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自分の努力が足りていると思いますか?
ネット掲示板「2ちゃんねる」の管理人として有名なひろゆきさんですが、自分には努力をする才能がないと言います。だから1%の努力で最大の成果を得てきた、と。本書はそんなひろゆきさんが、“努力をすればなんとかになる”と努力にしがみつく人たちに向けて、1%の努力で最大の成果を出す思考法を伝授してくれます。
あなたに必要な努力は何なのか、ヒントが得られるはずです!
1. チャンスのために、片手は常に空けておけ
まずは「チャンスのために、片手は常に空けておけ」という話です。簡単に言うと“片手が空いている状態 = 余裕がある状態”でないとチャンスをつかめないよということです。
みなさんはチャンスを掴むために、毎日何か努力していますか?
- 本を読んで知識を蓄える
- 一生懸命人脈を広げる
- がむしゃらに働く
など、さまざまな努力があると思います。
しかし、ひろゆきさんはこれらの“努力信仰”にしがみついて、予定をパンパンに詰め込んでしまう人はチャンスをつかめないと言います。なぜならチャンスというものは、訪れた一瞬に目の前を通り過ぎるからです。
片手を空ける理由
例えば、あなたのもとに企業メンバーにならないか?という誘いが来るかもしれません。当日誘われた飲み会に、運命の人が来ているかもしれません。行きたかった映画の試写会に、実は主演俳優がサプライズゲストとして登場する可能性もあります。
しかし、常に片手を空けて余裕を持っていないと、掴むどころか、知りもせず終わってしまいかねません。努力をしすぎて時間とお金に余裕のない人は、飲み会や映画に行くことができないし、そもそも暇な時間もとれません。
一緒に起業しないかと誘われて、「ちょっと今忙しいから、一週間後にまた話聞かせてよ。」と言っていると、その間に他の人にチャンスを取られてしまうなんてこともあるでしょう。
“努力で解決すればなんとかなる”、“頑張ればなんとかなる”と考えている人は、常に両手がふさがっていてチャンスを取り逃します。あまりにも努力をしすぎて予定がパンパンの状態では、チャンスを取りこぼすどころか、その努力が報われなかった時に、心の拠りどころを失ってしまうかもしれません。
働き方の考えについては、「ブルシット・ジョブ」の記事も参考になるので、合わせて読んでみてください。
2. 自分にとっての大きな岩と壺
次に「自分にとっての大きな岩と壺」についてです。これは、“人生において何を優先させるかは、一度じっくりと考えた方が良い”という教えです。ひろゆきさんは、次のようなエピソードを引用します。
ある大学の授業で教授がクイズの時間と言って、大きな壺を取り出して教壇に起きました。そして壺がいっぱいになるまで岩を詰めて、学生に問いかけます。
「この壺は満杯ですか?」
教室中の生徒は、“はい”と答えます。すると教授は教壇の下からバケツいっぱいの砂利を取り出し、壺の中に入れます。そして、もう一度学生に問います。
「この壺は満杯ですか?」
すると1人の学生が、「多分違います。」と答えます。教授は“そうだ”と笑いながら、教壇の下から砂の入ったバケツを取り出します。そして、砂で壺をいっぱいにすると、再び生徒に質問をします。
「この壺は満杯ですか?」
教授が伝えたかったこと
学生たちは声を揃えて答えます。「いいえ!」教授は水差しを取り出し壺に注ぎ、ついに壺は水が一滴も入らないほどに満たされました。そして最後に教授は、「僕が何か言いたいか分かるか?」と学生に質問します。すると、一人の学生が手を挙げて、「どんなにスケジュールが厳しい時でも、最大限の努力をすればいつでも予定を詰め込むことは可能だということです。」と答えました。
これに対して教授は、「私が言いたいことは、それとは違うよ。」と言って説明を続けます。「この例が教えてくれる真実は、“大きな岩を先に入れない限り、それが後に入る余地は二度とない”ということだよ。」「君たちの人生にとって、大きな岩とは何だろう?」と教授は学生たちに語りかけます。それは、仕事や志であったり、愛する人かもしれません。
人生において何を優先すべきか
一番大切なものを最初に壺の中に入れないと、人生ではさほど重要でないものに壺は満たされていく。すると、“大きな岩 = 自分にとって一番大事なもの” に割く時間を失い、結果としてそれ自体を失うことにもなりかねません。みなさんにとっての大きな岩は何ですか?
人生において何を優先すべきか一度じっくり考え、自分にとっての大きな岩を常に問い続けることで、後悔少ない人生を送ることができるでしょう。
3. 人とちょっと違うことは何か
続いて、「人とちょっと違うことは何か」についてです。突然ですが、みなさんが人を選ぶときの基準は何だと思いますか?この人と一緒に仕事をしたいと思う基準は何ですか?
もちろん、客観的なスキルなどの優秀さを持っていることは大切です。しかしそれよりも大切なことがあると、ひろゆきさんは言います。それは、“面白いかどうか”です。なぜなら、明るくて面白ければ、採用してみて無能だったとしても納得できるから。ここで言う“面白い”とは、変わっているという意味に近いです。
例えば、質問されたことに当たり前の回答するのではなく、ちょっと想像と違った返しができるといった面白さです。
「趣味は何ですか?」と聞かれて、ただ「本を読むことです。」ではなく、「休日は家から一歩も出ず、10時間本を読み続けます。」と、ちょっと人と違う部分を出す。それだけで、質問者は“おっ、何か面白そうなやつだな”と受け取るのです。
そのため、ひろゆきさんは、自分の“人とはちょっと違う”ところを掘り下げろと言います。ちょっと違うところを意識して行動するだけなので、そんなに努力はいりません。そして、その積み重ねが大きな武器になるのです。
4. それは修復可能か?
ここからは、無駄な行動をしないように、取捨選択するときの思考法について。日々行動していく中で、あれもこれもと大事なことが多すぎて、頭の中がぐちゃぐちゃになってしまう人も多いですよね。そんな時は、優先順位をはっきりさせると、人生は生きやすくなります。何が大事で、何を捨てるべきか。迷ったときは、次のように考えてみましょう。
“それは、修復可能か?”
例えば、ひろゆきさんの場合、寝不足で頭の冴えない状態は、寝ること以外でそれを修復すること不可能。寝ていないで頭がぼーっとするのだから、まずは寝るしかない。だらだら徹夜をして体力自慢するよりも、しっかり寝て翌日の脳のパフォーマンスを上げるが正解です。
後からできるものは一旦保留
また、ひろゆきさんがタバコを辞めない理由は、禁煙して10年経てば肺の細胞はきれいに入れ替わり、修復可能であると認識しているからだそうです。
あなたがやりたいことや欲しいものがあったとき、後で取り戻せるかどうか“それは修復可能か?”と問いかけてみましょう。後から取り戻せるものは、とりあえず一旦無駄なものに分類する。若いときにしかできない、期間限定で今しか買えないのであれば、それは修復不可能なので、選択するという判断ができるようになります。
5. いま実績を持っているか?
ひろゆきさんは、仕事において順調に成長していくためには、最初の実績づくりを目標にするべきだと言います。色々と口を出せる立場になれるかどうかというのは、実績があるかないかで大きく変わります。例えば、ひろゆきさんは2ちゃんねるが有名でないときに、「こうすれば、そのサイトが伸びるよ。」と他人にアドバイスをしたことがあるそうです。
しかし、当時は実績がなかったので聞く耳を持ってもらえなかったそうです。後日、ひろゆきさんが言った通りにしていれば、そのサイトは伸びていたにも関わらず。真っ当なアドバイスがあっても、聞いてくれる耳を持たれないとダメということです。裏を返せば、一つでも大きな実績があれば、かなり有利になるということでもあります。
まず実績をつくる
ひろゆきさんも駆け出しの頃は、提案しては断られ、提案してまた断られ、ということを何度も繰り返していたそうです。しかし、2ちゃんねるという実績ができた後は、一気に人生が簡単になったそうです。実績ができたら、あらゆる人がひろゆきさんの意見に耳を傾けるようになりました。当たり前ですが、実績のある人の言葉を聞いたほうが成功する確率が高いからです。
例えば、YouTubeで質の良い動画を上げても、ちょっと劣る同じような内容の再生数の多い動画があったらそっちを選びますよね。これも、“再生数が多い”という実績があるからです。ここから分かることは、一度実績を出してしまえば、一気にイージーモードになるということです。何としても最初の実績を作ることが大切になります。
サラリーマンなら、目の前にある仕事で成果を出せば、より仕事を任せてくれるようになる。それをだんだん積み上げていくと、「あいつはすごい奴だ!」と会社の外でも評判が立ち、あらゆるところに呼ばれるようになり、人脈も広がっていきます。会社の外でも通用する実績をつくることを意識してみましょう。
6. これって遺伝なのか、環境なのか?
あらゆる物事において100%実力だと言えることは、案外少ないものです。遺伝か環境か、先天的か後天的か。こういった視点も、幸せに生きるためには必要になります。多くの人は、“自由意志”というものを大きく扱いすぎだと、ひろゆきさんは言います。自由意志があるから、一般的には “自分の努力によって、多くのことは本人次第で成し遂げられる”と思われがちです。それなら、自由意思によって人生を変えられる範囲というのは、どれくらいあるのでしょうか?
成功の秘訣はたまたま
ひろゆきさんはゼロではないが、とても少ないと言います。一代で成功したスポーツ選手や起業家を想像すると、“努力100%!”といった印象がありますよね? それは、これらの人が「成功した秘訣は何ですか?」と聞かれると、「死ぬほど努力をしたから」と答えるからです。そしてメディアは、そういう発言を求め、それが本やブログに書かれ、ドキュメンタリー番組になります。
一方で、ひろゆきさんが成功した秘訣は“たまたま”だそうです。この本音を言ってしまうと、メディアでは受けないし、本にもならないです。ひろゆきさんはたいていの成功はたまたまであるが、“1%の努力”で変えられる部分があるならば、それはどこなのか。ということを、常に一歩引いて考えることが重要だと言います。
諦める部分と頑張る部分
自分の意志ではどうにもできない領域があり、諦める部分と頑張る部分を分けて考えるのです。そうすれば自分の適性のないところに無駄な努力をして、身体も心もすり減らしてしまうということが少しはなくなります。
今回は、「1%の努力」をとり上げて紹介しました。本書にはまだまだ様々なアイデアが詰まっています。気になる方はぜひ、手に取ってみてください。
ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。