うまく話せるようになるには、
- 流暢にしゃべる
- 話を盛り上げる
- テンションを高く保つ
といった、スキルが必要だと思っていませんか?
実は、そうでもないみたいです。この記事は、永松茂久(ながまつ しげひさ)さんの書籍「人は話し方が9割」の紹介です。
著者は、26歳の時に3坪のたこ焼き屋からビジネスをスタートさせ、現在は人材育成法について全国で数多くの講演を行っている方。
世の中に話し方について解説をした本は数多くありますが、この本では、“ごく普通の人が、身近な人に思っていることをうまく伝えられるようになること” を目指して書かれています。
会話がうまくなるために一番重要なことは、苦手な人との会話を避け、大好きな人と話す時間を増やすこと。好きな人と会話をすれば会話が弾み、その結果だんだんと自信がついていき、より多くの人と話せるようになるという好循環ができます。
今回はその方法の中から、特に大事ポイントをいくつか取り上げていきます!
1. 簡単に話せるようになる3つのコツ
普通の人が簡単に話せるようになるには、3つのコツがあります。
否定禁止
1つ目は、「否定禁止」です。会議では誰かが発言をしたときに、「それは違うだろ!」と、抑えつけられてしまうことがありますよね。そこでネガティブな空気が会議全体を覆ってしまうと、人のパフォーマンスは低下して、誰もが口を閉ざすようになってしまいます。大切なのは、意見がどんどん出てくる場にすることで、そこで前向きな意見であればすべてOKというルールをあらかじめ設定しておくことです。
笑顔で頷く
2つ目は、「笑顔で頷く」です。ただ首を縦に振るだけですが、人間関係においてこの習慣を身に付けているとかなり役に立ちます。頷いて聞いてくれる人がいたら、人は自然と話せるようになります。そして、その安心感が話す力を引き出すのです。
プラストーク
3つ目は、「プラストーク」です。前向きな話は、人を元気にします。
- 人を褒めること
- 感動した話をすること
- 今の現状をよくしていこうとすること
これらはすべてプラストークです。なるべく否定的な空気の場からは離れ、これら3つのコツを意識することで、前向きに話すことができるようになり、少しずつ調子のよい自分を継続していくことができるのです。
2. “沈黙はダメなこと”というプレッシャーから解放する
誰かと一緒にエレベーターに乗った時、話さずにいるのが気まずいという人もいますよね。しかし、話すことがないのなら無理に話さなければいいのです。“沈黙はダメなこと”という思い込みがあるために、話したくない人とも何か話さなければいけないというプレッシャーがかかっている状態ですが、その呪縛からは一刻も早く解き放たれるべきだと著者は言います。無理に話しかけるぐらいなら、降りたその先のことを考えながら過ごしましょう。
もしくは、「こんにちは。」と笑顔であいさつして、それで終わり。会話が難しい人との距離を、無理に詰める必要はありません。まずは自分の話しやすい人に、届け話すことで会話力を磨いていくべきです。あなたが話しやすい人との時間を増やしていくということが、会話力上達の一番の近道になります。
3. キラーワード“やっぱり”で人を褒める
人を褒めるということは、会話においてとても大切なことです。しかし普段ほとんど人を褒めない人が、突然むやみやたらに褒め始めても不自然さが残ります。身近な人を褒めるときに大切な魔法のキーワードは“やっぱり”という言葉です。「やっぱり頼もしい」、「やっぱりやってくれると思った」など“やっぱり”がつくことで、“普段から思っていたけど”というメッセージが含まれます。
独り言でつぶやくように褒める
独り言でつぶやくように褒めることも効果抜群です。
面と向かって褒められることが得意ではない謙遜文化のある日本人に、この褒め方は大きな威力があります。コミュニケーションにおいて最も重要なことは、好かれる前にまず嫌われないことです。特に初対面においては、
- この人は感じが良いな
- この人はなんか嫌だな
のどちらかで印象が決まります。
嫌われない話し方をする
その時相手の目盛が悪い印象の方に大きく振れてしまうと、ゼロに戻すためには相当な努力をしなければならないです。話し上手な人はそのことを知っていて、好かれるよりもまず嫌われない話し方をすることに細心の注意を払っています。そのため、話し上手な人は余計な一言を言いません。世の中には余計な一言を言ってしまう人が意外と多いです。
例えば、相手が楽しそうに自分が飼っている犬の話をしている時に、「犬嫌いなんだよね。」と相手の気持ちを考えずに言ってしまう人がいます。たとえ自分が犬が苦手だったとしても、「そんなに可愛いんだね!」とだけ言えばいいところで、余計なことを言う必要はないのです。何も相手は“犬を好きになってくれ!”と強要しているわけではないので、感情に寄り添ってコミュニケーションをつなげていけば、相手の気持ちを傷つけることはありません。
4. 流暢にしゃべることだけが、会話のスキルではない
話し方において、うまく話せるスキルは、一般の会話においては必須スキルではありません。流暢によどみなく話せるようにならなければと思っている人が多いですが、一番大事なのはあなたの思いやスタンスです。何を伝えたいか、どういう意識で相手と接しているか、という内面は会話にもにじみ出てきます。それを分かった上で、“自分自身がどういう言葉を選択するか”が、人の心に響く本当の話上手になれるかどうかの分かれ道です。
じっくり言葉を選びながら、ゆっくり話す
論語に、「巧言令色鮮し仁。剛毅木訥仁に近し」という言葉があります。これは、「口先だけうまく表情を取り繕っているものに、本当の人格者はいない。真の人格者は、むしろ口が重く愛想がない。」という意味です。じっくり言葉を選びながら、ゆっくり話せばいいと思って相手と向き合えば、通じるべきことは必ず通じます。そう考えれば、たとえ流暢にしゃべることができなくても、気持ちを込めて相手の心に届けることができる人を、本当の話し上手と呼んでもいいのではないでしょうか。
今回は、永松茂久(ながまつ しげひさ)さんの書籍「人は話し方が9割」の中から、特に重要なポイントについて紹介してきました。より詳しく知りたい方は、ぜひ本書を手にとってみてください!