取っています)。

しかし、この計画には重大な課題が存在します。

具体的には、一人の人間が何千件ものベーシックインカムを不正に受け取る可能性があるため、機械と人間を区別する確実な方法が必要です。

 

プルーフ・オブ・パーソンフッド

これに対処するために提案されているのが「プルーフ・オブ・パーソンフッド(人間であることの証明)」です。

ブロックチェーン技術はデータの透明性と改ざん防止に役立ちますが、人間そのものをデジタル化することはできません。

人間のアナログな性質とデジタル技術との間には、まだ解決すべき課題が多く存在します。

 

ビットコインなどでは、アカウントの作成自体が利益に直結しないため、ボットによる不正使用が防がれています。

しかし、SNSではボットによる問題が頻繁に発生しており、これらの問題に対応するためには、政府のデータベースとの連携が一つの解決策です。

日本では、戸籍謄本や住民票の提出によって個人を認証することが可能ですが、これには監視社会への懸念が伴います。

 

生体認証の利用とプライバシー

現在、スマートフォンでは指紋認証や顔認証が広く用いられており、これによってセキュリティが向上していますよね。

生体情報がデバイスに保存され、外部に送信されないため、プライバシーの問題は比較的少ないです。

生体認証は、デバイスを使用している本人であることを証明する手段として有効ですが、複数のデバイスを使用する場合、同一人物が複数のアカウントを持つ問題を解決できません。

 

ワールドコイン財団はこの問題を解決するため、非常にアナログな手段を採用しています。窓口でスタッフが直接人間であることを確認し、その場で生体情報(眼の虹彩)をスキャンして、個人を特定するワールドIDを創出する方法です。

この方法はデジタル技術だけでは不十分であることを示しており、ハイテクとローテクの融合が今後の大きな課題となるでしょう。

ワールドコインに興味のある方は、以下のリンクから登録してみてください!

https://worldcoin.org/join/0OEGT9Y

 

3. 世界の根本法則「コンストラクタル」

river between mountain at daytime

 

ここで、ある物理学者の話に移ります。

エイドリアン・ベジンは、電子機器の熱を効果的に放出するための回路設計が、自然界の河川が平地で分岐し、最終的に海に流れる経路と類似していることに気づきました。

彼はこの発見から、自然界と人工物の共通の原理を理解するための研究を続け、新しい物理学の原則「コンストラクタル法則」を提唱しました、

何のことか分かりづらいので、以下もう少し詳しく解説します。

 

コンストラクタル法則とは

コンストラクタル法則は、生物であれ無生物であれ、微細な分子から広大な宇宙に至るまで、この世界に存在する全ての物体が従う単一のシンプルな規則。

ベジンによると、流れや自由な動きが存在する環境では、すべての物体や生命形態は、より効率的に、すなわちより速く、より滑らかに動くように進化する。この法則には例外がなく、自然界の様々な現象に適用可能だそうです。

 

地球の生態系において、太陽からの熱量は赤道付近と極地で異なります。この温度差が水や空気の流れを引き起こし、それによって生物はその環境に最適化された形態へと進化しています。

例えば、魚は水の流れに適応して体を流線形に進化させ、鳥は重力に逆らいながらも効率的に飛べるように翼を発達させました。

 

テクノロジーへの影響

この自然の原則は、人間が開発する飛行機や船などの設計にも影響を与えています。

これらの乗り物は、自然界の生物と同様に、効率的な移動を可能にするために、鳥や魚の形状を模倣しています。これをバイオミミクリーとも言います。

つまり、コンストラクタル法則は、性別や生物か無生物かにかかわらず、同じ条件下で最も効率的な形へと進化するという現象を説明しています。

 

コンストラクタル法則は、自然界だけでなく、人間の技術開発においても、形状や構造の最適化を理解するための強力なツールとなっています。

この普遍的な原理が示すのは、すべてのシステムは効率的な形態へと進化するということです。

この法則を通じて、私たちは自然界と人工物の間の深いつながりを理解することができます。

 

4. メディアの未来

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物理学のコンストラクタル法則をメディア産業に適用すると、情報が最も早く滑らかに流れる環境が生まれることが予測されます。

この効率的な環境を想定すると、巨大な中央集権組織と才能ある個人が情報の主導権を握る二極化になると考えられています。

以下、詳しく深掘りしていきます。

 

巨大プラットフォームとフリーランスの隆盛

技術革新が進むにつれて、メディア空間は拡大し続け、個人はフリーランスのコンテンツプロバイダーとしての地位を築くようになります。

これにより、大手プラットフォームが市場を支配する一方で、コンテンツを作る力がない中途半端な組織は市場から淘汰されていくことが予想されます。

この現象は、インターネットの普及によってメディア業界にもたらされた変化と類似しています。

 

かつての新聞、映画、テレビ、ラジオは情報の流れを独占することで安定した収益を上げていました。

しかし、インターネットの登場により、全ての人が情報を提供できるようになり、従来のメディアは個人が提供するコンテンツと同じ土俵で競争する必要が生じました。

ユーザーの時間は有限であり、一つのコンテンツに時間を割くと、他は疎かになります。

 

巨額の投資と競争力

競争が激化する中で、Netflixのようにコンテンツ制作に巨額の費用を投じることで個人のコンテンツとの差をつける戦略が有効です。

ユーザーは限られた時間の中で、より質の高いコンテンツを求めますが、制作予算が乏しい企業は生き残りをかけて新たな戦略を練る必要があります。

 

日本では長い経済停滞の一因として、年功序列や終身雇用に基づいたサラリーマン文化があり、不採算の企業が政府によって保護されることで市場が停滞しています。

コンストラクタル法則に反して、情報が流れるべき自由で風通しの良い環境が損なわれ、組織は進化することなく淘汰される運命にあるのです。

 

5. 意識を持ったAIとの融合

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科学者マルチェッロ・マスミとジュリオ・トノーニは、意識が成立するためには、データの量だけでなく、そのデータがどのように統合されているかが重要であると考えました。

彼らの研究によると、小脳には大脳よりも多い800億のニューロンがありますが、これらは独立したモジュールとして機能しており、意識形成には寄与していません。

対照的に、意識と関連する大脳のシステムは、複雑で密接にネットワーク化された「スモールワールド」として機能し、さまざまな部位が連携して反応します。

 

AIの意識とその挑戦

コンピューターは高性能になっても、小脳のようにプログラムが逐次処理されており、全体が統合されていないため、意識を持つことはありません。

しかし、鳥や哺乳類のように、脳内データが少なくとも緊密にネットワーク化されている生物は、その複雑さに応じて意識を有しています。

この統合情報理論に基づくと、AIも犬や猫程度の複雑さで統合されれば、意識を持つ可能性があります。

 

テクノロジーの未来とシンギュラリティ

シンギュラリティ大学の創設者であるベンチャーキャピタリスト、ピーター・ディアマンティスは、量子コンピューター、人工知能、ロボティクス、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーなどの技術が急速に進化し、これらが融合することで短期間に革命的な変化が引き起こされると述べています。

↓ディアマンティスによる未来予測はこちら

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ディアマンティスの見解によれば、未来の世界では、脳をリアルタイムでスキャンし、ニューロンをピンポイントで刺激できる技術が実現します。

これにより、人類はクラウドベースの集団意識へと移行し、スタートレックに登場する機械生命体のように、全人類が意識を共有する超知能として進化するでしょう。

 

人類と機械の融合

情報がより早く、より滑らかに流れるように進化するというコンストラクタル法則に従えば、「人類+機械」の融合は避けられない未来となるでしょう。

この融合によって、私たちは単なる生物的存在から超知能を持つ存在へと進化し、宇宙への広がりを見せることになります。

この壮大なビジョンは、現代科学とテクノロジーが導く明日への道しるべとなるかもしれません。

 

今回紹介した、橘玲さんの書籍「テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想」について、まだまだ紹介できていない部分が多いです。おすすめの本ですので、是非読んでみてください!

 

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