日本は、他の国より有利だと思いますか?
この記事では、ひろゆきさんの書籍「日本人でいるリスク」を紹介します。本書は、
- 今後も日本に住み続けたい
- 日本の今後に不安を持っている
という方におすすめです。著者は、これまで若い人はどんどん海外に脱出すべきだと述べてきました。しかし、実際には海外に移住できないしたくないという人は多いはず。日本で生きていくと決めたのであれば、その選択を否定するつもりはないとも述べています。
では、今後厳しい状況に陥っていく日本の中で、自分のことを守るにはどうすればいいのでしょうか?
それは、まず知ること、そして適切な対策を打つことだと著者がいます。本書は、個人でできる自分を守るための防衛策を様々なテーマに示してくれます。
その内容を実践すれば、自分の幸せを守るための小さな武器を得ることができるはずです。それではさっそく中身をみていきましょう!
1. リストラが当然になる
2023年1月に発表された全国企業倒産集計によると、倒産件数が3年ぶりに増加しました。日本企業は資材や資源をほぼ輸入で賄っているため、円安の影響だろうと著書は言います。円安が続くと仕入れコストがかさみ赤字になるので、倒産が増えるのは当然の帰結です。
加えて、景気が悪い時には、仕事は人口が多いところに集まります。結果、東京や大阪などに代表される都市部が栄え、そこに仕事を求めて人がやってくるというサイクルが生じ、地方はどんどん過疎化されています。
そうした地方では、商売が成り立たなくなり、個人商店が潰れるのはもちろん、大きなショッピングモールさえ消える可能性があります。都市部では大勢が仕事を奪い合い、地方ではそもそも仕事がないという状況に置かれ、人々は絶えずリストラのリスクにさらされることになります。
プランBを持っておく
リストラされるリスクへの対策として、今回は2つの対策を紹介します。
まず一つ目は対策として、プランBを持っておくこと。どれほど給料のいい企業に勤めていても、いつ倒産するかは分かりません。どれだけ良い成績を残していても、その仕事自体がなくなるかもしれません。
これからのビジネスパーソンは、今やっていることがうまくいかなかった時の自衛策として“プランB”を持っておくことが必須です。自分の今やっている仕事とは別の仕事に、いつでもチャレンジできるよう準備をしておく必要があるということです。
プランBを成立させるために大事なのは、ある程度の資金です。なぜなら、新しいことではすぐにお金が稼げないからです。どんなに良い事業でも、当たるまでは時間が必要です。いつでも新しい仕事に移行できるような準備金として、年収2年分ほどを目安に貯めておくことを著者はおすすめしています。
転職により給料をあげる
2つ目の対策は、転職により給料をあげること。
高い給料を求めてどんどん転職することも必要です。転職は仕事ができる人にとっては、間違いなく給料アップにつながります。転職すれば年収が50万円〜80万円上がったというのよくある話。しかし、同じ会社では毎年年収が30万円以上アップすることはほぼありません。
一方で、会社には入ってみなければわからない側面もあります。失敗したと感じた時のために、遠慮なく元の会社に戻るという選択肢を持っておきましょう。
IT系や出版社などはすでに転職が当たり前という価値観が浸透しています。これからは様々な業種で転職に対するハードルが下がっていくことは、容易に想像できます。
2. 入るべき企業と持つべきスキル
ここまで説明したとおり、これからはより良い条件や職場環境を求めて転職していく積極性が必要です。また、転職市場においては、何よりスキルが問われます。
例えば、同じ20代半ばでも規模の大きい会社に3年間正規雇用で勤めていた人と、就職氷河期にあたったためずっとアルバイトをしてきた人では、後者はかなり不利になります。
こうした問題への対策として、2つ解説していきます。
サードドアを探す
アメリカで大ベストセラーになった書籍に、当ブログでも紹介した「サードドア」があります。
著者のアレックス・バナヤンは人生には3つのドアがあると指摘しました。一つは多くの人が並ぶ正面入り口、2つ目がVIP専用入口、そして3つ目が自分だけに見つけられる抜け道となるドア、サードドアです。
もともと親が資産家だと人生においても、VIP用の入り口を使って楽々生きることができます。そんな特権を与えられない普通の人は、混み合う正面入り口に並ぶしかないと思っているわけです。
しかし、実はもう一つドアがあるのだと著者はそこで言いました。そのドアの存在に気がつきかつ上手に抜け道に出られるかどうかが、これからの競争社会で成功するためのポイントとなるでしょう。
例えば、広告代理店を立ち上げたとします。
どこかの企業に、「仕事をください!」と正面入口から押しかけても相手にされません。相手にされないからと、ここで諦めてしまえばそれまで。成功する人は、そこで抜け道を探します。
例えば、大手企業が多く入っているビルの近くにある飲み屋に通い広報担当の社員と社長の講演会に行き、懇親会で直接自分を売り込む。このように、特にコネがなくともやり方はいろいろ考えられます。
現代の大抵の成功者は、VIP用のドアから入ってきてはいません。誰もがサードドアをこじ開けています。そして、それは特別に難しいことでもないんです。
新卒カードはむやみに捨てるな
著者は貴重な新卒段階では、職種にこだわるよりも大企業に入っておくことをおすすめしています。大企業は給料が高いばかりでなく、新卒に対してコストをかけていろいろと教育してくれるためです。
教育の範囲は社会人としての立ち振る舞いなども、その後の転職活動にも役立ちます。大企業でかつ若い社員が多いとより良いでしょう。
若い人が付加価値を作り出している企業なら、長く潰れずに残る可能性があります。社員の平均年収が他と比べて高く、平均年齢が低めの会社であれば転職せずにずっと働き続ける価値があるかもしれません。
そうは言っても、一発で満足できる職場に行き着こうとは考えない方が世の中に出て、実際に見たり感じたりしたことをもとに転職していくのが現実的です。
ここで大事なことは、最初に入社した会社をすぐに辞めない方がいいということ。日本において新卒カードは強く、中途採用の人と比べても有利な扱いを受けることができます。そうした状態に置かれている会社を入ってすぐに辞めたというのは、何かよからの理由があるのではないかと疑われかねません。
また、ここは最悪だなと感じてももっとひどいところはたくさんあります。比較対象を持たないうちに感情的になって飛び出さず、その場に身を置いたまましっかり社会を観察しましょう。そして、次を決めてから辞めることも大切です。
3. 給料下がる、物価上がる、税金増えるへの対抗策
今まさに多くの方が、実感していると思いますが日本では給料が下がり物価は上がっています。税金も増えていくでしょう。
そんな中、個人でやるべき対策を、今回は2つ紹介します。
海外向けに仕事をする
物価が上がること自体は、悪いことではありません。物価上昇に比例して、給料も上がっていければ、アメリカのような好景気に入ることができます。
ただし、日本では景気が悪いまま円安による物価高が進行しています。政治家たちが円安にすれば、流通が増えて国内産業が成長するという古い政策を続け、商品サービスの魅力を向上させるよりも円安により安く提供することで競争力を高めようとしてきたために招いた結果です。
また、社会構造にも問題があります。日本の人口約1億2,500万人のうち、4,000万人が年金暮らしの高齢者です。
実は、この人たちは日本経済が良くならない方がいいです。年金はある程度物価を反映して増えますが、高齢者の多くは貯金を切り崩して生きています。
景気が良くなり、物価が上がると、その貯金の価値は目減りしてしまいます。働き盛りの若い人たちにとっては、給料も物価も上がり景気が良くなるというのが理想でも高齢者はそうではないです。
そして、高齢者は数多くいるので、選挙で勝ちたい政治家は、若者の将来を考えた思い切った経済政策をとることができないです。もはや政府の方針など関係なく個人レベルで動くしかないと著者は考えています。
個人や一民間企業ができる対策として、まずは海外向けの仕事を増やすことがあります。海外の企業と仕事をすることです。
例えば、日本のエンジニアは良い仕事をしても安い給料しか受け取れません。彼らが外国企業で仕事をしたらずっと高い給料を手にできます。
また、物を売る商売も良いでしょう。日本で日本人相手に売るのではなく、海外に顧客を持ち外貨を稼ぐ。
例えば、アメリカの大都市ニューヨークやロサンゼルスではラーメン一杯が3000円近くするのが当たり前です。これは円安のせいでもありますが、日本であれば1000円ぐらいの値付きが普通ですよね。
つまり、しっかり物価が上がっている国に対して物を売れば、日本国内で売るより多く稼ぐことができるのです。今はインターネットで誰でもどこにいても世界中の人に物を売れることができます。思い切って行動したもの勝ちなのかもしれません。
制度を使い倒して投資する
財務省が発表した2023年の国民負担率は、46.8%にもなる見通しです。
つまり、給料の約半分を税金と社会保障費で取られてしまうということ。これでは現役世代の生活は苦しくなって当たり前です。
さらに問題なのは、負担は大きいのに社会保障は不十分だということです。現在の日本は高齢者ばかりを優遇しており、これからを担う世代の社会保障は、なかなか悲惨なことになっています。
このような過酷な現状に置かれた現役世代は、少しでも自力でお金を増やす必要があります。そのために投資を始めよう!というのが著者の考えです。
しかし、本職の仕事をしながら市場の動きをずっと見ているわけにはいきませんよね?
最初は、投資信託のようなプロが運用してくれるものを買うことを、著者はおすすめしています。具体的には、手数料が安くてインデックス型の投資信託などです。
インデックス型の投資信託は、個別に考えていくのが面倒なので市場を全体にベットしてほったらかすという方法です。
日本で投資するなら税制上有利なNISAを使うことができます。2024年の改正でこれまでよりさらに資産形成に適した制度になるので、ぜひ勉強して活用してみてください。
今回紹介した、ひろゆきさんの書籍「日本人でいるリスク」についてまだまだ紹介できていない部分が多いです。おすすめの本ですのでぜひ読んでみてください!