【橘玲の思想】『言ってはいけない残酷すぎる真実』努力はあきらめたほうがいい?

people walking on sidewalk during daytime ハッとさせられる考え方・哲学


今回は橘玲(たちばな あきら)さんのベストセラー「言ってはいけない残酷すぎる真実」の紹介です。

橘さんは、世の中を冷静に捉え、歯に衣着せぬ物言いで私たちに有益な情報を教えてくれます。

この記事を読めば、遺伝という切り口で、残酷だけど知っておくべき真実を知ることができます。

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selective focus phot of artificial human skull

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1. 人は幸福になるようにデザインされていない


誰もが見たいものだけを見て、聞きたいものだけを聞く。

真実なんてどうでもよくて、耳触りのいい主義・主張だけを取り入れる。

しかし、世の中というのは本来、“残酷で理不尽”です。

woman touching her forehead


人は幸福になるために生きているように思えるけれど、幸福になるようにデザインされているわけではありません。

私たちはより長く生き残り、より多く遺伝子を残せるように“進化”しようとするだけです。

ダーウィンの進化論に始まった、現代の進化論は脳科学や行動遺伝学などの裏付けにより、こう主張します。

「人は進化によって、身体だけではなく“心”もデザインされてた。」

つまり私たちの喜びや悲しみ、愛情や憎しみはすべて進化の枠組みで獲得されたと説明できるのです。

この本は進化論という科学を用いて、世の中の様々なことについての残酷すぎる真実を、気分が悪くなるようなファクト(根拠)を示しながら説明しています。

橘さんは悪趣味で、こんなことを書いているわけではありません。

どんなに残酷であろうとファクトを認識することで、そこから正しい一歩が踏み出せるのです。

 

2. 努力は遺伝に勝てないのか


親から子へ、外見や性格が遺伝することは昔から知られています。

背の高い親の子が長身なのは当たり前で、せっかちな子が親に似たと言われるのも自然ですよね。

しかし、

「太った親の子は太り、親がメンヘラなら子供もメンヘラになる。」

と言われたらどうでしょう。納得できますか?

man using Android smartphone


これも、親の外見や性格が遺伝する一例ですよね。

ただし、同じ話でもネガティブな結果は、受け止め方に違いが生じます。

それは、私たちの社会に暗黙の規範(守るべきルール)があるからです。

例えば、スリムな女性は美しい、明るい子がすばらしいという規範です。

私たちはこの規範からの逸脱した個体、すなわち太っている女性や性格の暗い子供を遺伝子のせいにしてはいけないと無意識に考えています。

なぜなら体型や性格に遺伝の影響があっても、努力や環境によって乗り越えられるはずだから。

これは極めて残酷な話です。

woman standing in front of multicolored wall


痩せるべき、明るくなるべきという社会的・教育的圧力が、ネガティブな状況を遺伝のせいすることを許さないということです。

どれほど努力しても痩せられない女性や、明るくなれない子どもへの、“がんばればきっとなれるよ!”という励ましは、これ以上ないほどに彼らを深く傷つけます。

外見や性格が遺伝するのなら、たとえ一般的にネガティブであると考えられている外見や性格でも、努力が足りないからだとは言い切れないはずですよね。

 

3. 音楽才能の遺伝率は92%


外見や性格以上に遺伝のせいにしてはならない暗黙のルールの一つに、“知能”があります。

論理的推論能力の遺伝率は68%、一般知能すなわちIQの遺伝率は77%です。

(それ以外の割合は後天的な環境に依存します。)

要するに、頭の良し悪しの7〜8割は遺伝で説明できるということです。

どれほど努力しても、逆上がりできない子どももいるし、訓練によって音痴は矯正できないかもしれません。

遺伝の中で最も影響大きいのが音楽の才能で、その遺伝率はなんと92%。

person playing stringed instrument


それと同じように、どんなに頑張っても勉強できない子どももいるのです。

しかし、現代の学校や教育はそのような子どもの存在を認めません。

知能は環境によるもの、個人の努力によるものだから、勉強が出来ないのはあなたのせいだ言われます。

遺伝によって7〜8割決まっていて、生まれつきみんな知能はバラバラであるにも関わらず。

依存症も遺伝する、精神疾患も遺伝する、犯罪も遺伝する。

こう考えることが、本来当たり前なのです。

 

4. 能力は遺伝することを受け入れる


「いやいや、精神疾患や犯罪はさすがに言いすぎでしょ。」と思うかも知れませんね。

しかし、これらもかなりの確率で遺伝することが分かっています。

以上から導き出される結論は、基本的に努力は遺伝に勝てないということです。

この残酷の真実は、しっかり受け止めることでとても大きなメリットもあります。

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例えば、自分が遺伝的にアルコール依存症になりやすいということが分かっていれば、アルコールに手を出せないという選択を意識的に取ることができます。

依存症になりやすい人は、アルコールに手を伸ばすととても気持ちよくなってしまうので、一旦手を出すとなかなか抜け出すことができません。

自分が依存症になりやすいと分かっていれば、そもそも手を出さないという選択ができるわけです。

また、音楽才能の遺伝率が92%ということを考えると、自分は音楽の道を考え直すべきなのかなといった選択を早めに取ることもできます。

自分はメンタル疾患になりやすいと分かっていれば、あらかじめ周囲のサポートを受けたり、メンタル疾患にならないような生活習慣を事前に取り入れて予防したりすることもできるでしょう。

最近では、こうした遺伝的特性を簡単に調べられるサービスも出てきているので、一度受けてみるのもおすすめです。

能力は遺伝であるということを受け入れれば、事前に対策が打てます。

自分は何に向いていて、何に向いていないのかといった答えがあらかじめ分かり、それに従って良い選択をすることができます。

遺伝はあなたの可能性を狭めるものではありません。

あなたが得意な分野や逆に向いていない分野を見極め、時間・お金・労力の投資先を決めればよいだけです。

残酷ではありますが、誰も教えてくれないことを意識することで、上手く人生を歩んでみてはいかがでしょうか。

 

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