勉強したことをお金に変えたいなら、多少の創意工夫が必要だ。私はその工夫について、本書で惜しみなくお伝えするつもりである。
みなさんは、好きなことを学んでも、お金に変えることは難しいと思っていませんか?
この記事では、千田琢哉(せんだたくや)さんの書籍「勉強をお金に変える最強の法則50」という本を紹介します。本書は、
- 好きなことをお金につなげたい
- 突き抜けた成果を出したい
という方に、おすすめです。
Twitter、Imstagram、YouTube。現代は、誰もがコンテンツを作れる時代になりました。今は作ったコンテンツを魅力的だと思ってくれる人が多ければ多いほど、お金に変えられるという時代です。
しかし、魅力あるコンテンツを創出するためには、ある程度の勉強も必要です。そして勉強したことを、お金に変えるには工夫がいります。
本書は、その工夫について教えてくれる、とても良い内容になっています。さっそく内容をみていきましょう!
<お金に関する書籍はこちらでまとめて紹介しています>
1. 好きなことを勉強する
最初に、本書の結論を言います。
好きなことで勝負するには、
- 周辺の教養も含めて学ぶこと
- 真似させないこと
が重要。“しなくてはならない”のモチベーションでは、失敗する。
必要なことは、より高い完成されたモチベーションであると結論づけます。それを踏まえ、ここでは本書から2つのポイントをピックアップして解説していきます。
好きなことを深掘りするには教養が求められる
好きなことを仕事にすることがなぜ難しいのかというと、それを好きな人があなたの他にもたくさんいるからです。さらには好きなだけにとどまらず、絶えず努力を重ねている人たちもいるはず。
努力のステージが高い人と低い人との間には、目も当てられないほどの差が出ていきます。では、努力のステージが高い人たちは、一体どんな努力をしているのでしょうか?
2. 専門分野の人と語り合えるレベルの教養
好きなことを深掘りするために、好きなことだけをやっているのかというとそうではありません。その周辺に存在する幅広い教養を習得しているのです。
例えば、砂場で深い穴を掘りたければ広い穴を掘らないと、深くは掘れませんよね? こ
れと全く同じだと、著者は言います。
もちろん、最初は好きな分野だけを掘り続けるところから始まります。しかし、どんな分野でも掘り続けていると、必ず大きな壁にぶつかります。そういう時に突破口になるのが、幅広い教養なのだそうです。
根気よく勉強を続け、教養を幅広く身につけることは、仕事の楽しさとお金を手に入れて成功する人生を送るための重要な戦略。
では、教養といえど、どのレベルで学べばいいのでしょうか?
目指すべき教養のレベルは、専門分野以外のことを専門分野の人と語り合えるレベル。
もちろん、細かい部分まで語り合える必要はありません。最低限の本質を押さえ、専門家の言うことをおおまかに理解できるレベルで教養身につけると、仕事も人間観間も、さらに高い次元へと引き上げられます。
具体的には何から手をつければいいかということに関して、著者は歴史を軸とすることをお勧めています。なぜなら、歴史が分かると知識が他の分野へとつながっていくことに気づけるからです。
3. 真似できない、真似しにくい、真似したくない
2つ目のポイントは、ライバルが真似できない、真似しにくい、真似したくない土俵を作るについてです。あなたが自分の選んだ土俵で勝ち残っていくためには、どうすればよいのでしょうか?
答えは、ライバルたちに、
- 真似できない
- 真似しにくい
- 真似したくない
の、いずれかの感情を持たせることだと著者は言います。では、どうすればこれらの感情を持たせられるのか? 順番に解説していきます。
真似できない
「真似できない」という感情は、相手の実力が桁違いだと感じた瞬間に生まれます。
例えば、あなたが中堅私立大学の文系学部出身だったとします。これから勉強のやり方について、動画を発信しようとしているとしましょう。
その時に、同じ土俵で勝負している相手に、東大理3合格者がいた場合、その経歴については率直にかなわないとを感じるでしょう。これが、真似できないという感情です。
真似しにくい
「真似しにくい」という感情は、相手の努力量が桁違いだと感じた瞬間に生まれます。
例えば、勉強動画の発信について、同じ土俵で自分と似たようなレベルの大学学部出身者で、毎日30分の動画を既に千1,000本公開している人間を見つけたとします。このときには、やはり真似しにくいと感じるはずです。
真似したくない
最後に「真似したくない」という感情は、相手の泥臭さに嫌悪感を感じた瞬間に生まれます。
例えば、勉強動画の発信について、あなたの美学に反するド派手なパフォーマンスや、奇抜な服装で注目を浴びるというような参加者がいれば、同じ土俵で戦いたくないしマネしたくないと感じるはずです。
ここで紹介した3つの感情のうち、いずれかを生じさせることができれば競合の参入を阻止することができます。
つまり、戦わずして勝つことができるわけです。この3つは真似できない、マネしにくい、真似したくないの順番で難易度は下がっていきますが、難易度が下がる分だけ泥臭さを求められます。本当に簡単なものはないということです。
どれで勝負するかはあなたの実力と好み、そして覚悟次第だと言えるでしょう。
4. コンディションを整える2つのポイント
後編はじめは、コンディションを整えることについて、本書から2つピックアップして解説します。
- 勉強に一番悪いのは睡眠不足
- 体を柔らかくすると頭も柔らかくなる
勉強に一番悪いのは睡眠不足
幅広く教養を深める、圧倒的に泥臭く努力する。前編では、こういったことが重要であるという話をしてきました。これらを実践するには時間がたくさん必要になるため、睡眠時間を削ってでも行動しないといけないと思ってしまうかもしれません。
しかし、それは愚行であると、著者は断言します。睡眠不足では理解力が桁違いに落ちますし、記憶力に至ってはほぼ皆無になります。決して、睡眠を削ってはいけません。
著者自身もこれまでの人生で睡眠不足にならないよう、睡眠時間を死守してきたことが実力を向上させることができた一因だと言っています。
著者の睡眠不足防止は徹底しており、前日に睡眠時間が取れなかった時には、外回りをする合間に仮眠を取るなど、たとえ嘘をついてでも睡眠を確保したそうです。
“朝礼を終えたら独身寮に戻り、夕方まで爆睡していたことも、一度や二度ではなかった。”
本書の中では、こんなエピソードも紹介されていて、睡眠を守ることの大切さを強調しています。
もちろん、サボるためにこのようにしていたわけではありません。あくまでも、結果を出し組織に貢献するために必要なことだったということです。
そして、独立した今でも生活パターンは変わることがないそうです。
睡眠を人生の中心に据えている。
睡眠を人生の中心にすれば、人は向上できるし、結果として幸せにもなれるとすら言い切ります。勉強で成果を得るために、最も必要な努力は睡眠です。
あらゆる手段を使って、睡眠時間を確保しましょう!
5. 体を柔らかくすると頭も柔らかくなる
体の硬い人には頑固者が多く、体の柔らかい人は文字通り柔軟性がありアイデア豊富な人が多い。これは、著者が経営コンサル時代に上司から教わったことです。
そして、実際に出会った人に当てはめたところ、百発百中で当てはまっていたとのこと。驚いたことに、運動神経に関係なく体が柔らかい人には、融通の利く人ばかり。体の硬い人には、融通の利かない人ばかりだったのです。
この経験から、著者は“ストレッチをして、体を柔らかくした方がいいですよ”と、親身になってアドバイスすることもあるそうです。
全員が聞いてくれるわけではありませんでしたが、中にはそのアドバイスに従い自分の現状を変えようと習慣化した人たちも。
結果として、彼らの身体や表情が柔らかくなるのに比例して、その発言や発想も格段に柔らかくなっていったそうです。
「柔らかい / 硬い」ということについて、古代中国の老荘思想をもとに著者はこう解説します。
硬いということはそれだけ弱いということであり、死に近づいていることの証であるだから、人は年を重ねるごとに放っておくと体が硬くなるのだ。
柔らかいということはそれだけ強いということであり、生命力がみなぎっていることの証である。
だから赤子は皆体が柔らかいしアイデアがあふれ続ける。
頭脳明晰な人たちがいつまでも体が柔らかいのが、何事も柔軟性を持って考え行動するためだとすると、まず体を柔らかくすることから始めるのもアリですよね。
6. モチベーションの4段階
最後に、本書で紹介されているモチベーションの4段階のレベルを解説していきます。それぞれ掘り下げていきます。
どうしてもやりたい
まず1つ目の段階は、「どうしてもやりたい」です。学びでお金を稼ぐためにはエネルギーがいるため、どんな環境でも常に最高のモチベーションを維持する必要があります。
では、このモチベーションとは何なのでしょうか?
一例を出すと、痩せなくちゃと気合いの入った人はダイエットに失敗し、どうしても今年の夏はこの水着を着たいと静かに燃える人は、ダイエットに成功する傾向にあるそうです。
つまり何々しなくてはならないではなく、どうしてもやりたいというのが本物のモチベーションだということです。
これは、おそらく多くの人にとっても当てはまると思います。何々しなくてはならないの代表例は、勉強です。親や教師から勉強しろと口うるさく言われ、勉強しなくてはならないという思いを持った時、やる気は出たでしょうか?
どうしても〇〇高校に入りたい、どうしても〇〇大学に合格したいというように、自分から思った場合は何も言われずとも、自分から勉強したくなったことでしょう。
どうしてもやりたいと思えることを見つけることが、大切だということ。それさえ見つかれば、きっとそのための勉強も苦にならないはず。むしろ勉強そのものが楽しくあるはずです。
やらないと気持ちが悪い
どうしてもやりたいの1段階上が、やらないと気持ち悪いという感情です。
- ナンバーワンを獲得しないと気持ちが悪い
- 会社を上場させないと気持ちが悪い
- 東大に合格しないと気持ちが悪い
何かを成し遂げた人というのは、このようなこれをしないと気持ちが悪いという感情を持った人です。
成し遂げないと心が落ち着かないという気持ちは、言い換えればそれが天命であると心身ともに悟っていることの証拠かもしれません。
そしてやらないと気持ちが悪いという感情は、ささいなことからスタートし、次第にレベルが上がっていくもの。
著者は最初の頃、本を1冊だしておかないと気持ちが悪いと思っていたそうです。
そこで、いざ1冊の本を出してみると、レベルが上がりました。せめて3冊を出してから会社を辞めないと気持ちが悪いと思うようになったそうです。
そして3冊の本を出した後会社を辞めたのですが、そうすると次はできるだけ早く10万部のベストセラーを出さないと気持ちが悪いとなる。
14作目で20万部を超えるベストセラーを出すことができました。
著者自身がこれまで実現できたことはその規模に関係なく、できないと気持ちが悪いと感じたことばっかりだったそうです。やらないと気持ちが悪いという感情の中に、あなたの成功のヒントが隠されています。
気づいたらやっている
やらないと気持ちが悪いのさらに上のレベルが、気づいたらやっているです。一流の人は、この境地にいます。例えば、
- 数学者が、うっかり数学の問題を考えてしまった。
- 翻訳者が、うっかりまた英語で思考してしまった。
といった感じです。
きっとあなたにも気づいたら無意識レベルでやっていることというのがあるはずです。それは、些細なことかもしれません。
しかしそのスケールを、今気にしなくてもいいと著者は言います。毎日の生活を送る中で少しだけ意識をして、気づいたらやってしまっていることを、見つけてみましょう。
それを応用したり成長させたりすれば、成功のための頼もしい武器になるかもしれません。
例えば、
- 気づいたら妄想している人という人は、物語を作り出すことができる人
- 気づいたらを取っている人というのは、体を使って何かを表現できる人
といった具合です。これらの気づいたらというのは、些細なことでもいいですし、密かに罪悪感を抱いてしまうようなことでもいいんだと著者は言います。
大切なのは、善悪の基準ではなく体が勝手に動き出してしまうという事実です。プロは考えるより先に、体が動き出します。あなた自身の気づいたらやっている経験を振り返ってみましょう。
他人から指摘されるレベル
モチベーションの完成形は、他人から指摘されるようなレベルです。もちろんこれはサボるなとか、やる気がないよねというようなネガティブな指摘ではありません。
態度に表れる本気に周囲が気づいたり、恐れたりして、勝手に指摘されるのが本物のモチベーションです。著者自身の経験の中でも水準以上の結果を出せた際には、例外なく他人から本気のモチベーションを指摘されてきたそう。
- 大学入学直後にボディビル部の門をたたいた時、厳しいOBたちに一瞬で認められた
- 経営コンサルティング会社での転職の面接を受けた際、3年で辞めて100%独立し待つと伝えたとき上司に一瞬で認められた
- 独立後に出会った大手出版社とそのインタビュワーに、著者の本気度は一瞬で認められた
といった経験があったそうです。ビジネスでもスポーツでもアートでも、あらゆる分野において本物の世界では、自分がいかに本気で取り組んでいるかを饒舌に話すことはありません。
その人の本気度合いは、そのパフォーマンスにきちんと現れるからです。やる気に、言葉は不要です。周囲が怖がるほどに本気になれば、一流の証。勉強を重ねて、パフォーマンスの精度を向上させましょう。
今回の紹介は以上です。千田琢哉(せんだたくや)さんの書籍「勉強をお金に変える最強の法則50」の内容をもっと知りたいと思った方は、ぜひ手にとって読んでみてください。