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この記事は、各メディアで有名な脳科学者・中野信子先生の本要約まとめ記事です。
中野先生は、脳科学のみならず、最近では東京藝術大学でキュレーションを学んだり自らアートを制作したりと、その活動の幅は留まることを知りません。
当ブログでは、そんな中野先生の書籍を数多く取り上げてきました。今回はその振り返りも兼ねて、いままで取り上げた書籍を一挙に紹介します!
中野先生の本にどんな内容のものがあるか知りたい方に、ぜひご覧いただきたいです。
1. あなたの脳のしつけ方
やる気はあるのになぜ集中できないのか?そんな誰もが抱える悩みに答えた本が、「あなたの脳のしつけ方」です。特に集中力を上げる方法は、シンプルで誰もが取り入れやすいものとなっています。
やる気が出ないときには、作業興奮という、作業を始めることで脳が刺激を受けて活動モードになり、集中力を発揮できる脳の仕組みを利用して、とりあえずやってみるという方法があります。
脳には、恒常性(こうじょうせい、別名:ホメオタシス)という機能があり、変化を嫌い、同じ行動を続けようとします。これは、エアコンなどと同じで、何か作業を始めることを嫌うけれど、一度始めると恒常性(ホメオスタシス)が働いて、エネルギーを節約するためにも自然とその作業を続けることができるのです。
これを逆手にとれば、「とりあえず1分だけやってみる」といったモチベーションで始めてみることが大切だと分かりますね。その他にも、“あえてキリが悪いところで止める”ことで、作業に戻ってき易くなる脳の性質であるツァイガルニク効果や、運動、咀嚼、日光の3つによって集中力に深く関わっている脳内物質、セロトニンを多く分泌させるなど、様々な方法が書かれています。
2. 努力不要論
努力は報われると思いますか?
努力をしているのに成果が上がらない日々が続いているのは、自分の努力が足りないせいだ!と考えているとしたら危険です。
がんばれば、報われる。というのは、ブラック企業がよくやる洗脳マジックで、無意味な努力を重ねさせられ、搾取されてしまう人が多いと中野先生は言います。
努力が報われるというのは、脳科学的に言えば、“半分は本当で、半分は嘘” です。脳は本当の限界よりも、だいぶ手前でブレーキをかけているので、負荷をかけて自分の能力を最大まで引き出せる体に近づけられるという意味では本当。一方で、運動能力に差があるようにテストの成績や記憶力にも差があるのが当然であり、努力では埋められない溝があるというのも事実です。
では私たちは、どう努力していくべきなのか?
という問いの答えとしては、自分が持っている適性を知り、自分の評価軸を確立できるかどうかが大切になります。また、自分の不得意なこと、嫌いなことは割り切って他人に任せる。こうした、努力をしないための努力というのは、他人の才能や長所を見抜き、上手に褒めることで自分の出来ないことを他人に任せる能力であり、努力する上で最も大事なことになります。
3. 世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた
中野先生は、世界で評価され活躍している頭のいい人たちと出会う機会に多く恵まれてきたと言います。そんな著者の経験をもとに、世界の頭のいい人たちの面白くてためになる生き方・考え方をまとめたのが、「世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた」です。
世界で評価され活躍している頭のいい人に数多く出会った中で、著者が強く思ったこと。それは、逆境も自分の味方に、したたかに生き抜いていくということです。日本人の多くは、自分には能力がないまたは低いと思っています。しかし、自分には何もないと嘆くのはもったいないことです。
自分の適性や可能性をよく観察・分析し、最適な方法で自分を活かしていく。理想の自分と比較して、過小評価したり、不安や恐れ、始めない理由を探したりするのではなく、とりあえず初めの一歩を踏み出してみることが大切だと中野先生は言います。
4. 人は、なぜ他人を許せないのか
4冊目は、「人は、なぜ他人を許せないのか」です。
不倫・浮気・差別・不謹慎な言動・ルール違反…あなたは、どんなときに他人が許せないですか?
なぜ許せないという感情が起こるのか。それは、人は他人に正義の制裁を与えることで、快楽を得ることができるからです。そこから得られる快楽の中毒になった状態を、本書では「正義中毒」と言います。
人は集団で集まり協力することで、数百万年も生き永らえてきました。大昔は集団の中に裏切る、ルールを破る、自分の利益ばかりを優先するといったことで集団もろとも餓死するという危険性がありました。そんな時代が数百年も続き、その過程でひとは裏切り者を排除する仕組み(正義中毒)を会得していったのです。
特に日本は、日本は自然災害がたくさん起こる地域であり、昔から集団で協力する必要性が高かったため社会性が強く、正義中毒に陥りやすい民族になったそうです。
5. 科学がつきとめた「運のいい人」
運を操れるとしたら、その方法を知りたいですか?
「科学がつきとめた「運のいい人」」は、“運”という一見どうしようもなさそうなことに対して、科学的なアプローチで運がいい人になる方法について考察しています。
幸運はみんなに公平に降り注いでおり、私たちはそれに対して主体的に関わっているそうです。つまり運がいいかどうかは、その幸運を拾えるタイプなのかどうかの違いです。運が良くなる方法としては、
- 自分自身を大切にすること
- 自分は運がいいと決め込むこと
- 他者と良い人間関係を持つこと
などがあります。“運”のような、一見自分ではどうしようもなさそうなものに対しても、何とか自分で変えられる部分、コントロールできる部分を見出して変えることが可能です。
より詳しく知りたい方は、以下の記事や本書をぜひご覧ください!