ミニマリストを実践し、モノを捨てればお金も心も豊かになります。
この記事では、 ジョシュア・ベッカー先生の「より少ない家大全」を紹介します。かつて日本でベストセラーとなっ た、「より少ない生き方」の著者の待望の新作です。
本書は、1ヶ月で100万人が訪れる超人気ブログ「ビカミング・ミニマリスト (becoming minimalist)」の創設者であり、現代のミニマリスト旋風を巻き起こした一人である著者による、ミニマリスト実践編です。
ただし、ミニマリストになることは、人生をより良いものにする手段であり、目的ではありません。持っているものを捨てることで、金銭面や精神面などを様々な観点から、人生は間違いなく豊かになります。
今、家の中をさっと見回してみてください。もし、部屋がごちゃごちゃしていたり、一つでもいらないものがあったならば、この記事を読み終わった後、すぐに本書のミニマルタスクを実践してみましょう。
モノやお金に囚われていたあなたの人生が、モノを捨てた瞬間からきっと大きく変わり始めるはずです。それでは、さっそく中身を見ていきます!
1. ミニマリズムのやばい効果
まずは、モノを捨てると豊かになる理由について解説します。ミニマリストという言葉をよく耳にするようになりましたが、日本のメディアが報道するミニマリストの家には、少し偏見があります。
都会のワンルームマンションに、布団とスーツしか置いていない部屋。そんな特殊な部屋が映し出され、ミニマリストはただ帰って寝るだけの場所に住んでいる人という、極端なイメージを持っている人も多いかと思います。
確かに、モノを持たないという点ではミニマリストの部屋と呼べますが、このような寒々しい部屋がミニマリストのあるべき姿ではありません。
毎日会社で働きづめで、休日は帰って家で寝るだけ。会社からの距離が近い場所に住めれば、時間を有効活用できますが、果たして本当に幸せな生き方でしょうか。
節約した時間を何に使うか
もちろん、時間の節約はミニマリストになる大きな恩恵の一つです。実際、アメリカでは、次のようなデータがあります。人間が一生のうちに、何かを探すことに費やす時間は3,680時間である。3,680時間を日に直すと、153日。
私たちは、約半年もの時間を、携帯電話や鍵、財布、アクセサリーなどを探す時間に費やしているのです。それがいかに無駄な時間か想像すると、ちょっと恐ろしいですよね。
モノが多ければ多いほど、掃除や整理整頓の時間も増えてしまいます。時間という取り戻すことのできない貴重なものを、私たちは身の回りのモノを増やすことで失ってしまっているのです。一方で、ミニマリストになる際に大切なことは、節約した時間を何に使うかです。
本書には、モノを捨てて時間やお金が豊かになったその先に、本当の人生の豊かさがあるというメッセージが含まれています。より少ないことは、より豊かであるという、どこか矛盾したような考えの真実に気がついた時、本当に意味のある生き方を選べるようになるはずです。
2. モノを持つことが幸せという洗脳
私たちはモノを持つことが幸せな生き方だと、国や企業から洗脳めいた価値観を植え付けられています。
政治的な話をすると、1960年代の池田隼人内閣の時に、所得倍増計画が打ち出され、高度経済成長期によって、日本経済が一気に世界トップクラスまで成長しました。日本が経済的に豊かになったのは間違いありませんが、この時に政府がどのようなプロパガンダを打っていたのか。
例えば、マイホームです。日本人は自分の家を持つことが夢という価値観を持っている人がとても多いですが、家を建てるのに平均的に4,000万円~5,000万円くらいかかります。都内や立地のいい土地に建てるとなれば、金額はもっと高くなります。
そして、多くの人は頭金だけ払って、30年35年の ローンを組みます。しかし、マイホームを購入することで生まれるのは、借金。30年ローンで家を買ってしまえば、30年間は社会で働き続けなければなりません。
夢のマイホームの真相は、30年間の労働力の確保とも言えます。車も同じで、一家に1台のイメージや、高級車を持っていればステータスになるような価値観が、日本にはあります。実用性や金銭面を考えれば、本当はレンタカーでも十分な人も多いはずです。
人生が最も充実するのか
つまり、日本国民は、家や車を持った方がいいという、洗脳めいた価値観を植え付けられてしまっています。
家を持つことは夢だ、車を持っていることはステータスだ、お金を稼いでモノを持っているほど豊かだといった、「所有すること = 幸せ」という価値観の裏側に、あなたの本当の幸せがあるのかを考えてほしいです。
これは、家を持つことを否定しているのではありません。むしろ著者は、家は地球上で最も大切な場所と言っています。家は人生の本拠地です。重要なのは、自分や家族が安心できる家が、どのような状態であれば、あなたの人生が最も充実するのかということです。
高級車、素敵なインテリア、可愛い洋服、ブランドもののバッグやアクセサリー、子供の玩具、欲しいものを考え出すと際限がありませんが、大切なことは、家の中にどんなものがあるかではないはずです。
本当に大切なことは、家の中にいる家族とどんな関係で、どんな時間を一緒に過ごし、どんな夢を育むかではないでしょうか。家の中にあるものは、そこで暮らす人たちの人生に大きな影響を与えます。
つまり、家を変えれば、住む人たちも変わります。ここで、家の中にあるものを最小にすることによって生まれる利点を2つ紹介します。
3. ミニマル化した家の利点
帰りたくなる
ミニマル化した家の利点の1つは、帰りたくなるということ。
例えば、家の中にソファーがあって、漫画が散らばっている部屋を思い浮かべてみてください。きっと時間があれば、ソファーにゴロリと寝転がって、何度も読んだ漫画をなんとなく手に取ってしまうでしょう。
漫画に飽きたらスマホを手に取って、ダラダラと寝るまで過ごしてしまう。実際に、こんな風に時間を無駄に使ってしまっている方もいるのではないでしょうか。
家の中に物が少なく、スッキリと片付いていると、リラックスしてストレスなく過ごすことができます。日常生活の中で、自分の注意を奪うものが少なくなり、一緒に暮らす家族とのコミュニケーションが増えますし、自分の本来好きな活動に集中できる時間も増えるでしょう。一つ一つのモノを、大切に使うことにもつながります。
モノを減らすことにためらいがある人は、家の中が 殺風景になったり、冷たい印象になったりすることを心配しているかもしれませんが、安心してください。むしろ反対の結果になると著者は言い切ります。
モノが少ない家は居心地よく、雰囲気も温かくなります。毎日家に帰るのが楽しみになり、週末は家でリラックスして自由な時間や大切な家族との時間を楽しく過ごすことができるようになります。
出かけるのが楽しくなる
2つ目の利点は、出かけるのが楽しくなるということ。家の中に必要最小限のものしかなくなったら、無駄な出費がなくなります。
例えば、車を持っていたら修理代や維持費、保険料、駐車場料金など、様々なお金がかかりますが、このようなコストを削減できます。その結果、あなたの口座には以前よりもたくさんのお金が残るようになり、他の目的のために使うことができるようになります。
さらに、掃除や整理整頓に費やす時間もエネルギーも少なくなるので、理想の未来を思い描いたり具体的な計画を立てたりする余裕が生まれます。お金と時間のリソースが増えれば、ちょっとした旅行くらいはいつでもできます。モノに対する執着がなくなれば、世界に飛び出すことすら可能になるのです。
著者の言葉を借りれば、家とはとても動的な概念です。家は一般的なイメージでは、土地に固定されていますよね。いつでも戻ってこれる場所という感覚が強いと思いますが、家は本来、船が出航する港のような役割を持っています。
嵐の時は安全に停泊できる港になりますが、港にいる船は安全だが、船は停泊するために作られたのではないという名言にあるとおり、家とは私たちの人生の潮が満ちた時に、そこから出航するための場所でもあります。家は安心できる大切な場所ですが、家に人生を囚われる必要はありません。
ミニマリストの家は、帰りたくなる場所であると同時に出かけたくなる場所。家にたくさんモノがあることよりも、家の中でも外でも、意味のある人生を生きることの方が、本当の幸せや豊かさを感じられる気がしませんか?
自宅をミニマイズすることは、家を安心できる港に作り替え、新しい人生に向かって出発することなのです。家の中や外で過ごす時間を有意義なものにしようという人生観の変化こそが、ミニマリストの本質です。
4. ミニマル化の目標設定
ここからは、ミニマル化を始める前にやるべき大切なことがあります。それは、目標を設定することです。モノを減らして家の中がすっきりしたら、やりたいことや追い求めたい夢があるか、人生の目標を決めましょう。
今の時点で、明確に目標を設定する必要はありません。むしろ、すぐに人生の目標を決められるという人はほとんどいないと思います。しかし、行動を起こすためには何らかの方向性が必要。ミニマル化のメリットの一つは何もない空間が増えることで、頭の中もスッキリすることです。
モノを捨てていくことで、目標についてじっくり考える余裕が生まれ、その過程であなたの情熱や興味の対象も変化していくはずです。
新しい資格やスキルを身につけるでもいいですし、世界中を旅するマラソンを完走する、フランス語を学んでパリでひと夏を過ごしてみるといった、死ぬまでにやりたいことリストを一つずつ設定していくのも楽しいでしょう。
また、ライフスタイルの変化を目標にすることも、人生の豊かさにつながります。仕事の時間を減らして、子供と過ごす時間を増やす。体重を減らして運動を習慣にする。家庭菜園を始めてみる。日々の生活を健やかに過ごすことを目指すのもいいでしょう。
所有物と人生の目標
著者は、他者を助けることが、満足感の高い目標になると言います。チャリティー基金を設立する、長期休暇を取って国外のNPOで働く、養子をもらう。
他者を助けることを日本人は特別なことで、「自分には関係がない、お金持ちだけやること」と考えている人が多いですが、皆さんにも何か人々の記憶に残るようなことを達成したい、もっと意義の深い人生を送ってより良い世界の実現に貢献したいという思いが、心のどこかにきっとあるはず。
ミニマリストになって、時間とお金に余裕が出てくると、このような思いを叶えることができます。
今の自分の家に不満があるのであれば、おそらくその大部分は、自分の所有物と人生の目標の間に、明確な関連性がないことが原因です。
どれほど家にモノがあふれても、もっとモノが欲しくなってしまうのは、あなたの心がモノでは満たされないことを示しています。身の回りのものは、あなたから集中力や時間、お金を奪っています。家にあるものが、あなたを縛り付けているのです。
この状態を放置してはいけません。自宅を、あなたを自由にする場所に作り変えましょう。役に立たないものは処分してしまい、新しく手に入れた興味や関心情熱といったもので、あなたやあなたの家族の人生を豊かにしましょう。
5. 悩んだら捨てろ
続いて、人生が豊かなミニマリストになるための実践的な手法について解説していきます。
その前に、家の中にある不要なものを捨てるにあたり、一つの鉄則があります。それは、簡単な場所から難しい場所へと進んでいくことです。家の中を何も考えずにあちこち整理しようとしても、なかなか進みません。
まずは、一つの空間のものを徹底的に捨てていきましょう。右前図された空間で過ごすことで、モノがない空間の心地よさを実感できれば、次々と家の整理ができるようになるはずです。
家の中でも最も大切な空間であり、最も簡単な次の2つの場所のミニマイズ方法を解説します。
リビングなど家族で集まる部屋
多くの家のリビングは、必要なものと必要でないものが、ごちゃごちゃと混ざり合って、雑多な空間になっています。 机や床には、雑誌や漫画が山積みで、サイドテーブルの上にはリモコンなどの小物が散らばっている。
使わない無駄なインテリア雑貨があちこちにあり、友達からもらったお土産は捨てるに捨てられないといった状態になっていませんか?
経済学の用語で、パレードの法則があります。経済学者のヴィルフレット・パレードが提唱した法則で、多くの状況で約20%の原因が、約80%の結果を生む現象を指しています。
この法則を家の中のものに当てはめると、約20%のモノが約80%の時間で使っているということになります。つまり、普段の生活で頻繁に使っているものは、2割くらいということ。
家の中にある大半ものは、1年にそう何回も使わないのに、いざ捨てようとするともったいない、いつか使うかもしれないといった思考が、家のミニマイズを邪魔します。パレートの法則が教えてくれることは、本当に必要かどうかという基準で判断すると、大抵のものは捨てられるということです。
家のミニマル化は、とりあえず要らないものだけ捨てようといった、整理整頓ではありません。もっと大胆に、あらやる不要なものを処分することが大切です。モノに執着する必要はありません。
必要がないものはなくても全く問題ないです。少し抽象的なことを言うと、空間にあるものが少なくなると、視界が広がり、静けさのある空間に私たち人間は心地よさを感じるものです。ミニマル化は必ずリビングから始めましょう。
明確なコンセプトを決める
その理由は、寝る時間を除けばリビングが自宅というプライベートな空間の中で最も過ごす時間が長いから。リビングは、いわばみんなの部屋です。リビングの空間を広くすることで、あなただけでなく、家族にもミニマリズムの効果を発揮してくれます。
ここで、家のものを捨てて、ミニマリストになる上でとても大切なことをお伝えいたします。それは、あなたの理想の家の全体像を思い描く ことはもちろん、それぞれの部屋ごとに明確なコンセプトを決めておくことです。
豊かな人生を歩むために空間に必要なものの判断が大切になり、その判断基準はあなたが決めた明確なコンセプトになります。コンセプトに合わないものであれば、どんな効果だとしても処分対象になります。目的にかなうものであれば、それは実用的なものとして残すべきです。
例えば、リビングのコンセプトが、家族の居心地がいい空間だとしましょう。そのリビングに5人並んで座れる超高級なソファーがあり、高いけれど座り心地が悪いし、フォーマルすぎて息苦しいからといった理由で、家族があまりリビングに長居していないとします。
それならば、そのソファーがあなたのお気に入りだろうが 、革張りの超高級品だろうが、処分すべきです。もったいないという感情と、家族と一緒に時間を過ごしたいという思いのどちらが大切なのかを考えましょう。
人が羨ましがるようないいものが揃っているだけで、家族との時間という本当に大切なものを捨て去ることになりかねません。逆に、潔く高級ソファーを捨てるか売ってしまえば、家族が自然と居心地のいいリビングに集まるようになり、仲良く過ごすことができるかもしれません。
ただし、リビングは家族みんなが使う場所なので、独断で決めてはいけません。何を残し何を処分するか、家族の意見を聞き、家族みんなのコンセプトを話し合いで決めるようにしましょう。一緒に要らないものを捨てて、一緒にスッキリとした空間を楽しむのです。
6. リビングをミニマル化する4つの方針
リビングの具体的なミニマル化について、特に意識して欲しいのは、次の4つの方針です。
すべてのものに住所がある
リビングに限らず、家の中全てのものの定置を決めるようにしましょう。モノが多いと難しいかもしれませんが、ミニマリストの家であれば簡単です。
寝室やクローゼットキッチン玄関など、あるべきものをあるべき場所に移動してください。これは、ミニマル化の下準備のようなもの。モノは各部屋のコンセプトに従って配置されるべきです。
どの部屋のコンセプトにも合わないものであれば、迷わず処分していきましょう。必要なものが必要な場所にある、スッキリとした空間が出来上がり、モノを探す時間をゼロにすることができます。
平らな表面には物を置かない
面白いことに、どんな家にも平らな場所には、大抵同じようなものが集まっていると著者は言います。
例えば、花瓶や置物、お土産、ぬいぐるみ、写真立てなど、一つ一つはそれほどスペースも取らないですし、処分の必要もなさそうに見えますが、こうした小さいものは、不思議とどんどん増殖し、リビングの空間をごちゃごちゃっとした印象に変えます。
なんとなく人からもらったものは捨てにくいと感じるかもしれません。そうであれば、雑貨屋に売ったり寄付したりするなど、処分方法はいくらでもあります。ミニマリストになるぞと決めたのであれば、容赦なく捨てていきましょう。
スッキリとした空間に、ワンポイントで花瓶があるならば、素敵な空間を演出してくれます。モノが少ないからこそ、一つのものの価値が高まり、大切に飾ろうという気持ちが高まります。
テレビボードを片付ける
もしあなたの家にテレビボードがあれば、その周辺に置いてあるものはかなり有力な処分対象です。テレビボードは大きいので、いらないものがたまりやすい場所。
あまりにもごちゃごちゃしていて、探し物が全然見つからないなんてこともあるかと思います。まずは、必要のない電子機器やコードを処分してください。次にDVDやゲームCDもガンガン処分していきましょう。
処分するのが惜しければ、そのDVDやゲームをまた見たりやったりする可能性を考えてみてください。DVDなんてもう二度と見ることがないものばかりのはずです。
もし、映画やドラマが大好きで、スッキリとした空間でゆっくりとDVDを見るのがあなたのコンセプトであれば、もちろん捨てる必要はありませんが、見えないところにしっかりと収納しておきましょう。見えるところにモノがあるほど、気が散ってストレスの原因となってしまいます。
収納エリアを徹底的に片付ける
リビングをミニマリストの部屋に改革する上で、最も影響力が大きい場所の一つが、見えない収納スペースです。部屋がすっきりと片付いているようで、キャビネットや引き出しの中がモノでいっぱいという方も多いのではないでしょうか。
例えば、ハサミやガムテープを使いたいとき、すぐに見つかる場所に収納されていますか? 収納エリアにモノがいっぱいあると、ストレスを感じるのはあなたです。心を鬼にして、不要なものを排除してしまいましょう。
トランプやマッチ、古い読み終わった本、お菓子の缶、いつかあったら便利かもという理由で貯めているものは、処分してください。見えない場所にしまってあるのは、何年も使っていないものです。今まで何年も使って いなかったものは、これからも使わない可能性が高いです。
7. 寝室をミニマル化する4つの方針
ここからは、寝室のミニマル化についてです。寝室は、家族それぞれの部屋とも言えます。一般的な構造の家であれば、リビングと寝室のミニマル化が完了すれば、家の大半のミニマル化が完了します。
寝室の主な目的は、休息や夫婦の親密度を高めること。子供ならば、少し家族から離れて一人の時間を確保したり、勉強をしたり、夜はぐっすりと落ち着いて寝られる部屋が必要になります。寝室のものを捨てる時も、まずは各部屋の コンセプトを明確にしてください。
また、そのコンセプトと照らし合わせながら、本当にこれは必要かと自問するようにしてください。金額が高いから、見た目がいいから、いつか使うかもしれないからといった基準ではなく、コンセプトに合うのであれば必要ですし、合わないなら不要と判断していきましょう。
例えば、寝室にテレビがある人は、それがあなたの設定した、本来のコンセプトにとって有効化を考えてみてください。テレビがあるおかげでゆっくり休めますでしょうか?
夫婦の親密度が高まるでしょうか? あるいは、急速や夫婦の時間を邪魔する原因になってはいないでしょうか?
いつもテレビを見ているから、最近買ったばかりだからといった理由で決めてはいけません。テレビという存在が、寝室でどのような役割をしているのか、改めて考えてみてください。
さて、寝室のミニマル化を進めるにあたり、特に意識してほしいのは、次の4つのポイントです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
床を片付ける
床には何も置かないことを、徹底してください。自分で組み立てた収納ボックスや本、雑誌の山、エクササイズ器具、一時的に寝室に置いているものなど、部屋のコンセプトに合わないものは徹底的に処分しましょう。
そこに落ちているダンベルや美容器具は、しっかり毎日使っていますか?
なんとなく買って放置しているものは、これからも使わないです。仮に、不要なものをどんどん処分して、最後に寝室にダンベルだけが残ったのであれば、そのダンベルはあなたにとって価値があるものになるはず。
モノを大切にして価値を高めて、自分の人生を活用していくためにも、部屋のコンセプトに従ってミニマル化を徹底していくことが肝心です。
平らな表面には物を置かない
リビング編と同じく、ダンスやただの上などを平らな場所にはたいてい人からもらったよくわからないお土産や装飾品、手作りの小物などが置いてあるもの。あるいは植物や書類写真などがあるかもしれません。
必要なものと必要でないものが、ごちゃっと乱雑に置かれている場所が、平らな表面です。そのすべてを処分しろとは言いませんが、平らな場所には物が集まりやすいので注意してください。
少し心を鬼にして、取り組んでみてください。大切なことは、それが寝室にあると安心し、幸せな思い出がよみがえるようなものです。それ以外の、なんとなく置いてあるものや、捨てるのに罪悪感があるものは全て処分していきましょう。
寝具をできるだけ減らす
押し入れやタンスの中に、たくさんのシーツやブランケットを収納している家も多いのではないでしょうか。ちょっと手間ですが、寝具を全部引っ張り出して1枚ずつ必要かどうか確認してみましょう。
状態の悪いものやもう使わないものは全て処分してください。また、ここで一つコツがあります。同じものは2つ以上持たないことを徹底してみましょう。
毛布が何枚か余分にあれば、確かに寒い日は便利かもしれません。それでも、家族全員が一度に使うより多ければ、処分対象になります。なんとなく残しているものを、徹底的に捨てていくことこそが、ミニマル化につながっていくと覚えておきましょう。
装飾品を削減する
ここで1つ意識して欲しいのは、大切なものが一目でわかる家を作ることです。ミニマリストはすべてのものを捨て去ることではありません。自分や家族にとって、本当に必要なものを大切なものだけが残った家の中で、価値ある時間を過ごせる部屋にすることが大切です。
あなたの寝室を、見回してみてください。そして、あなたを知らない人がその寝室を見たら、何が一番大切なものと判断するかを考えてみましょう。本当にあなたにとって一番大切なものでしょうか。本当に大切なものは、他のものに紛れてしまってはいないでしょうか。
きっと寝室に残るものは、家族にとって大切なものになると思います。奥さんや旦那さんとの思い出の写真や、子供の成長がわかる写真、結婚の時にもらった大切なもの。それぞれ物語があり心から大切だと思えるものを飾ってください。
不要な装飾品を一掃すれば、それだけあなたにとって価値があるものが目立つようになります。それはあなたや家族の心を癒してくれるはずです。
今回は、ジョシュア・ベッカー先生の「より少ない家大全」を紹介しました。とても面白い本ですので、興味のある方はぜひ読んでみてください!