5分で学ぶ『貧乏はお金持ち』要約【後編】サラリーマンとして収入を増やす(橘玲の思想)

man operating laptop on top of table 日々を豊かに、丁寧に暮らすコツ

 

国家を道具として使う。

この記事では、橘玲さんの書籍「貧乏はお金持ち~雇われない生き方で格差社会を逆転する~」という本を紹介します。

国が市場に介入することで生じた歪な制度を上手に使う方法として、前編ではマイクロ法人という選択があるところまで紹介しました。この後編では、マイクロ法人のメリットを詳しく深掘りしていきます!

 

1. 所得税と法人税の税率の違いを利用する

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サラリーマンが会社との雇用契約を業務委託契約に変え、同時にマイクロ法人を設立する。そしてこれまでと同じ仕事を続けながら、委託費を法人で受け取ること。これを本書では、“サラリーマン法人化”と言います。

内容に入る前に、まずは税の世界における「個人」と「法人」の違いについて見てみましょう。

税金は、日本国民が日本国に対して納めるものではありません。税法では国籍にかかわらず、日本国に居住し所得を得ている“人”すべてが納税義務者となります。この“人”というのがポイントです。

日本国に居住する人というのは、個人と法人の両方を指します

個人に対しては所得税、法人に対しては法人税などが課されます。しかし不思議なことに、同じ人に対する課税ですが所得税と法人税は全く別の税率と体型で運用されているのです。これこそが、マイクロ法人を使いこなす際の第1のポイントです。

 

個人所得に対する課税は複雑で、素人にはなかなか難しい制度になっていますが、法人税は極めてシンプル。1年間のすべての収入から全ての費用を引いた利益に対して、一定の割合の税金をかけるだけです。

日本の場合、マイクロ法人の実質的な実効税率は約30%。それに対して、個人は最高で約50%にまでなります。

このように、所得税と法人税の税率が大きく異なるため、所得の受け取り方次第で有利になったり、不利になったりします。とりわけマイクロ法人では、自分という法人が自分という取締役に報酬を支払うので、税コストを最適化するための所得分けが極めてシンプルです。

 

マイクロ法人の実効税率は約30%。実質的な実効税率がこれよりも低ければ、個人で受け取った方が得。逆に、これより高ければ法人の利益にした方がいいです。

個人の課税所得は扶養控除などさまざまな要因で変わりますが、だいたい年収1,000万円までなら個人、年収1,500万円以上は法人が有利になるでしょう。(参考:所得税の税率

このあたりは副業収入などを含めるかどうかなどで、個人差が出てきます。

 

2. 国民年金・国民健康保険に移行できる

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厚生年金組合健保から脱退し、国民年金・国民健康保険に移ることができるというのもサラリーマン法人化のメリットのひとつです。これまでは厚生年金や組合健保に加入できることが、サラリーマンの大きなメリットだと考えられてきました。

しかし、もう10年以上前にすでに崩壊しています。公的年金制度への不信によって、自営業者などが加入する国民年金の実質未納率は50%を超え、改善する見通しもありません。一方で、高齢化により年金支払額は増え、国民年金の収支は大幅な赤字に落ち込んでいます。

 

実は、国民年金と厚生年金は基礎年金でつながっています。国民年金の赤字は、自動的に厚生年金で補うようにできているということです。これは構造上、年金未納者が増えるとその分だけサラリーマンの保険料が高くつくということです。

健康保険も基本的には同じ仕組みです。高齢者の医療費が急増することで、国民健康保険は巨額の損失を垂れ流しています。この赤字をサラリーマンが加入する組合健保や協会健保が負担しているということです。

 

3. サラリーマンが犠牲になる理由

 

国民保険制度の歪みがサラリーマンに集中するのは理由があります。

国民年金や国民健康保険は加入者自らが納付するので、制度が揺らげば大量の未納が発生するのは避けられません。それに対して厚生年金や組合健保は、本人に代わって会社が徴収するので取りっぱぐれがありません。そのため、制度を守るためにはサラリーマンから取る以外に選択肢がないということです。

サラリーマンは給与の額で保険料が自動的に決められますが、国民健康保険は収入ではなく課税所得が基準になります。よって、自分に対して支払う給料を安くすることで、保険料を減らすことができます。その結果、大半の自営業者はサラリーマンに比べてほんのわずかの保険料しか支払っていないそうです。

厚生年金や組合健保は扶養家族の負担が不要なので、家族構成によっては組合健保の方が有利になることはありえます。しかし、現在の仕組みはサラリーマンの多大な犠牲のもとにかろうじて維持されているのは事実なんですね。

 

著者は本書で社会の仕組みを説明するにあたり、道徳的な判断を留保しています。

皆さんの中には国家を道具として利用するということを、不謹慎だと感じる人もいるかもしれません。しかしそういった正義が、既に得ている権利を守り、不平等を固定化するということも指摘できます。

マイクロ法人は、国家を道具として使うための有効な手段です。本書では、まだまだ具体的な資金繰りや資金上達について解説されています。サラリーマン法人のメリットやファイナンスに関するノウハウもかなり濃い内容なので、ぜひ本書を読んでより詳しく理解してみてください。

 

 

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