他人の顔を見た時、何か読み取れますか?
この記事では、佐藤ブソン貴子さんの書籍「人は顔を見れば99%わかる フランス発・相貌心理学入門」 を取り上げます。
“相貌心理学”を初めて聞く人が多いと思います。これは顔そのものを分析することで、相手や自分を分析するアプローチ。
日本ではまだあまり知られていませんが、フランスではすでにビジネスや教育の現場で採用されています。
著者は、相貌心理学がこれからの時代の必須スキルになるとまで言っています。
本書では、
- 顔には内面の全てが現れている
- 顔ほどその人の本質を正確に教えてくれる情報はない
- 顔を見れば、その人の内面を把握できる
- 自分の顔にも思考や行動、コミュニケーションの傾向が出ている
と書かれています。
これらのような、相手と自分の性格や思考を踏まえたコミュニケーションをしていけば、人間関係がうまくいくといった内容が本書の主張です。
それでは、さっそく中身をみていきましょう!
1. 顔からすべてがわかる
相貌心理学は、顔から人の性格や運命が読み解けるという考えに基づいています。しかし、この考えはあくまで一部の要素を示すものであり、全てを決定するものではありません。
以下で、相貌心理学に関する3つの重要なポイントを詳しく解説します。
顔だけでは人生は決まらない
多くの人が、相手の顔を見ることで、その人が成功するかどうかや幸福な人生を送るかどうかを判断しようとします。
しかし、この考え方は単純化されたものであり、美人やイケメンだからといって、必ずしも成功や幸福が保証されるわけではありません。実際には、外見だけでなく、内面の特性や能力が重要です。
美しい外見だけでは、人生が順調であるとは限りません。
現実を見れば、美しい外見を持たない人々が、ビジネスで成功を収めたり、幸せな生活を楽しんだりしています。むしろ、自己啓発や能力の向上、努力、そして他人との良好な関係構築が、成功や幸福への鍵です。
つまり、顔の美しさと人生の成功や幸福は、直接的な関連性がないのです。
また、顔は一生変わることがないと考えるかもしれませんが、実際には好みや生活環境、ライフスタイルの変化によって、顔は変化します。
10年前と今では同じ顔ではないことが一般的であり、加齢と共に変わることは珍しくありません。
したがって、外見は時間とともに変化するもので、成功や幸福への道を塞ぐものではありません。
顔には多くの情報が表れる
一方で、顔にはその人の多くの情報が表れています。
体力、コミュニケーション能力、想像力、共感力、思考速度、環境への適応力、感情や考えを伝える能力、自己制御力、野心、独立心、モチベーションなど、ほぼすべての情報が顔に反映されています。
これらの情報を理解し、活用することで、コミュニケーション能力を向上させたり、人間関係を築いたり、自己実現を達成したりするのに役立ちます。
相貌心理学の概要
相貌心理学は、1937年にフランスの精神科医であり臨床心理学者でもあるルイ・コルマンによって創始されました。
この学問は、顔と精神、顔と性格の相互関係を研究対象とし、顔の特徴を通じて人間性や性格を分析します。
相貌心理学は、教育分野やビジネス分野で広く応用され、コミュニケーションスキルの向上、人材マネジメント、教育、美容などの分野で活用されています。
ビジネスにおいては、お客様との効果的なコミュニケーションや、適切な人材配置に相貌心理学が応用されています。
教育分野では、ファッションや美容などのイメージをコーチングする学校のカリキュラムにおいても、顔の分析が利用されています。
一般の家庭でも、子供とのコミュニケーションを改善するために相貌心理学が役立っています。
フランスでは、このように相貌心理学は有名な学問であり、多くの雑誌や新聞で特集が組まれ、広く知られています。
2. コミュニケーションスタイルは、器官・部位から解読する
コミュニケーションスタイルは、しばしば人の外見からも垣間見えます。ここからは3つの主要なポイント、目、鼻、口に注目し、それぞれの特徴から読み取れる情報を詳しく説明します。
目:視線からの洞察
最初に、目から得られる情報について考えてみましょう。目は知識と情報の取り入れ方を示す重要な指標となります。
- 目尻の位置まず、目尻の位置をチェックします。目尻が上向きの人は、自分の興味にフォーカスし、自分が見たいことや聞きたいことに集中する傾向があります。これは、時間を節約し、決断をスピーディに下すのに役立つことがあります。しかし、度を過ぎると他人の意見を無視しやすくなるかもしれません。一方、目尻が下向きの人は、人の話をよく聞き、物事を注意深く観察する力を持っています。ただし、度を過ぎると他人の意見に流される傾向があるため、バランスが重要です。自分が目尻が下がっていると感じる場合、適度な自己主張も大切です。
- 目の開き具合次に、目の開き具合が好奇心の指標となります。ぱっちりと開いた目を持つ人は、多くの情報を収集しようとする傾向があります。しかし、情報の過剰は決断を難しくすることがあるかもしれません。対照的に、目が細くなるほど、情報を絞り込んで重要な情報を選別しやすくなります。これらの人々は、情報の質に重点を置き、重要な情報だけに注意を向ける傾向があります。
鼻:秘めた思考とコミュニケーション
次に、鼻に注目してみましょう。鼻の特徴は、思考やコミュニケーションスタイルに示唆を与えます。
- 鼻の穴の可視性鼻の穴が正面からはっきり見える人は、率直なコミュニケーションを好む傾向があります。彼らは思ったことをすぐに口に出し、他人とオープンにコミュニケーションをとります。鼻の穴が見えない人は、感情や考えを秘密にし、表面的な会話にとどまることが多いです。
- 鼻筋の傾斜鼻筋の傾斜にも注目しましょう。鼻筋に角度があってしっかりとした鼻筋を持つ人は、自分の考えや思いを相手に明確に伝えるのが得意です。一方、鼻筋に角度がない人は、率直なコミュニケーションに苦手意識を持つことがあります。鼻筋の高さよりも、傾斜の有無に着目してください。
これらの特徴を理解することで、他人とのコミュニケーションをより円滑に行えるかもしれませんが、相手を過度に判断しないようにしましょう。
口:言葉と内面
最後に、口に注目しましょう。唇の特徴は、言葉遣いや内面についての示唆を提供します。
- 唇の厚さ唇の厚い人は、通常、温和で穏やかな口調を持ち、相手を褒めたりやる気を引き出す言葉を使うのが得意です。逆に、唇が薄い人は、時に冷たい言葉を使うことがあり、正確さに重きを置く傾向があります。ただし、その表現が時に相手を傷つけることもあるため、注意が必要です。
- 口の引き締まりさらに、口の引き締まり具合が自己制御力を示します。口がしっかり閉じている人は、通常、自己制御力が強い傾向があります。一方、口がやや開いている人は、対話がオープンでアプローチ可能な印象を与えることがあります。
- 高角の位置最後に、高角の位置が内面の状態を表します。高角が上向きの人は楽観的でポジティブ思考です。対照的に、高角が下向きの人は悲観的でネガティブ思考な傾向があります。
これらの要素を通じて、目、鼻、口からコミュニケーションスタイルや内面について洞察を得ることができます。
ただし、これらはあくまで参考であり、個人を判断する全てではありません。相手を理解し、より効果的なコミュニケーションを築くために、これらの情報を使いこなしましょう。
3. 顔から読み解く、3つのゾーンに分けられた人間の特性
最後に、顔の3つのゾーンに注目し、知的優越性、感情優越性、利益優越性の要素について詳しく説明します。
3つのゾーン:思考、感情、活動
まず、顔は3つのゾーンに分けることができます。どのゾーンが顔全体で最も顕著に現れているかを見ることで、その人のモチベーションの源を理解できます。
- 思考ゾーン額の上から目の下までが思考ゾーンとされます。このゾーンが大きく広がっている人は、知的な特性を多く持っている可能性が高いです。思考ゾーンには目も含まれており、視覚情報に敏感です。美しいものや芸術に魅了され、想像力が豊かで理論的な思考を好みます。しかし、想像力が過剰に発展し、妄想に走りやすいこともあります。また、理論的なアプローチで物事を考えることが得意です。
- 感情ゾーン次に、感情ゾーンです。目の下から唇の上までが感情ゾーンとされ、六角形のような顔型を持つことが多いです。このゾーンが広がっている人は、コミュニケーションと感情の共有が彼らのモチベーションの源です。コミュニケーション能力が高く、他人との感情の共有と分かち合いが行動の駆動力となります。同時に、自己の存在価値を認められたいという欲求が強い傾向があります。
- 活動ゾーン最後に、活動ゾーンです。唇の上から顎先までが活動ゾーンで、四角形のような顔型を持つことが多いです。このゾーンが広がっている人は、本能的な活動や物質的な価値、現実的な利益に強い関心を持っています。数字や目標に対する興味が強く、手作業や料理、手芸などのスキルに優れることがあります。お金の取り扱いも上手です。
これらの特性を理解することで、個人の性格や動機づけをより深く理解する手助けになるかもしれません。
知的優越性、感情優越性、利益優越性
次に、知的優越性、感情優越性、利益優越性という要素について詳しく説明します。
- 知的優越性:思考ゾーンが広がっている人は、額や目にインパクトのある逆三角形の顔を持つことが多いです。彼らは知識と美的センスに満足感を感じ、知識や視覚から入手した情報に対する好奇心が高まり、行動に影響を与えます。美しいものや芸術に魅了され、時には過度に想像力が発展することがあります。また、物事を理論的に考える傾向があります。
- 感情優越性:感情ゾーンが広がっている人は、しばしば六角形のような顔型を持ちます。彼らはコミュニケーションと感情の共有に満足感を感じ、他人との感情の共有と分かち合いが行動の駆動力です。コミュニケーション能力が高く、他人との交流を積極的に広げることが得意です。同時に、自己の存在価値を認められたいという思いが強いです。
- 利益優越性:活動ゾーンが広がっている人は、顎や口周りに注目すべきです。彼らは本能に基づく活動や物質的価値、現実的な利益に強い関心を持っています。数字や目標に対する興味が強く、手作業や料理、手芸などのスキルに優れることがあります。お金の取り扱いも得意です。
顔から読み取る情報は、人生全体を決定するものではありません。
しかし、期間や部位に表れる特徴に加えて、3つのゾーンの特性を観察することで、個人の性格や動機づけに関する洞察を深めることができます。
最終的に、ここまでの情報はあくまで参考に過ぎず、個人を判断する全てではありません。
相手をより良く理解し、より効果的なコミュニケーションを築くために、これらの情報を活用しましょう。
今回紹介した、佐藤ブソン貴子さんの書籍「人は顔を見れば99%わかる フランス発・相貌心理学入門」 について興味がある方、より詳しく知りたいと思った方は、ぜひ一度手にとってみてください!