5分で学ぶ『感情に振り回されないレッスン』要約(ネガティブ思考をエネルギーに変える方法)

grayscale photo of woman flicking hair 時代を生き抜く考え方・哲学

 

感情のコントロールは得意ですか?

この記事では、中野信子さんの書籍「感情に振り回されないレッスン」を取り上げます。

先の見えづらい不安な時代、日本社会だけを見ても少子化や格差拡大など、様々な不安に直面していますよね。

ただ、困難がない人生はありません。人はリスクにさらされることで、前に進んでいけるもの。

 

本書は、脳科学をベースに、著者の考えを語録として収録されています。

テーマは人間関係・恋愛・お金・運・性格・仕事・勉強など多岐に渡り、実生活に役立てられる感情に関する情報が満載です。

どんな中身なのか、さっそく見ていきましょう!

 

1. 幸せとは何か?

woman smiling while pointing on her right side

 

幸せの定義は、人それぞれ異なるかもしれませんが、その生理的側面を理解することで、より具体的なイメージを持つことができるでしょう。

まずは、幸せが私たちの脳内でどのように感じられ、どのように影響を与えるのか、オキシトシンというホルモンをベースに、4つのポイントを解説していきます。

 

幸せホルモン「オキシトシン」

幸せを感じるとき、私たちの脳は「オキシトシン」というホルモンを分泌しています。

これは「幸せホルモン」とも呼ばれ、人間関係や社会的な繋がりを深めるのに重要な役割を果たします。

例えば、美味しい食事や楽しい会話を楽しむとき、このホルモンが活発に分泌され、幸福感を感じさせるのです。

 

他者と地続きである感覚

オキシトシンは、他者と自分との間に「地続き」を感じさせることでも知られています。

特に親子間など密接な関係で顕著ですが、私たちはこのホルモンの作用によって、まるで他人と自分が一体であるかのような感覚を覚えることがあります。

具体的には「角回」と呼ばれる、他者と自己を認知する処理を行っている部分の働きが弱まるのです。

瞑想や特別な体験を通じて、この感覚はさらに強化されることがあります。

 

情や仲間意識の形成

オキシトシンは、仲間意識や社会的な結びつきを強化する効果も持っています。

ある研究によると、オキシトシンを注射されたラットは、仲間としての行動を増やし、争いを避ける傾向が見られました。

このホルモンは、人間の間での協調や調和を促す重要な役割を担っていると言えるでしょう。

 

オキシトシンの受け取り方は後天的

オキシトシンの影響を受けやすい受容体の数は個人差があり、特に幼少期の育成環境によって、その受け取り方が変わることがあります。

たとえば、愛情豊かな環境で育った人は、オキシトシンの影響をポジティブに受け取りやすいですが、逆に厳しい環境で育った人は、人を信じることに苦労するかもしれません。

それでも、人は自身の生まれ育った環境を選べないため、無意味に自己を責めることなく、より良い人間関係を築くための方法を見つけることが大切になります。

 

2. オキシトシンは出る杭を許さない

shallow focus photography of woman holding shopping bags during day

 

ここまで、オキシトシンは「幸せホルモン」と紹介しましたが、その影響は、必ずしもポジティブなものだけではありません。

過剰なオキシトシンの影響は、集団内での均質性の追求や、出る杭を許さないといった社会的圧力として表れることがあります。

特にネットでの集団バッシングなど、他者との強い結びつきが反対意見や異端に対する攻撃へと繋がる場合があります。

これは、仲間内での平等を強く意識することから、個々の目立つ行動や成功を妬み、攻撃する心理が働くためです。

 

「いい人のふり」の限界

社会的に受け入れられる行動を取ることを専門的には「プロソーシャル」と呼ばれますが、全ての人がこの性質を持つわけではありません。

その反対である「アンチソーシャル」な行動を示す人々も一定数存在します。彼らは時として、社会から排除されることがありますが、その成功や失敗は社会の流動性に大きく依存します。

例えば、環境が頻繁に変わる社会では、「いい人のふり」を続けることが難しく、結局は真の性格が現れてしまうことが多いです。

一般的に、偽りの振る舞いは約3年が限界とされており、それを過ぎると本性が露呈しやすくなります。

 

利他的な行動の効能

人はなぜ、自己の利益を損ねるような行動を取るのでしょうか?

例えば、他人をいじめたり、ボランティア活動に参加したりするのは、本能的に自分にとって不利と思われるかもしれません。

しかし、これらの行動は脳の報酬系が関与しており、人間の生存戦略と深く結びついています。

昔から人間は、他者と協力することで生存率を高めることができたため、社会的な活動や他人への支援が「気持ちのいい」行動として認識されるように進化してきました。

つまり、人は利他的な行動を通じて、自分だけではなく種としての生存をも促進するのです。

 

3. 生き延びるために脳は愛着を感じさせる

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人間は長く一緒に過ごした人や物、場所に対して愛着を感じるように進化してきました。この現象は「情が湧く」と呼ばれ、進化心理学では生存戦略として解析されます。

たとえば、長期間使用した道具や環境に対して特別な感情を抱くのは、それらが生存に必須であったからです。

このように脳は、愛着を感じさせることで、私たちをその人や物、場所に留まらせようとします。愛着は単なる感情ではなく、生存戦略の一環として機能しているのです。

 

選んだ道を「正解」とするのが人生

人間はしばしば自分の選択を他人のそれと比較し、多くの場合、否定的な言葉を受けることがあります。

私たちは幼い頃から「正解を選びなさい」と教えられて育ちますが、実際には人生において「正解」とは何かは定義が難しく、多くの場合、自分で選んだ道を正解にしていく力が求められます。

真の意味での正解は、自分自身が感じる幸せや満足に基づいて判断されるべきものであり、その選択が本当に正しかったかどうかは一生わかりません。

大切なのは、自分にとっての意味のある生き方を見つけ、その上でバランスを取りながら生活することです。

 

愛着は単なる感情ではなく、私たちの生存に深く関わる生理学的なメカニズムです。また、人生の選択においては、他人との比較ではなく、自己の幸福感に正直になることが重要。こ

れらの理解を通じて、より満足のいく生活を送るためのヒントを見つけることができるでしょう。

今回紹介した、中野信子さんの書籍「感情に振り回されないレッスン」について、まだまだ紹介できていない部分が多いです。おすすめの本ですので、ぜひ読んでみてください!

 

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