5分で学ぶ『プロセスエコノミー』(箕輪さん、西野さん、けんすうさんから学ぶ)

four person hands wrap around shoulders while looking at sunset ハッとさせられる考え方・哲学


プロセスエコノミーって何だろう?

この記事は、尾原和啓(おばら かずひろ)さんの書籍「プロセスエコノミー」の紹介です。

中身はざっくり言えば、“あなたの物語が価値になる”という内容です。

著者は現代のことを、“良いものを作るだけではモノが売れない時代”と表現しています。

一見、多くの人を幸せにするような便利で品質が高い商品を作れば、事業は上手くいきそうですよね?

いったいどういうことなのか、さっそく内容をみていきましょう。

 

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1. コモディティ化した世界では、質で勝負できない


質の現代はいいモノを作っていても、それだけではうまくいかない。

その理由は、あらゆる業種・業界が成熟期に入っているからです。

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業種・業界が成熟化しているということは、技術が発展・発達をして、その業界全体として商品サービスのベースとなる“質”が向上しきってどれも同じ(コモディティ化した)ということです。

この要因としては、時代の経過とともに、プレイヤーが増えて技術がどんどん向上し、ノウハウが蓄積れ、さらにインターネットの登場によって、各業界の高レベルの知識や情報を知る機会も増えたことも関係しています。

質の高い商品サービスを提供するための技術、例えば映像制作技術を学びたければ、どこかの専門学校や映像制作会社に入らなくても、オンラインで様々なスクールがありますし、プロの映像の事例というもインターネット調べればいくらでも出てきますよね。

 

インターネットによって知識・技術の共有が早くなった

インターネットを通じての情報収集が容易になったため、ただ質の高いいい製品やサービスでは、どれだけ高い技術力で完成度高く作った商品があったとしても、簡単にコピーされてしまいます。

ある質のよいヒット商品ができて、それを売り出しても、順調に売り上げ伸びるのは最初だけ。

「この市場は儲かる!」と判断した競合他社が一気に市場に参入するようになると、し烈な価格競争へと追い込まれます。

そして類似商品であれば、見た目では差が分からないモノに市場をとられてしまいます。

要するに、完成形では差がつけられない時代ということです。

では、どうすればいいのか。

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質や価値ではなく、意味で勝負する

本書では、山口周さんのニュータイプの時代の一文を引用し、価値あるものは一番のモノだけが売れ、意味のあるものはたとえ価値が劣っていても残り続けると言っています。

例えば、コンビニには切れ味のよいハサミ1種類しか売っていなく、切れ味が2番目のハサミは当然ありませんよね?

しかし、タバコには各銘柄それぞれの個性があり、それを愛する人が各々買うため、約200銘柄を置いています。

これが、いわゆる意味のあるモノです。

 

2. プロセスで商品を差別化する


意味のあるモノを提供するには、完成形のアウトプットではなく、プロセスで差別化していくことが大切になります。

価値のあるアウトプットのみにお金を出すことを“アウトプットエコノミー”とすると、商品そのものとしての価値のないプロセスに価値や意味を見出すことが、“プロセスエコノミー”です。

例えば、同じ技術のAとBという整骨院があったとします。

では、肩こりについての悩みとかトラブルを抱える人が、どっちの店を選ぶのかというと、現代であればプロセスに価値がある方を選ぶことになります。

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仮に、A店はブログやSNSの発信は全くせず、メニュー名と価格が書いているポータルサイトだけを持っているとします。

一方、B店には以下のような特徴が。

  • インスタグラムを頻繁に更新
  • 先生が肩こりの悩みとかトラブルを解決していくような動画を投稿
  • 先生の人柄が分かるストーリーがSNSにアップされている
  • サイトには、肩こりの施術に関する詳細な説明とこだわり、これまでにメディアに出演してきた情報やお客さんの声がたくさん載っている


この2店を比べたら、間違いなくB店を選びますよね。

これは、肩こりの施術以外の先生のプロセスを共有して、そこに価値を感じてもらうことで生まれる差です。

また、このようなプロセスエコノミーを昔からやっているのが、ジャニーズをはじめとするアイドルです。

各々に“推し”がいて、その人を応援する、一緒に成長するといったことでファンの心理を掴むのは、まさにプロセスエコノミーと言えます。

 

3. えんとつ町のプペルが示した、プロセスエコノミーの可能性


プロセスを共有する他の事例としては、2021年2月時点で、発行部数は約70万部で、昨年映画化もされたキングコング・西野亮廣(にしの あきひろ)さんの「えんとつ町のプペル」があります。

えんとつ町のプペル 出典:https://eiga.com/


通常1万部売れればヒットである絵本の世界で、70万部売れたのは本当に異例中の異例です。

なぜここまで売れたのか。

その理由は、絵本の完成形が素晴らしいだけではなく、クラウドファンディングで製作費を集めて、さまざまなクリエイターと共同制作したことが大きいです。

絵本の制作プロセスにクリエイターを巻き込むことで、仮に100人巻き込めたら、100人は確実に買いますよね。

また、リアルタイムの絵本の制作状況をオンラインサロンのメンバーに共有され、西野さんが実現したい世界に賛同するファンがたくさん生まれました。

従来のサービス提供にはない、お客さんという立場を超えるような関係性が、そこには生まれています。

また、西野さんが絵本の個展をパリで開催する際に、それを手伝う権利をクラウドファンディングで募った結果、多くの人が殺到したそうです。

 

お金を払ってでもやりたいボランティア

通常、スタッフにはお金を払って手伝ってもらうところ、スタッフ自体がお金を払って手伝わせてくださいと言ってくるこの現象。

これは、多くの人が「えんとつ町のプペル」の制作プロセスに関わりたいという思いから生まれています。

さらに、多くの人に届けるためにプペルの個展を開催できる権利を、クラウドファンディングを通じて配布をしたことで、全国各地でプペルの個展が開催されたのです。

このクラウドファンディング実態、プロジェクトを実現させるための資金を調達するツールではなくて、支援してくれた人をこの作品を完成させる共同制作者にしてしまう意味合いがあります。

累計で数万人以上の人が、クラウドファンディングを通じて「えんとつ町のプペル」というプロジェクト自体を支援しました。

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完成形が見えない、レゴブロック

このように、アウトプットまでに何ができるか分からないワクワクを共有することを、本書では完成の分かっている「ジグソーパズル型」の対義として、「レゴブロック型」と呼んでいます。

プロセスエコノミーでは、

  • どのように作りたいと思ったか
  • どういうこだわりを持っているのか
  • どういう背景で作られたストーリーがあるか
  • どういうコンセプトを設定しているのか

といった背景情報をふんだんに伝え、共有していくことがファーストステップとしてまず大事になります。

その次に、プロセスに巻き込むことで、消費者を当事者へと変えることができるのです。

 

4. ファンコミュニティの形成がカギ


例えば、トマトを販売するとします。

味や色、大きさといった価値以外で差別化するには、

  • 定期購入してくれるお客さんや、オンラインサロン参加者に無料で収穫に参加できる権利をプレゼントする
  • トマトを使った簡単なレシピを紹介する
  • 定期的に生育状況を動画でシェアする


といった、実際にトマトが口に入るまでのプロセスに、消費者を巻き込むということが考えられますね。

これにより、どんなことが起こるのかというと、定期購入している人が自然と口コミを広げてくれたり、リピート率が高くなったりします。

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トマトをファンに販売させる

事業が拡大すれば、オンラインサロンの中で販売代理店を募集してもよいかもしれません。

販売してくれる人は、そのトマトの背景情報やプロセスをよく知っているため、しっかり魅力を伝えることができます。

それにより、単純においしさや栄養価といった、他と比較されやすい部分では獲得できない魅力が生ますよね。

プロセスの共有により、“あのトマトだから”といった唯一無二の価値やブランドを持つができるのです。

また、一度ファンコミュニティを形成すれば、そこから何度も購入してくれるリピーターが現れ、LTV(Life Time Value / ライフタイムバリュー:ある顧客から生涯に渡って得られる利益)を増やすこともできます。

 

以上、「プロセスエコノミー」について簡単に紹介しました。

すべての商品がこの手法で売れるようになるいった単純なものではないですが、価値や性能では差がつきにくく、情報の共有が簡単な時代だからこそ、試してみる価値はあると思います。

本書では、ここでは書き足りないより詳しい内容や事例が掲載されています。

興味のある方は、ぜひ一度手にとってみてください。

 

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