これからの未来は、どうなると思いますか?
世の中の論客たちは、それぞれ独自の予想をしますが、共通する部分も多くあります。
当ブログでは、アフターコロナの未来、2030年、2040年、さらに遠い未来と数々の書籍で、その予想を紹介してきました。この記事では、それらをまとめて特集します。
この記事の内容で、きたる未来を的確に捉えていきましょう!
1. 2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ
まず最初に取り上げるには、「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」です。2030年といえば、割と近い未来ですよね? ここ何十年か停滞した社会で生きてきた日本人にとっては、数年後もそんなに変わらないでしょ? と思っている方もいるかもしれません。
しかし、スマホが私たちの生活を徐々にではあるものの変えてしまったように、今後も変化は確実にやってきます。特に、今後10年くらいで訪れることが予測される劇的な変化のキーワードが「コンバージェンス」です。コンバージェンスは、「複数技術の融合」という意味で、今までそれぞれの分野で発展を遂げてきた技術を複合的に組み合わせることで、一気に変化が起こることを意味します。
例えば、空飛ぶ車は、安全性、騒音、価格の問題が劇的に改善されてきているそうです。こうした変化の流れについて、丁寧に書かれている本書をぜひ一度ご覧ください。
2. 2040年の未来予測
「2040年の未来予測」は、2030年のさらに10年以上先を見据えた話を展開しています。著者の成毛眞さんが日本人ということもあり、2030年に比べて内容もより日本にフォーカスしたものとなっています。
6Gの電波帯が広まることで、情報通信の大容量・高速化がますます進み、遠隔手術、自動運転車に限らず、こちらでも空飛ぶ車やドローン配送の可能性を示しています。もはや、空飛ぶ車は規定路線ですね。本書はこうした技術的な話ばかりではなく、日本が今後どんどん貧しくなり、日本の土地や不動産が他国から買われやすくなる、お買い得な国になっていくということにも言及しています。
社会保険料を値上げするしか、今の社会保障費を維持することは不可能といった、日本にとっての暗い話がありつつ、これらの暗い予測には「技術進歩の可能性」を十分に見込まれておらず、未知数な部分も多いとやや明るい言葉で締めています。
3. ビジネスの未来
「ビジネスの未来」は、“ビジネスはその歴史的使命を終えつつある”ということを前提に、これからのビジネスについて書かれた、山口周さんの名著です。
みなさんが日々生活している中で感じているように、「経済とテクノロジーの力によって物質的貧困を社会からなくす」という、ビジネス本来の目的はほぼ達成された世の中になりました。しかし、何か物足りないと感じてしまうのはなぜか? それは、日本の再生や再興といった、世界を基準とした経済の覇権争いに囚われた、価値観から抜け出せていないからだと言います。
経済覇権を奪い合う段階はすでに終わり、これからはいかにして共生し、幸せになっていくかを考える段階ではないのかというのが本書の提言です。お金のために、生活のために働くのではなく、何のために生きるかを個々が真剣に考えていかないと、生活はできても生きる目的に迷う人たちが増えていくことを危惧しています。生きるに値する世界を目指すには、どうしたらよいかを真剣に考えさせられます。
4. ホモデウス
ごく一部の人間が、実質神的な存在になる。そんなやや暗い未来を冷静に語るには、知の巨人であり歴史学者である、ユヴァル・ノア・ハラリさんです。大ベストセラー「サピエンス全史」、「21Lessons」から続く未来について書かれたのが、「ホモデウス」です。
急速な科学技術の発展により、神を信じるよりも今の自分が幸せであることを望む“人間至上主義”に突入した現代。知らず知らずに新たな神的な存在、データによって私たちは動かされています。一方で、食べログに従って店を選んだり、GoogleMapの指示するとおりに歩いたり、欲望のままに自らそれを望んで使っているという側面もあります。
いまはまだ意識的に自ら“利用している”と思えているこれらビッグデータを活用したサービスも、その範囲は拡大していき、いずれ私たちは管理されたデータで動く“家畜のような存在”になると言います。そのような未来に対して、私たちは何ができるのでしょうか。
5. シン・ニホン
安宅和人さんの「シン・二ホン」は、世界のIT産業から周回遅れになっている日本について警笛を鳴らしています。その一方で、日本が今後さらに取り残されずに巻き返す方法についても書かれたポジティブな内容になっています。時代を3つのフェーズに当てはめると、
フェーズ1:新しい技術を発見する。
例:電気、蒸気機関の発見
ITについても、ここで遅れをとってきた日本。そして、今はこのフェーズの終わりに来ていると言います。
フェーズ2:新しい技術を実際に活用する。
例:白物家電
日本が巻き返すのはここからです。今までも、歴史ではまあまあ強かった。
フェーズ3:新しい複雑に絡み合うシステムを構築する。
例:公共交通網、駅ナカ
日本の真骨頂はまさにここで発揮されると、安宅さんは言います。それを可能にするのは“妄想力”。日本がもう一度立ち上がるためのヒントを与えてくれる1冊です。