5分で学ぶ『時間は存在しない』要約(物理学的には過去を後悔したり未来を悩むことはない?)

round black clock on linen ハッとさせられる考え方・哲学


この記事は「時間は存在しない」という本の紹介です。

著者のカルロ・ロヴェッリさんは、イタリア ヴェローナ生まれの理論物理学者。

量子重力理論を研究しつつ一般向けの本も多く書いており、本書は2018年にイタリアで18万部を超えのベストセラー本です。

原題は「L’ordine del tempo」、“時間の順序”という意味です。

この本のメインテーマになっているのは、時間には順序がないということ。

私たちが思っているような過去も未来も、物理学的には区別がないということです。

これは一体どういうことなのか、さっそく中身を見ていきましょう!

 

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1. 時間の流れは場所によって違う

green mountain across body of water


まずは、前提となる事実を確認しましょう。

時間の流れは山では速く、低地では遅く進みます。

…この事実に驚きですよね。

その差はほんのわずかで、正確な時計を使えば実際に測って確認をすることができます。

これは、私たちが日々感じている感覚からはかけ離れています。

現実が見かけと違っているということは、よくあること。

地球が平らに見えて実際には丸かったり、太陽は空を回っているように見えて回っているのは私たちの方だったりするように、時間も見かけとは違ってどこでも同じように流れているわけではないのです。

アインシュタインはそれを測定できるくら 精度の高い時計ができる100年も前に、時間の流れは均一ではないという事実に気づきました。

 

2. 時間に過去や未来の区別はない

empty train track during daytimee


次に、驚くべき事実として時間には方向がありません。

過去と未来を区別するものは、物理法則のどこにも存在しないのです。

有名なニュートン力学の世界でも、過去と未来を区別することはできません。

例えば、ボールは落ちることができるだけでなく、跳ね返ることによって戻ってくることもできますよね。

方程式に従ってある出来事が起こるのであれば、同じ出来事でも時間をさかのぼって逆に進めることもできるのです。

人は老いを感じるので、時間に方向があると信じてしまいがちですが、それは老いるようにプログラムされているからで、老いない世界や若返りの技術が実現したら、それは過去にさかのぼったと言えるでしょうか?

そう考えると、時間に方向がないことも想像しやすいかもしれません。

そんな中で唯一、時間の方向に意味を持たせるものがあります。

“熱”です。

熱は温かいものから冷たいものに移るという一方向にしか進まず、その逆に冷たいものから温かいものに移ることはありません。

これは別の言葉で表現をすると、

エントロピーは常に増大していく

言い換えると規則がある状態から、不規則な状態へと進んでいくという法則があります。

これは時間の方向を定めるために利用できそうな気がしますね。

しかしある状態に規則があるかどうかは、厳密に定義できるものではなく、結局人間の判断によるものでしかないのです。

…ちょっと何言ってるのか分からないと思うので、1つ例を挙げます。

例えば、52枚のトランプを無作為に選んだ時に1~26枚目まで全て黒で、その後の26枚がすべて赤だったら、 そのカードの並び方には規則があるように見えます。

しかしこれは見た人がたまたま色に注目をしたからそう見えただけで、他の要素を見ると数字はバラバラでありその並び方は不規則だと言えるのです。

そう考えると、物理的に時間の方向を定めることはできないという結論にたどり着きます。

 

3. 量子力学における3つの発見

black and white checkered textile


カルロ・ロヴェッリさんの専門は、量子重力と呼ばれる分野です。

この学問では、量子力学の視点から空間や時間の性質を調べています。

そして量子力学において、次の3つの発見をもたらしました。

  • 物事は粒状である(粒状性)
  • 物事は不確定である(不確定性)
  • 物事は他との関係に依存する(関係性)


粒状性を分かりやすく例えると
、時計は15時46分36秒というように特定の値を示しますよね。

これは時間を連続的なものではなく、粒状のものとして扱っています。

量子というのはもともと基本的な最小の粒のことで、あらゆる現象に最小の規模が存在します。

最少の時間は「プランク時間」と呼ばれており、1秒の1億分の1の10億分の1の10億分の1の10億分の1。

つまり10の−44乗秒という長さになります。

…途方もなく小さな単位と思ってください。

要するに、この世界はごく微細な粒からできており、連続的ではないのです。

神はこの世界を連続的な線では描かず、無数の点描のように描いたのです。

 

4. 世界は出来事の集まり

city buildings on eyeglasses view


量子力学からわかった単純な事実は、この世界は絶えず変化している出来事のネットワークであるということ。

この世の中は物ではなく、出来事の集まりだということになります。

いかにも物らしいものでも、長く続く出来事であるに過ぎません。

例えば、固い石でも最小単位で見れば、量子場の複雑な振動でしかなく、複数の力の相互作用の結果、石としてまとまって存在しています。

そして長い時間でみれば、崩れて再び砂に戻るまでのごく短い姿でしかありません。

物理学ではずっとこの世界を何か実体があるものとして理解しようとしてきましたが、調べれば調べるほどそこに「在る」という観点ではこの世界を理解できないように思えてきました。

出来事どうしの関係として捉えた方が、遥かに理解しやすい構造になっているのです。

こう言われると、過ぎ去った過去もこれからの未来も、人がそう感じているだけで、そこに常にあるのは関係性だけだと達観できちゃいそうですね。

以上、「時間は存在しない」 の内容について解説をしました。

世界は物ではなく出来事の集まりであるという説明は、なかなかシビれますね。

この本は物理学者が専門的なことを語っているにもかかわらず、数式がまったく登場しません。

詩や哲学からの引用が多く、全く理系の知識がない読者に対してもわかりやすくなっています。

興味のある方は、ぜひ実際に読んでみてください。

 

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