運動が脳にいい理由は?『脳を鍛えるには運動しかない』要約(脳内組織を効率的に鍛える方法)

man jogging on street during daytime 日々を豊かに、丁寧に暮らすコツ

 

運動のメリットを、正しく理解していますか?

この記事では、ジョン・レイティさんの書籍「脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方」を紹介します。本書では運動のメリットについて、科学的なエビデンスに基づいて解説されています。

運動には、集中力・記憶力アップ、メンタルが安定する、ストレスに強くなる、幸福感アップ、ポジティブになれる、筋力アップ、ダイエット効果など、メリットが盛りだくさんです。

単に健康に良いことは誰でも知っていることですが、頭の良さや性格の良さにまで影響を与えることは、あまり知られていないこと。この機会に、運動のメリットをしっかり把握していきましょう!

 

1. 運動の3つの効果

man in black t-shirt and black shorts running on road during daytime

 

運動にはたくさんのメリットがありますが、今回はその中から3つの効果をピックアップして紹介します。

頭が良くなる

運動をすると、脳でBDNFという物質が作られ、頭が良くなります。 BDNFは日本語訳すると、脳由来神経栄養因子。簡単に言うと、脳の栄養になる物質です。脳細胞の栄養のような役割をしており、脳細胞が増えたり脳細胞の機能を維持したり、成長させたりします。

 

集中力が上がる

集中力の向上については、2つの側面があります。1つ目は、長期的に見て集中力が上がること。もう一つは、短期的に見ても集中力が上がること。長期的に見て集中力が上がるのは、運動を習慣的に行うことで、その人の基本的な集中力が上がるということ。対して、短期的に集中力が上がるのは、例えば10分散歩するとその後の1時間の集中力がアップするといったことです。

  • 運動の長期的なメリット

運動が習慣になると集中力が上がり、スムーズに集中できるようになったり、集中できる時間が長くなったりします。

なぜこのようなメリットがあるかと言うと、運動によって脳血流が増えたり、BDNFが出ることで脳の前頭葉を鍛えられるからです。

前頭葉は、集中力や思考力、感情や行動のコントロールなどに関わっています。運動を習慣的に行い、前頭葉を鍛えることで集中力や思考力の向上、メンタルの安定やり抜く力の向上といった長期的な効果が得られます。

  • 運動の短期的なメリット

運動は短期的にも集中力を上げてくれます。その理由は主に2つ、血流のアップとドーパミンの分泌です。

運動すると血の巡りがよくなり、酸素が身体全体に行き渡ります。酸素はエネルギーの源。しっかりと脳に酸素を回してあげることは、集中力アップに直結します。

また、ドーパミンという物質も集中力を高めます。ドーパミンは脳の中で作られる脳内物質。これが分泌されると、やる気が出る頭が冴える、記憶力が上がるといった効果を得ることができます。

そして、このドーパミンを出す方法はいくつかありますが、その一つが運動です。運動をすると、ドーパミンが分泌され、集中力が高まります。

 

メンタルが安定する

運動をすると自律神経が整い、メンタルが安定します。自律神経とは呼吸や体温調節、代謝などを行う神経で、自分の意思とは関係なく自動で24時間働いています。

自律神経は、交感神経と副交感神経という2つの神経系から構成されていて、交感神経は身体の活動に関わる神経、副交感神経は身体の急速に関わる神経です。

よく自律神経が乱れると、体が活動と休息を切り替えるスイッチがうまく働かない状態だと言われます。このスイッチのオン/オフを正常に切り替えるには、自律神経を整えることが非常に大事です。

 

メンタルが安定しない状態、感情の起伏が激しい状態は、まさに交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいっていないことが一つの原因です。

この時、交感神経のスイッチばっかりが入りすぎな状態になっています。すると、常にピリピリしていたり、そうかと思えば、そのストレスから急に無気力になったりといった精神状態に陥ります。

このような精神状態を防ぐために、自律神経を整える方法の一つが運動です。

 

2. どんな運動がいいのか

pair of black running shoes

 

では、具体的にどんな運動がいいのでしょうか。脳を効率的に鍛える運動は“有酸素運動”、これをある程度まではやればやるほど脳にいいです。脳を鍛える観点からすると、無酸素運動よりも有酸素運動の方が脳を鍛えることができます。

有酸素運動とは、早歩きのウォーキング、ランニング、サイクリング、スイミングのような中程度の負荷で、ある程度時間をかけて行う運動のことで、その名の通り酸素を多く取り込みながら行う運動です。

無酸素運動に比べ、有酸素運動の方がBDNFの分泌、心肺機能のアップ、脂肪燃焼という効果が大きく、一方で無酸素運動は筋力アップの効果が大きいです。

 

理想としては、有酸素も無酸素もどっちもやることですが、どれくらい運動すればいいのかというと。ある程度まではやればやるほどいいです。基本的に、運動はやればやるほど効果があります。

しかし、毎日自分の限界を超える運動を行うと、逆に疲れが溜まってしまう、筋肉量が落ちてしまうといったデメリットがあるので、極端に運動をやり過ぎるのはNG。心拍数が上がり、軽く汗が出る程度の運動を30分~1時間、週に2~3回程度行うのが良いとされています。

ただし、もちろんこれは個人差があるので、継続することを最重視して、自分に合ったやり方で行いましょう。

 

また、短期的な運動としては、1時間に一回程度、5分くらいの軽い散歩もしくはスクワット、階段の上り下りなどを挟むこともおすすめです。

ちなみに、太ももが一番大きな筋肉なので、散歩やスクワットといった足の筋肉を使う運動が、最も効果的です。ぜひ足の筋肉を使う運動をご辺でもいいので取り入れてみてください。

 

3. そもそも、なぜ運動は良いのか

woman in black tank top and black shorts sitting on black exercise equipment

 

ここまで、運動のたくさんメリットを紹介してきました。でもなぜ、そんなに運動は体にいいのでしょうか?

それは、人はそもそも動き生き物だからです。人類の歴史において、そのほとんどは狩猟・採集の時代でした。人は約250万年もの狩猟採集時代があった後に、ようやく1万年前から農耕をスタートさせています。

その後、約250年前に産業革命が起きて現在に至っているので、人類の歴史の99%以上は狩猟・採集の時代です。

 

ここ数百年でテクノロジーの急激な発達によって、社会は激変していますが、生物の進化はとても遅いです。生物の進化のスピードと科学や社会が進歩するスピードにはギャップがありすぎるため、身体は未だに狩猟・採集時代をベースとしたつくりになっています。

つまり、基本的に1日中動き回る、走り回るといった生活です。動き回って、たまに休憩する。そのぐらいが、人の本来のあるべき姿となるように、体は最適化されているのです。

私たちの体は運動をすると喜び、整います。よく運動は万能薬だと言われていますが、その多くのメリットを知ったうえで取り組んでみましょう。

今回紹介した、ジョン・レイティさんの書籍「脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方について、より詳しく知りたい方は、ぜひ手にとって読んでみてください!

 

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