『4focus 脳が冴えわたる4つの集中』要約(無限に集中し続けるための脳ハック方法)

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集中状態の作り方や高め方には法則性があり、その仕組みを知り、やり方を学べば、誰でも何歳からでも集中力を育むことができる。

この記事では、青砥瑞人さんの「4focus 脳が冴えわたる4つの集中」を紹介します。

本書は、

  • やる気を出したい
  • ワクワクしたい
  • 集中力を上げたい

という方におすすめです。なぜなら、以上のことにはすべて脳が深い関わりがあるからです。やる気や集中、ワクワク感で重要な役割を担うのは脳です。

脳について理解すれば、これらを自由自在に操ることができます。本書の4つの集中を行き来できれば、エンドレスに集中することができるようになります。

また、心理的安全状態を確保することや、ドーパミンとノルアドレナリンを味方につけることも有効になるので、これらについても解説します。

それでは、無限の集中に向けて、中身を見ていきましょう!

 

1. エンドレスに集中する方法

man in black hoodie sitting on black background

 

集中力を最大限に引き出し、持続させるためには、脳科学の観点から重要な3つのポイントを理解し、活用する必要があります。

この記事では、それらのポイントを具体的に解説し、どのようにしてエンドレスに集中できるのかをお伝えします。

 

心理的安全状態の確保

まず最初に、心理的安全状態を確保することの重要性について説明します。

心理的安全状態とは、簡単に言えば、心が安心している状態。著者の青砥さんは、この脳の状態を「凛とした」と表現しています。

凛とした状態の脳は、集中力が長く続きやすいとされています。したがって、心理的安全状態の確保は、エンドレスに集中するための第一のステップと言えます。

 

ドーパミンとノルアドレナリンの活用

次に、ドーパミンとノルアドレナリンという脳内物質を利用することの重要性について解説します。

これらはやる気や集中力に密接に関わる物質で、ドーパミンはワクワク感から生じる集中力を、ノルアドレナリンは緊迫感から生じる集中力をもたらします。

青砥さんはこれらの状態を「激しく燃える」と表現しており、この状態では大きな集中力を発揮できますが、長時間持続するわけではありません。

この特性を理解し、上手に活用することが重要です。

 

集中の4つのモードを使い分ける

最後に、集中力には4つの異なるモードが存在し、目的に応じてこれらを使い分けることの重要性について。

集中の方向性(内側または外側)と集中の広さ(狭いまたは広い)の2つの軸によって、集中は4つのモードに分けられます。

これらを適切に使い分けることで、エンドレスに集中することが可能になります。

 

2. 凛とした脳について

woman playing chess

 

ここからは、集中力を高めるための3つのポイントの内の2つ、「凛とした脳」と「激しく燃える脳」を解説していきます。

凛とした脳

「凛とした脳」を構築するためには、先ほどのとおり、心理的安全状態を確保することが鍵となります。

心理的安全状態とは、心が安心している状態を指し、これが集中力を大きく左右します。

心理的安全状態が確保され、凛とした脳が形成されると、心は落ち着きを取り戻し、自制心が働きやすくなります。

結果として、集中力が持続しやすい状態となります。

 

では、なぜ心理的安全状態が重要なのでしょうか?

これを理解するために、心理的安全状態の反対である「心理的危機状態」について考えてみましょう。

心理的危機状態では、脳の機能が低下し、不安や恐怖が増大します。特に、脳の前頭前野の機能が低下し、これにより集中力や判断力が鈍くなります。

前頭前野は、やる気、集中力、記憶力、論理的思考、感情のコントロールなど、多くの重要な機能を担っています。

したがって、心理的安全状態を確保し、前頭前野の機能を最大限に活用することが重要です。

 

心理的安全状態の確保方法

具体的には、心理的安全状態を確保するためには、自律神経を整えることと、目的を明確にすることの2つが効果的です。

まず、自律神経について。

自律神経は、呼吸や心臓の鼓動、血液循環など、私たちの意識とは無関係に24時間働いている神経系です。

この自律神経のバランスが崩れると、心理的安全状態が損なわれる可能性があります。自律神経を整えるためには、生活習慣を整えることが重要です。

具体的には、十分な睡眠を取る、適度な運動をする、バランスの良い食事を心がけることが挙げられます。

また、ストレスを溜めないようにする、毎日の入浴、腹式呼吸を用いた呼吸法、瞑想なども効果的です。

 

次に、目的を明確にすることについて。

生きることや現在取り組んでいることの目的を明確にすることで、心理的安全状態を確保できます。

曖昧さや将来への不安が心理的安全状態を揺らがせる要因となるため、自分自身の中にしっかりとした軸を持つことが重要です。

価値観や目的、ゴールを明確にすることで、心の安定を図り、心理的安全状態を確保することができます。

以上が「凛とした脳」を構築するための方法です。心理的安全状態を確保し、自律神経を整え、目的を明確にすることで、集中力が持続しやすい状態を作り出すことができます。

 

3. 激しく燃える脳について

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「凛とした脳」の対極に位置する「激しく燃える脳」とはどんなメカニズムでしょうか?

ドーパミンとノルアドレナリンの役割

「激しく燃える脳」の状態を作り出すためには、ドーパミンとノルアドレナリンという二つの神経伝達物質が重要な役割を果たします。

これらはどちらもやる気や集中力に密接に関わっており、ドーパミンはワクワク感からくる集中力を、ノルアドレナリンは緊迫感からくる集中力をもたらします。

どちらも強力なエネルギーを提供しますが、持続力には限りがあります。

 

ドーパミンの力

ドーパミンは、やる気や活力、モチベーション、集中力、記憶力に深く関わる神経伝達物質です。

何かを成し遂げたい、欲しいものがある、ある状態になりたいといった願望を抱く時、ドーパミンが分泌され、私たちにやる気や集中力を提供します。

例えば、特定の大学で学びたい、キャリアアップを目指したい、海外旅行に行きたいといった願望がこれにあたります。

ドーパミンによる集中力は非常に強力で、自分の興味や好奇心からくるモチベーションによって引き出されるため、爆発的なエネルギーを生み出すことができます。

 

特に、実体験から来る願望はドーパミンの分泌を促し、強力なエネルギーを生み出します。

例えば、憧れのYouTuberに会った経験、理想の大学のキャンパスを訪れた経験、尊敬する上司の下で働く経験などがこれにあたります。

これらの経験は、強い願望を抱くことを助け、ドーパミンの分泌を促進します。

目標達成のためにドーパミンを活用したい場合、目標達成後に得られる経験を先に少し味わってみることが効果的です。

例えば、目標を達成している人に会ってみる、大学のキャンパスを訪れてみるなど、実際に体験することで、強い願望を再確認し、それが大きな原動力となります。

 

ノルアドレナリンの力

一方、ノルアドレナリンは緊張やストレスを感じる時に分泌され、脳機能や集中力、記憶力を高める効果があります。

特に締め切り間際など、プレッシャーを感じる状況でその力を発揮します。

しかし、ノルアドレナリンはストレスホルモンの一種であり、過度に頼ると身体に負担をかける可能性があります。

 

適度なストレスが最高の生産性を引き出すとされる「ヤーキーズ・ドッドソンの法則」も、ノルアドレナリンの働きと関連しています。

適切な量のノルアドレナリンが分泌されると、私たちは集中力や記憶力を最大限に活用できますが、ストレスが過度になると脳はオーバーロードし、パフォーマンスが低下します。

したがって、適度なストレスを保つことが重要になります。

 

4. 4つの集中力を操る

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脳科学の視点から集中力を考察すると、一般的に認識されている集中力はほんの一部に過ぎません。

実際には、集中力は4つの異なる側面を持っています。これらを理解し、適切に使い分けることで、私たちの効率とパフォーマンスを大幅に向上させることが可能です。

先ほど述べたとおり、集中力を分類する際、重要な二つの軸があります。

一つは「集中の方向」で、これは意識が自分自身の内側に向いているのか、それとも外側に向いているのかを示します。

もう一つは「集中の広さ」で、これは意識が狭く一点に集中しているのか、それとも広く多くの事柄に及んでいるのかを示します。

これらの軸を基に、集中力を4つのタイプに分類することができます。

 

外に狭い集中:入門集中

最初のタイプは「外向きで狭い集中」、これは一般的にイメージされる集中力で、作業や勉強、仕事に没頭する際に活用されます。

この集中力を使うことで、私たちは特定のタスクに対して高いパフォーマンスを発揮することができます。

  • 概要と具体例

このタイプの集中力は、シンプルな作業を効率よくこなしたい時や、明確な目標に向かって情報を処理したい時に特に役立ちます。

例えば、相手の話を深く理解する必要がある場面でも、この入門集中が活躍します。

  • いつ使うべきか

入門集中は、目標が明確で、何をすべきかがはっきりしている状況で最も効果を発揮します。上手く使うことで、タスクを迅速かつ効率的に進めることができます。

 

内に狭い集中:記銘集中

次に「内向きで狭い集中」、これは「記銘集中」と呼ばれ、一つの課題に対して深く思考を巡らせる際に活用されます。

この集中力を使うことで、複雑な問題を解決する際に役立ちます。

  • 概要と具体例

内に狭くの記銘集中は、一つの課題に対して深く思考を巡らせる集中力です。これは課題解決型の集中力であり、自分の頭の中でじっくりと考えることが求められます。ロダンの彫刻「考える人」のような状態です。

また、過去の経験を振り返ることも、このタイプの集中力を活用する一例です。

  • 記憶との関連

記銘集中は、情報を記憶するプロセスと深く関連しています。自分の内側で情報を繰り返し考えることで、その情報は記憶として定着しやすくなります。

これは、学んだ知識を人に話すことや、紙に書き出すことと同様に、情報をアウトプットしたり復習したりと、「使う」ことや内側で繰り返し考えることが重要であるという脳の仕組みに基づいています。

 

外に広い集中:俯瞰集中

3つ目は「外向きで広い集中」、これは「俯瞰集中」と呼ばれ、全体を俯瞰的に捉え、直感的に判断を下す際に活用されます。

この集中力を使うことで、状況を素早く把握し、どこから手をつけるべきか?といった適切な行動をとることができます。

  • 概要と具体例

外に広くの俯瞰集中は、感覚的または直感的に判断する際や、過去の経験を基に素早く判断する必要がある場面で有効です。

例えば、読書が得意な人は、このタイプの集中力を活用して、本の内容を素早く把握することができます。

  • 効率的な活用方法

経験を積んだ分野において、この集中力を活用することで、物事を効率よく進めることができます。

真面目な人ほど、このタイプの集中力を活用するのが苦手な傾向がありますが、熟知している分野では直感的に行動することで、より効果的にタスクをこなすことができます。

 

内に広い集中:自在集中

最後に「内向きで広い集中」、これは「自在集中」と呼ばれ、意識を自由に巡らせ、想像力を最大限に活用する際に使われます。

この集中力を使うことで、創造的なアイデアを生み出すことができます。

  • 概要と具体例

うちに広くの自在集中は、思考を自由に巡らせることができる集中力です。

ボーッとしているように見えても、実は脳内で様々な情報が展開されている状態です。この集中力は、アイディアを思いつくのに特に有効です。

  • アイディア創出のプロセス

アイディアを思いつくためには、まず多くの情報をインプットする必要があります。その上で、自在集中を活用して、ボーッとした状態で思考を巡らせることが重要です。

散歩やシャワー、皿洗いなど、頭は暇しているが何かをしている状態が、自在集中に入りやすい状況です。

このような状況を意識的に作り出すことで、アイディア創出のプロセスを効果的に進めることができます。

 

以上が、4つの集中力についての詳細です。

これって集中なの?という内容もあったと思いますが、それぞれの集中力を理解し、適切な状況で意識的に活用することで、効率と効果を高めることができます。

 

5. 自己との対話の重要性

 

 

青砥さんは、私たちが常に自分自身に「どうありたいか?」と問い続けることの重要性を強調しています。

これは自己との対話を通じて、自分の揺るぎない価値観を見つけ出すプロセスです。この自己対話を繰り返すことで、自分の本当にやりたいことを見つけ出し、

それに素直になって没頭することができます。努力も大切ですが、夢中になることの力はそれを上回ります。

 

青砥さんの著書「BRAIN DRIVEN」では、彼は自分自身の経験をもとに、やりたいことに素直になることの重要性を語っています。

彼は「私は自分が貢献したいこと、興味のあるものでなければ高いパフォーマンスは出せない」と述べ、やりたいことに対して純粋に没頭することでのみ、真の原動力を得られると説明しています。

これは「ドーパミンドリブン」であり、学びが加速する瞬間です。

 

自分自身への問いかけ

「今、私は本当にやりたいことに最も時間や労力を割いているだろうか?」と自問自答することは、人生をより充実させるための重要なステップです。

定期的に自分自身にこの問いを投げかけ、自分の本当にやりたいことを見つけ出すことが大切です。

 

今回紹介した、青砥瑞人さんの「4focus 脳が冴えわたる4つの集中」は、まだ紹介しきれていない内容がたくさんあります。

この本を読むことで、自分自身との対話を深め、やりたいことに素直になるためのヒントを得ることができるでしょう。

また、「BRAIN DRIVEN」についてもお勧めの一冊です。ぜひ手に取ってみてください。

 

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