無印などのシンプルデザインの巨匠!ジャスパー・モリソンが選ばれる理由

わくわくするデザインの豆知識

 

みなさんはジャスパー・モリソン(Jasper Morrison)というデザイナーを知っていますか?

彼は、近年最も成功したプロダクトデザイナーの一人です。とは言うものの、誰もが“あ〜、あれね!”といった奇抜なデザインはなく、作品の多くは至ってシンプルです。キャリアの中では、世界的なプロダクト企業と数多くコラボレーションしており、日本で言うと無印良品やメガネのJINSなどから作品を発表しています。

今回は、そんなジャスパーの究極の普通がなぜすごいのかについて、紹介していきます。

 

 

2. Super Normal(普通を超えるふつう)という哲学

ジャスパー・モリソン氏 出典:https://note.com/shijimiota

 

ジャスパー・モリソンは、ロンドン出身のデザイナーで、ロンドン王立芸術学院を卒業後、ベルリンにてデザインを学び、1986年にデザイン事務所“Office for Design”を設立。現在はロンドンに本社を構えてながらも、2002年にパリ、2007年には東京にも支社を開設し、世界各地を舞台に活躍しています。

その活動内容は多岐に渡り、インテリア、キッチン用品、照明、電化製品から公共空間のデザイン、そして近年では腕時計、時計や靴などのファッション製品にも進出しています。簡潔かつ、変わらぬ価値を持ち続ける普遍的なデザインが特徴で、親交の厚い日本人デザイナーである、深澤直人さんとともに「Super Nomal(普通を超えるふつう)」という独自のデザイン哲学を掲げています。本当の意味で私たちの暮らしを豊かにする、シンプルで実用的なデザインを追及し続けているのです。

クライアントには、Cappellini(イタリア)、Flos(イタリア)、Magis(イタリア)、Vitra (スイス)、Alessi(イタリア)、Rosenthal(ドイツ)、Canon(日本)、Samsung Electronics(韓国) 、Sony Design Centre Europeといった各業界のリーダー的企業のデザインを行っており、今最も影響力のあるデザイナーの一人と言えます。 

 

2. 「Super Normal Project」深澤直人との出会い

Super Normal Project

出典:http://www.jaspermorrison.com/

 

人はデザインに斬新さを求める傾向がありますが、意識をしないまでもただ「普通」であることが、実は最も使いやすく、心地よかったりします。
そんなシンプルさを追求するジャスパーと、プロダクトデザイナーである深澤直人さんの出会いは、2001年にモリソンが展示会の準備で東京を訪れている時でした。

先に上げた「Super Normal(普通を超えるふつう)」を体現していることをお互いに認識したことで、すぐに意気投合したそうです。環境がさまざまな異なる場において“easy&natural”で、良い雰囲気をつくっているものという彼のSuper Normalな考えと、無印良品のデザインなどで知られる深澤のデザインが合致し、その後2006年に東京で展示会を共同開催するに至り、2人のデザインは今なおSuper Normalを体現し続けています。

 

2006年に東京・アクタスで行われたイベントで、2人は以下のようなコメントを残しています。

スーパーノーマルなものとは、毎日使うものを絶え間なく進化させてきた営みの成果であり、形態の歴史を打ち壊そうなどという試みではない。

むしろ、ものの世界でその収まるべきふさわしい場所を知り、その歴史を集約しようと努めることである。

スーパーノーマルは「普通」を意識的に代替しようとするもので、時間と理解を要するだろうが、毎日の生活に根づいてゆくはずだ。

――ジャスパー・モリソン

道具と使い手の最低限の合意がノーマルを成している。

ノーマルは長い間に人間によって抽出されたエッセンスが凝固したものということもできるし、よけいなものが削り取られて風化した、生活の中で残ってきた必然の姿でもある。

そこにデザインはなく、むしろだささがにじみ出ていながら生活の中で淘汰されなかったという事実に、悲しい程の魅力がこもっている。

――深澤直人

 

3. JINSとのコラボプロジェクト

 

最後に、メガネメーカーのJINSとのコラボ企画、JINS Design Projectを紹介します。この企画ではジャスパー氏がJINSとともにメガネの“今”あるべき姿を問い直し、「究極の“ベーシック”」を目指して1mm以下から再設計しています。

設計に当たっては、ウェリントンやボストン、スクエアといったメガネのタイポロジーを徹底的にリサーチするために、新聞や雑誌などからメガネをかけた人々の写真を集め、メガネのフォルムやサイズを徹底的に検証し、異なるデザインの比較も繰り返したそうです。ジャスパーはこのプロジェクトをこう振り返ります。

既存のものを洗練させていき、全体として納得のいくバランスを探し求める作業、すなわちリファイメントのために必要なプロセスです。

僕のスタジオの壁は、さまざまなメガネのシルエットで埋めつくされていきました。

――ジャスパー・モリソン

 

こうして、無駄を削ぎ落としたからこそ誰もが似合う、これからの時代の「究極の普通」が完成したのです。

0.1ミリの違いで印象が大きく変わってしまうのがメガネのデザインです。
だからこそ、徹底的にデザインに取り組んでみたかった。

大げさではなく、地味でもなく、一人ひとりの顔になじむもの。
それでいて、これまでになかったメガネをつくりたいと思いました。

ーージャスパー・モリソン

輪郭をなぞっていきながら、一つの線に洗練されていくデッサンのように、彼のデザインは普遍性に向けての作業を積み重ねていることが伺えるコラボと言えるでしょう。

彼のデザインした製品は、各メーカーのサイトの他、彼自身のHPにあるショップからも購入できます。

 

 

これ椅子なの!? 変わったデザインの名作椅子5選(Droog、フィリップ・スタルクほか)

まるで縄文土器?スリップウェアとは(SML、ST.IVES、桃居)おしゃれなうつわと出会う