この記事は、赤羽雄二さんの書籍「ゼロ秒思考:頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング」を紹介します。
赤羽さんは、東京大学、スタンフォード大学大学院を経てマッキンゼー(外資系一流コンサルティング会社)で経営戦略、組織設計、マーケティングを進めてきた超一流の方です。
そんな著者は、「一生懸命考えているつもりでも、実際は立ち止まっている人が意外に多い。」と言います。
- 前に進まないあるいは空回りをする
- 気になることがあると頭がうまく働かず考えが深くならない
- 行ったり来たりで結論を出せず、時間をかけても堂々巡りになる
このような状態に、心あたりがある人も多いのではないでしょうか?
そんなあなたに向けて、この記事では、
頭を整理し、常に思考の質とスピードを最高へと導く “ゼロ秒思考” を、ざっくり解説してきます。
それでは、内容をみていきましょう。
1. マッキンゼーがたどり着いた方法はメモ
なぜ、大半の人が深く考えることができずに、堂々巡りをしてしまうのか。
これは“どうすれば深く考えることができるのか”が、よく分かっていないからです。
心や頭の中の考えを整理して深める方法を知っていれば、誰もが別人のように成長できます。
また、仕事や対人コミュニケーションの悩みも減り、不要な不安や苦しみからも開放されます。
そして、その具体的な方法は、実にシンプルで小学生でも実行できるものです。
ずばりそれは、頭に浮かぶことを次々とメモに書くこと。
ただし、ノートやパソコン上ではなく、A4用紙を横にして1タイトルに対して1ページでメモを書いていきます。
より詳しい方法については、この記事の後編で解説しますが、これにより考える力を鍛えられ、深く考えられるだけでなく、“ゼロ秒思考”とも言える究極のレベルに近づくことができると著者は断言します。
さらにこの方法の良いところは、かかるお金がA4のコピー用紙代くらいでほとんどかからず、わずか3週間ほどでかなりの効果を体感できるとのことです。
2. じっくり考えることは、成果に比例しない
なぜ1分でメモを書くのか。
多くの人は何かをしようと思ったときに、じっくり考えてより良い方法を探そうとします。
しかし、時間をかければかけるほど考えが深まるとは限りません。
締切り間際まで考え抜いた企画原案がどうしてもしっくりこなくて、そこから何度も書き直してしまうなんて経験ないでしょうか?
筆者はこのやり方では、ろくに成長できないと言います。
一方で、一部の優れた人は高速で判断し、大きな成果を出します。
素晴らしいスピードで情報収集をし、意思決定をしてアクションに移していきます。
なぜ優れた人は、即決即断できるのでしょうか?
それは、普段からその問題について考え続けているからです。
必要な情報収集も怠らず、常に感度高くアンテナを立っているのです。
そういう臨戦態勢にいつもいるため、どんなことに対してもすぐに仮説立て、検証に進めます。
このような思考の質とスピードがものすごく高まった状態。
それがまさに、著者の言う“ゼロ秒思考”です。
モヤモヤとした気持ちをその場で言葉にし、考えを深められるようになると、思考はどんどんスピードアップして、生産性は数倍〜数十倍に上がるでしょう。
さらに、課題が整理され、問題点の本質がすぐに見えることで、本質的な解決策とそのメリット/デメリットがすぐにわかるようにもなります。
3. ゼロ秒思考は誰でも身につけられる

出典:https://www.office-mica.com/
ここからは、ゼロ秒思考を身につけるメモ書きの方法を詳しく紹介していきます。
「メモ書き?いつもやってるよ!」
と思ったあなたは、より実践的なこの方法をぜひ試してみてください。
これは凝り固まった頭の体操であり、鍛える手軽な練習方法です。
具体的には、A4用紙を横置きにして1タイトル1ページで、1行20〜30字の箇条書きを4〜6行、1分以内に書くというシンプルな方法です。
なぜ20〜30字かというと、端的かつ具体的に書くことができる文字数になるからです。
毎日何かしらについて10ページ、すなわち毎日10分だけメモに時間を使うことに。
この方法で頭に浮かぶ疑問やアイディアを即座に書き留めることで、頭がどんどん動くようになり、思考だけでなく気持ちも整理されるようになります。
また、これを3週間〜1ヶ月続けると、1ヶ月前にはモヤモヤとしていたものが、言葉として明確に浮かび、アイディアが次々と出てくるようになります。
備忘録的なメモ書きを続けるよりも、早く言葉が湧いてくるのです。
さらに数ヶ月続けると、瞬時に全体像が見えるようになり、“ゼロ秒思考”に近づくことができます。
そして、この変化には性別・年齢・経験は問わないとのことです。
「ただメモ取るだけで、そんな風になるのかよ!」と思うかもしれませんね。
しかし、こんなにコストがかからず導入でき、効果がある思考法はありません。
ダメ元でも試してみる価値はあるのではないでしょうか?
後編ではメモの中身や復習方法について、もう少し詳しくみていきます。