生き方を変える『24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力』要約(我慢して生きるほど人生は長くない)

people standing and walking on stairs in mall 日々を豊かに、丁寧に暮らすコツ

今日一日をどう過ごすのかという人類永遠の課題。それに対し、あなた自身の考えを出せるのは、ほかならぬあなただけです。

大切なのは自分だけの一歩を踏み出すこと。最高の24時間を手に入れる旅を始めましょう。

この記事では、堀田秀吾さんの「24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力」を紹介します。

本書は、

  • やるべきことに集中できていない
  • 何も達成できていない

と感じている方におすすめです。将来に不安を感じてやるべきことが手につかない、友達からのメール・LINEの通知が来るたびに作業を中断してしまうといった経験はないでしょうか?

現代は集中を乱し、私たちから時間を奪ってしまうものがたくさん存在しています。本書は、そんな現代社会において、今日1日に集中するにはどうしたらいいのかを教えてくれます。それではさっそく、中身を見ていきましょう!

 

1. 現代人が1日に受け取る情報量は中世の人の一生分以上

timelapse photography of people walking

 

現代社会は情報化社会であると、よく言われます。私たちは、毎日おびただしい量の情報を受け取っています。例えば、ニューヨークタイムズ紙1日分に含まれる情報量は、17世紀の平均的なイギリス人が一生で触れる情報量よりも多いです。

テクノロジーの発達により、昔に比べると信じられないほど私たちの生活を便利になりました。検索すれば、知りたいことの答えはすぐに見つかります。世界中の人と瞬時につながることもできるようになりました。

 

一方で、そうした情報の多くは、私たちが目の前のやるべきことに集中するための時間と力を奪い、仕事などのパフォーマンスが落ちる大きな原因にもなっています。昔も今も、1日は24時間しかありません。

私たちはメディアやネットの情報を見たり、気になった情報をさらに調べたり、メールやLINEを読み返事し、SNSで発信された情報をチェックし、リプライをするなど、膨大な情報を処理するためだけに信じられないほど多くの時間を費やしています。

 

そして、情報の処理に費やす時間が増えれば増えるほど、目の前のことに集中することも難しくなります。

目の前にやるべきことがあるのに、見ず知らずの人の身に起きた事件や海外の紛争のことが気になり、ついネットサーフィンをしてしまう。上司や取引先からのメールが次々に届くためその対応に追われ、やるべき作業に全く集中できないといったような経験は誰にでも身に覚えがあると思います。

こうした状態では、限られた時間を有効に使えるとは言えませんし、充実した豊かな人生を送っているとも言えないでしょう。

 

2. どれだけ情報を集め、生産性を高めても、充実感も幸福感も得られない

person holding black android smartphone

 

人の脳は昔からほとんど進化していないのに、なぜ現代社会に生きる私たちは情報を集め様々な物事を同時進行で進めようとするのでしょうか。それは、究極的には今を生きる大切さに気付かず、知り合いの未来と戦ってばかりいるためだと同著者は言います。

人がやたらと情報を集めたがる背景には情報を集めることで、失敗や間違いをしたくないという心理があり、人がマルチタスクを行うのは、その方が生産性が高いと思い込んでいるからです。これらはいずれも仕事や人生を効率よく成功させたいという思いにつながっています。

しかし、いくら情報を集めて危機を回避し、自分を有利な状況に持っていこうとしても、いくら様々な仕事を同時にこなし生産性を高め自分の価値を高めようとしても、いくらタイムマネジメントを徹底し人生をコントロールしようとしても、その先にビジネスの成功や豊かで幸せな未来が待っているとは限りません。

 

情報収集、生産性は幸せにつながるのか?

過去の経験を、振り返って考えてみてください。

  • 情報をたくさん集めたことで、危機を完璧に回避できたでしょうか?
  • 集めた情報は人生を大きく変えてくれたでしょうか?マルチタスクを行ったことで、本当に生産性は高まったでしょうか?
  • 仮に生産性が高まったとして、そこで何が得られたでしょうか?
  • 余計な仕事が増えただけではなかったでしょうか?タイムマネジメントを徹底したことで、どれだけ人生をコントロールすることができたでしょうか?
  • 仮にそれで時間の空きが生まれたとして、そこで自分のやるべきことやりたいことができたという実感はありましたか?

 

こう考えてみると、いたずらに情報を集め、生産性を高めても、人生の充実感や幸福感をもたらしてはくれないことが分かります。様々なことを上手にこなしているような気になり、情報や本当はやる必要のない仕事への依存度が高まるだけで、人生にクリエイティブなことは全く起きません。

 

3. 私たちにコントロールできるのは1日24時間だけ

person holding pocket watch

 

そもそも知り合いの未来と戦うこと自体が、人生の幸福度を下げることも少なくありません。過去にこんな未来にしたいという思いを描き、そのための最適化を考え努力したにも関わらず、望むような結果が得られなかった。そんな時人はかつて自分が抱いていた理想と現実とのギャップに苦しむことになるからです。

例えば、一生懸命勉強していい学校いい会社に就職することこそ、幸せな人生を歩むための最適解だと思って頑張ってきたのに、今の自分は日々仕事に追われ自分のやりたいこともできず、幸福とは言い難いといった状況になったり、定年になればたくさんのお金と自由な時間が手に入り、悠々自適の生活が待っていると思って頑張って働いてきたのに、いざ定年になってみると体力が落ち自由がきかなくなり、定年後にやろうと思っていたことが何もできていないといった状況になることも考えられます。

他にも、昇進すれば、転職すれば、結婚すれば素晴らしい未来にたどり着けるそう思っていたのに、そうならなかったそんな思いにさいなまれ、苦しみや悔しさを感じている人はたくさんいるでしょう。未来に多くのことを望んでも、それが叶うとは限りません。

また現在に不満があるからといって、過去を変えることもできません。つまり、私たちは未来も過去もコントロールすることはできないのです。

 

私たちがコントロールできるのは何か?

では、私たちがコントロールできるのは何でしょうか?

それは、いま目の前の1日、24時間です。本書のメインメッセージは、効率化を求めて情報を漁ったり、生産性を求めてマルチタスクを行ったり、タイムマネジメントに固執したりするといったことをやめること。

そして過去を悔やんだり、いつか望む通りの人生が手に入るはずだと未来に望みをかけたりするのもやめること。

その上で、今に目を向けることの大切さを自覚してほしいです。今日の24時間にやるべきシングルタスクを決め集中して取り組む。私たちに確実にできるのはそれだけであり、その積み重ねの結果として仕事の成功や充実した幸福な人生がもたらされるのではないかと著者は言います。

 

4. 立派な動機より自分勝手な動機を持つ

boy sitting on bench while holding a book

 

ビジネス書などにはよく、仕事へのモチベーションを高めようと書かれており、モチベーションを高める方法などが記されています。しかし、やみくもにモチベーションだけを高めようとする行為は、残念ながら無駄でしかないです。

イェール大学のレセス二・ウイスキーラによる研究チームが、アメリカの陸軍士官学校の生徒1万人以上を10年にわたって調査し、志望動機とその後のキャリアを記録したところ、自分のやりたいことに対し教養のため人類のため出世のためなどといった理由付けをする人ほど、長期的なキャリアの結果が悪くなる傾向がありました。

実はモチベーションには、行動に対し人類のためになる、国のためになるなどの理由付けを行う外発的なモチベーションや、好きだからやるといった内発的なモチベーションなどいくつかの種類があります。

 

内発的なモチベーションの重要性

やるべきことへの集中力を圧倒的に高めてくれるのは、内発的なモチベーション。やみくもに理由付けをしたり大きな目標を掲げたりして、外発的なモチベーションを高めても、意味がないどころか、かえって逆効果になってしまうことがあるのです。

単に仕事で成果を上げ、充実した人生を歩むために24時間を有意義に過ごそうなどと考えても、なかなかやるべきことへの集中力は高まりません。まずは自分が好きなことやりたいと思うことにリソースを割きましょう。

その上で、好きでやったことに意味づけをすることが、人生を肯定する唯一の方法です。

 

好きなことに時間を割かないのはもったいない

また、好きでやりたいことはあるけど、そこにリソースを割いたところで成功に結びつくかどうかわからない。そのため、それほど好きではない与えられた仕事に、時間を割いている人も多いかもしれません。

確かに好きなことにリソースを割いたことで、全て天職と言えるところまでレベルアップするか、収入に結びつくかはわかりません。しかし、成功するかどうかわからないからリソースを割かないし、頑張らないというのは、非常にもったいないと著者は言います。

私たちは、過去の時間の価値を結果によって判断したがる傾向があります。自分の望む結果が得られたかどうかによって、簡単に過去の自分、過去の時間の評価を変えてしまいます。それは非常に短絡的なことです。

 

5. 好きなことに使った時間は無駄ではない

MacBook Pro, white ceramic mug,and black smartphone on table

 

もちろん、充実した24時間を積み重ねた結果、望む会社に転職できたり、収入が上がったり、人生の充実とが増したりしたのであればそれは素晴らしいことでしょう。自分の過ごしてきた時間は間違いではなかったと考えるのは当然のことです。

しかし、好きなことやりたいことにリソースを割き、24時間を過ごしてきた結果、仮に自分が望む未来にたどり着かなかったとしても、決して無駄な時間を過ごした努力しても意味がなかった人生の選択を間違えたなどと思わないでください。

好きなことをやることで身についた知識や経験はきっとあるでしょうし、何より好きなことに集中し一生懸命に取り組んでいた時、充実し幸福な時間を過ごせていたはずです。結果がどうであろうとやるべきことに集中した24時間の価値は変わりませんし、そうした時間を積み重ねてきた自分は十分に幸せなはずです。

その上で集中して取り組んだことに対し、後付の理論で構わないので、例えば、「〇〇をしたのは◇◇のためだったんだ」といった具合に、ぜひ意味付けをしてみましょう。

 

意味のないと思えることに意味づけをする

自分がしてきたこと、自分がこれからすることには、意味と価値があると考えられるようになれれば、モチベーションが上がり、結果に左右されず過ごしてきた時間の価値を高めることができますし、本当の意味で自分の人生を肯定できるようになります。

人生の価値を決めるのは結果ではなく、意味付けであり意味づけを行うことこそが、自分の人生を肯定する唯一の方法です。同じ事情でも解釈は無限です。

今日の時点で未来の結果を気にして行動しないのは、知りえぬ未来と戦い続け、人生を無為に捨てる、“一番の愚か者”。せっかく好きなこと、やるべきことに集中し、24時間過ごしたのに、望む結果が手に入らなかったからといって、「自分は間違っていた!」と思ってしまうのは、過去と戦う“二番目の愚か者”です。

 

6. 自分の決定に価値を感じる

man standing in the middle of woods

 

24時間、何にリソースを割くかを選択し、目の前の好きなことやりたいことやるべきことに集中した結果、他にやるべきことがあったのではないだろうかと思う人もいるかもしれません。

しかしやるべきことをやった結果ではなく、やるべきことを自分で選択しそれを実行すること自体に意味があると著者は言います。

今やるべきことを決断するやるべきことに集中しようと決断する。自分自身で決断する行為こそが、私たちが今を必死に生きている証だと言えるわけです。

 

自己決定が人を幸福にする

ちなみに、神戸大学と同志社大学で全国の20歳以上70歳未満の男女2万人を対象に行った調査によると、幸福感に与える影響力は、健康・人間関係・自己決定・所得・学歴という順番だったそうです。

健康や人間関係は当たり前として、自己決定が所得や学歴以上に、人間の幸福感を左右するという点に注目してください。人間には生来的に自分で行動を選択したいという欲求が備わっており、それを他者によって強制されたり奪われたりすると、たとえ自分にとってプラスとなる提案であっても、無意識に反発的な行動をとる傾向があります。

 

家族や上司・同僚などからあれこれうるさく指図をされたり、自分の行動を勝手に決められたりすると、腹が立つモヤモヤするモチベーションが下がるという人は少なくないでしょう。

しかし、たとえ上司から言いつけられた仕事でも進め方を自分で決め主導権を握ることができたなら、自分の意志でこの仕事をしていると感じやすくなりモチベーションが上がるはずです。

 

未来がどうなるかは誰にも分からない

人は自分自身で決定することによって責任や誇りを持ちやすく、努力を惜しまないため、結果として目的を達成しやすく、幸福感も高まりやすくなります。未来がどうなるかは誰にも分からず、選択の結果が必ずしも良いものになるとは限りません。

そのため自分自身で何かを選んだり、判断を下したりするのが得意でない人もいるかもしれませんが、結果ではなく自分自身で選択をすること自体が幸福なことなのだと考えると、選択や判断に対する苦手意識が薄れていくでしょう。

今回紹介した、堀田秀吾さんの「24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力」については紹介できていない部分が多いです。もっと幸福な時間の使い方を知りたいと思った方は、ぜひ本書を手に取ってみてください!

 

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