5分で学ぶ『イシューからはじめよ』要約(本質的な課題の設定と解決方法)【安宅和人】

man standing in front of people sitting beside table with laptop computers ハッとさせられる考え方・哲学


この記事では、AI×データ時代の必読書「イシューからはじめよ」を紹介します。

本書はなかなか成果が出ないと嘆くビジネスパーソンにぴったりの課題解決方法が分かりやすく書かれた良書です。

著者の安宅和人(あたか かずと)さんは慶応義塾大学教授、ヤフー株式会社CSO、データサイエンティスト協会理事といったキャリアを持ついわゆる天才です。

それではさっそく、イシューの設定〜プレゼンまでの流れをサクッとみていきましょう!

 

1. イシューとは白黒つけなければならない問題

man sitting on chair using gray Toshiba ThinkPad


本書のタイトルでもある“イシュー”。

そもそもイシューとはどんな意味でしょうか?

著者は次のように定義しています。

  • 2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
  • 根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題


また違う視点から、
次のようにも表現しています。

知的な生産活動の目的地になること

ここで言う、“知的な生産活動”とは何のことでしょうか?

それはバリューのある仕事です。

バリューのある仕事は、「イシュー度」と「解の質」から成り立ちます。

  • イシュー度:自分の置かれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ
  • 解の質:そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い


バリューのある仕事を生み出すとき、人はどうしても解の質ばかりを重視してしまいます。

しかし、いくら解の質を高めたところで、バリューのある仕事を生み出すことはできません。

イシュー度を高めることが、バリューのある仕事へと直結するのです。

そして、バリューを生み出すには、“何に答えを出し、白黒つけるのか”について明確にすることから始まります。

 

2. イシューを見極め選択する



ここからはどうやってイシューを組み立て、どう実行していくのかについて触れていきます。

まずは、イシューを見極めることから始まります。

具体的に言えば、何に答えを出す必要があるのかという議論から始め、そのために何を明らかにする必要があるのかを見極めることです。

そして、本当に解くべき問題を見極めるには、仮説を立てることが必要になります。

仮説を立てることで、答えが出せるイシューか見極めることができたり、必要な情報や分析すべきことがわかったりとイシューのスタンスが確立します。

仮設からイシューのスタンスが決まったら、それを言葉にしていきます。

人は言葉にしない限り概念をまとめることができないので、これがイシューかなと思ったらそれを言語化してみましょう。

 

スタンスが明確で、常識を否定しているイシュー

woman placing sticky notes on wall


また、イシューの設定で重要となるのが、スタンスが曖昧なイシュー、常識的すぎるイシューは選ばないということです。

例えば、この商品に未来はあるのか?とか掴みどころのないスタンスが曖昧なイシューだと、仮説検証するために網羅的に世間の全ての情報を調べる必要があり、作業が膨大になります。

仮にこの問いに答えが出ても、その解には具体的な行動や方法が伴わないことが多く、仕事が前に進みません。

常識的すぎるイシューとは、例えば「この商品のブランド力を上げるべきか?」といった”YES“しか答えようのない問いのこと。

そこから世の中のブランド戦略を調べても、なるほどブランド力って大事だよね!といった当たり前の答えにしかなりませんよね。

これでは、仕事に何の変化も起きません。

良いイシューはこれらの逆で、スタンスが明確で、常識を否定しているものです。

この商品のターゲットは若者よりも高齢者ではないか?などのイシューになります。

加工されていない一次情報を仕入れる。

これは、生産者や、販売員、購入者など加工されていない生の声のことです。

誰かに加工・編集された二次・三次情報では誰かの偏見などを受けた情報になってしまい、正確なものが得られない可能性があるからです。

 

3. イシューをサブイシューに分解し組み立てる

pen om paper


イシューを見極めたら、
次にすべきことはイシュー分析です。

イシュー分析とは、解の質を高め生産性を向上させる作業のこと。

具体的にどんな作業かというと、「ストーリーライン」と「絵コンテ」を作ります。

このイシュー分析によってイシューの構造が明らかになり、その中に潜むサブイシュー(イシューを構成する小さなイシュー)が洗い出され、それに沿った分析のイメージを作ることができます。

活動の全体像を明らかにする作業です。

ストーリーラインとは、ある問題を最終的な結論から前倒して、どんな論理と分析によって検証できるか後ろから考えることです。

やるべきことは、分解し組み立てること。

まず、イシューを漏れやダブりのない(MECE/ミーシー)本質的に意味のある塊に分解し、サブイシューを洗い出します。

イシュー:今使っているスマホを買い替えるべきかどうか。

サブ・イシュー:

  • 今のスマホは性能が不足しているかどうか。
  • 買い替えようとしているスマホは性能が十分かどうか。
  • 買い替えによってもたらされる利便性は買い替え費用に見合う効果があるかどうか。
  • 買い替える資金が用意できるかどうか。
  • 買い替えようとしているスマホを使いこなせるかどうか。

これらを、

「他人にこのイシューをしっかり伝えるためには、どの順番でサブイシューを並べるべきか?」

で組み立て直します。

分解したイシューに基づきサブイシューを組み立てることで、ストーリーラインができるのです。

 

4. イシューを絵コンテにする

person writing on white paper


ここからはもう1つの作業、絵コンテについて解説します。

絵コンテとは、ストーリーラインで浮き彫りとなった個々サブイシューに対して、必要な分析検証のイメージをまとめることを指します。

やるべきステップは次の3つです。

軸の整理

  • 量や長さなど何らかの共通軸2つ以上で「比較」する
  • 市場シェアやコスト費など全体と部分の構成を「比較」する
  • 売上の推移、体重の推移などの変化で「比較」する

など定量分析の型を使い、分析の枠組みを作りましょう。

イメージを具体化する

具体的な数字を入れて分析・検討・結果のイメージを作りましょう。

数字の入ったチャート(グラフ)を描くことで、「このあたりの軸の取り方が必要になる」と、仮説の意味合いをはっきりさせることができます。

方法を明示する

「どうやってそのデータを取るのか」という方法を明示しましょう。

どんな分析手法を使ってどんな比較にするか、どんな情報源から情報を得るのかを考えます。

 

これら3つのステップを踏むことで、絵コンテを書くことができます。

 

5. 答えありきのアウトプットをしない

pencils and smartphone on top of books


イシューを設定し、ストーリーラインを作り、絵コンテをつくったら、実際に分析を行うアウトプットの段階です。

ここでは限られた時間の中で、本当に価値のあるアウトプットを効率的に生み出すことを目指します。

そのための注意点は、いきなり分析や検証を始めないということです。

なぜなら、これがずれているとすべてが総崩れとなるからです。

これを防ぐためには、イシューから考えることと答えありきなことを混同しないことです。

人はどうしても分析や検証を行っていくと、自分たちの仮説が正しいと言える情報ばかりを集めてしまいます。

自分たちの仮説が正しい = 答えありきで考えてしまうと、フェアな視点で検証できなくなります。

イシューから始める課題の分析とアウトプットは、答えありきのものとそうでないものを切り分けて考えることを意識しましょう。

 

6. 知的生産のための最終段階「まとめ」

man in white and black checked dress shirt holding white printer paper


最後の仕上げは、イシューに沿ったメッセージを他人に強く伝えることです。

ここでの目的は、単に資料や論文を作るのではなく、人の心にインパクトを与え、価値を納得させ、本当に意味のある結果を生み出してもらうこと。

そのためには、メッセージの受け手が同じ目的意識を持ち、同じように納得して行動に移してもらう必要があります。

そこで行うのが、ストーリーラインの構造を磨きと、チャートを精査することです。

ストーリーラインの構造を磨くには、すっきりとした論理構造になっているか再考し、流れの悪いところはないか見直します。

より端的に説明できるかを確認しましょう。

チャートを精査するには、そのチャートに即していてチャートの縦と横軸の広がりが明確であり、それらが伝えたいメッセージをサポートしていることが条件となります。

受け手は「賢いが無知」と心に留め、何に答えを出すのか?という課題意識を全面に押し出しましょう。

要するに、最終段階で行うのは「本質的」「シンプル」という2つの視点からイシューを見直すことです。

 

以上、簡単ではありますが「イシューからはじめよ」を紹介してきました。

この記事では、「重要なポイントに絞って解説してきましたが、これを機会にぜひ本書を手にとって読んでみでください。

 

 

person standing near the stairs

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