『30代が楽しくなる方法』要約(やりたいことがない、仕事や人生がつまらない時の楽しみ方)

man wearing headphones while looking at MacBook 日々を豊かに、丁寧に暮らすコツ

ほんの小さな機会にもリスペクトを持つことで、楽しむことができる

この記事では、中谷彰宏さんの書籍「30代が楽しくなる方法」を紹介します。本書は、

  • 30代の楽しみ方がわからない
  • 30代になるのが不安な20代以下
  • 30代の気分で楽しみたい40代以上

におすすめです。

本書では、人生論、ビジネスから恋愛、エッセイ、小説まで、多くのロングセラーやベストセラーを繰り出してきた著者が、主催する塾や全国での講演活動などを通して学んだ経験にも基づいて、30代を楽しく生きていくための63の方法について書かれています。

30代は意識しなければ何もせず終わってしまう。30代は失敗できる最後の時期である。そんな風にプレッシャーに感じている方に、ぜひ読んでいただきたいです!

 

1. 楽しんでいる大人を知る・見る・出会う

man and woman sitting on green grass field holding brown bear plush toy during daytime

 

まずは、楽しんでいる大人を知る・見る・出会うについて、3つのポイントを解説します。

30代で大人になる人と、おじさんおばさんになる人に分かれる

30代は下からは老けていると言われ、上からは子供と言われるなかなか難しい位置づけの年齢です。

30代の10年は長いように感じますが、ぼんやりしているとあっという間に過ぎてしまいます。なぜかというと、何もしなくても不具合が発生しないから。20代では何もしなければクビになりますが、30代では何もしなくてもクビにならず、給料もきちんと出ます。

このように、何もしないままでも歳だけ重ねていき、誰からも非難されないのが、30代の怖さだと著者は言います。30代は失われた10年になるリスクが高いです。10年経ち、40代になって初めて、自分は何もしていなかったと気づくことになり、時既に遅しということになってしまいます。

歳を重ねるごとに、どんどんカッコよくなる大人になるのか、30代で早く枯れ落ちたおじさんおばさんになってしまうのか。そのターニングポイントが、30代で何をするかで決まると著者は考えています。

 

大人に反発せず大人から学ぶ

楽しめない人は、楽しんでいる大人が嫌いです。

自分がうまくいっていないとき、うまくいっている人に対して快く思わないこともありますよね。そのように大人に反発心を持った時点で、その人は大人になることを拒否し、子供を繰り返してしまうのだと著者は言います。

すると、年齢は30歳のまま、精神年齢が赤ちゃんという現象が起こってしまう。赤ちゃんは自らは何もせず、納得がいかなければただ泣いて不満をぶつけるだけです。

このように、大人に反発を持っている人は、人生を楽しむのは難しいものです。では楽しむためにはどうすれば良のか。それは、楽しんでいる人をリスペクトして学んでいけばいいと著者は言います。憧れに対して素直になることが、リスペクトにつながります。

しかし、リスペクトと反発は紙一重。憧れを素直に生きられないと、リスペクトはすぐ真逆の反発に変わってしまいます。人を素直にリスペクトするという行為はなかなか難しいです。そこで著者は、リスペクトとはその人の人生に対してするものだと主張します。20代まではその人の能力そのものをリスペクトしますが、30代からはその技術を手に入れるまでの幾多の失敗に対してリスペクトします。

例えば、アマチュアボウラーで上手い人はたくさんいますが、その中に髪型からどう見ても銀行員だと分かる方がいたら、どうでしょう?

その人は残業断り、銀行員としての人生を捨ててでも、ボウリングにかけてきたからこそ、ここまでうまくなったのだという背景が読み取れます。このように、表面上の成果に対してリスペクトするのではなく、氷山の下の見えない部分を見抜いてリスペクトすることが大人になるということです。

 

仲間から自信をもらう

自信を手に入れる方法として本書では、

  • 自分が頑張る
  • 先生から与えられる
  • 仲間からもらう

の3つの方法が挙げられており、その中でも3つ目の仲間からもらう自信が大きいと著者は言います。

自分と同じレベルだと思っていた仲間が、あるとき自分で会社を作ったり本を出したりと何か結果を出すことがあります。その時、あの人が本を書けるのか、会社を作れるのかと思った瞬間に、あいつにできるなら自分にもと思うようになるのが、仲間からもらう自信です。

自信とは自分もやってみようかなと思うこと。自信がついたけど、なかなか行動につながらないのでは、自信とは言いません。自信がつくと一発やってみるかという気持ちが湧いてくるものです。自分一人だけが頑張るのではなく、勉強し成長し人生を楽しもうとしている。仲間から自信をもらいましょう。

 

2. リスペクトを持つと味わい尽くせる

person standing behind green leafed plants

 

ここからは、リスペクトを持つと味わい尽くせるについて、本書から3つのポイントを解説します。

リスペクトをすると明るくなる

リスペクトする存在がいると、あの人はかっこいいな、自分も早くああいう風になりたいと思うようになります。こう思っている人は、自分の未来を見ることで思い描いて、未来から光をもらっているので、目が輝き明るくなるのだと著者は言います。

間違えやすいのは、リスペクトとただの好きを勘違いしてしまうこと。

一見、ただ好きなだけでも明るくなるように思えますが、好きなだけでは自分の人生が変わるということはないため、実際はリスペクトを持っている人の方が明るくなるのだと著者は言います。

ただの好きで終わるのではなく、リスペクトを持てるかどうかが分かれ目です。

 

ワクワクはリスペクトから生まれる

書道の先生に対してリスペクトのある人は、先生の書いているところから目を離しません。逆に先生にお手本を書いてもらっている間、1人で練習をしているようでは、先生の字だけをリスペクトしていることなのだそう。

一番大切なのは、先生の筆の動き、体の動き、呼吸リズム感を見ること。なぜなら、書いた字はいつでも見られるからです。このように、リスペクトしている人から目を離さないことが、ワクワクを生むのだと著者は言います。

また、思考回路をたどることが、リスペクトだとも著者は言います。例えば、サッカーの試合を見ていて何やってるんだよ、下手くそ!と言ってしまうのは、リスペクトがないから。

リスペクトがあると、普通はあのポストは怖くて狙えないけど、そういうところを狙うんだよな…という見えないところまでが味わうことができます。職人やトップアスリートなど、いわゆるプロの方々は我々には理解不能なところまで行っているのです。

リスペクトがあれば結果だけを見るのではなく、思考回路をたどることでより味わい尽くすことができます。

 

機会をリスペクトする

リスペクトは、機会にもあると著者は言います。著者のスクールには、ファシリテーターという役割の人がいるのですが、この方々は授業の最初の1分に授業の受け方などを生徒にアドバイスするのだそうです。

本書では、とあるファシリテーターの話が例として記されています。ファシリテーターである彼は、最初の頃は1分で話すことを事前にきちんと準備していましたが、だんだんとおざなりな雑談や挨拶に変わってしまったそうです。

これは、人前で話すという機会に対するリスペクトがないからこそだと著者は厳しく言います。機会(チャンス)からしなくてはいけないことになった時点で、リスペクトはなくなってしまいます。

アメリカ人はスピーチがうまくまるで雑談のように話すとよく言われますが、これはアメリカでは人前で話すことは極めて貴重な時間であるという教育を受けており、人前で話す時間をリスペクトしているからだと著者は言います。

リスペクトがあるからこそ、アメリカのビジネスマンは、みんなスピーチの練習をしています。稀なものに対しては、誰もが貴重だと分かりやすいですが、日常的なルーティーンには、どうしてもリスペクトが希薄になりがちです。

 

そこで著者はファシリテーターがおざなりの挨拶をただ義務のつもりなら、次からしなくていいと厳しく言うそうです。また、無料のものも希薄になりやすいです。

対して著者は、パーティーを知らせる人には来賓の祝辞をする人からは、スピーチ1分につき10万円を取るといいとアドバイスをします。パーティーの主催者は、長々とスピーチする人に苦労しているためそういった人たちのグダグダ話で大勢の時間は奪わないようにするためだそうです。

むしろ、このような仕組みであれば話が長ければ長いほど稼げるため、聞いている人たちに還元できますし、貴重さも生まれます。それが機会をリスペクトすることにもつながります。

 

3. 自分の成長を楽しむ

woman climbing on brown concrete stairs

 

最後に、自分の成長を楽しむことについて、本書から3つのポイントを解説します。

無駄遣いをする

20代ではお金がなく40代では家族や他のところでお金がかかるので、30代でしか無駄遣いはできません。著者はバブルという国全体の無駄遣いを体験できたことが、一生の財産になっていると本書で言っています。

これによって、いいものにはお金がかかるという体験ができ、お金の高と楽しみは別の議題だということが学べたそうです。バブルが弾け、モノが安くなった時は、なぜあの頃これがあんな値段もしたのか、今それがこんなに安く手に入るなんて信じられないと感じたそうですが、こうした本物の体験をしたことで、偽物と本物の区別がわかるようになりました。

投資には、目に見えるリターンのある投資というものがありますが、無駄遣も何かが学べるという意味で投資だと著者は考えています。これはあまり意味がなかったな、やっぱりいいものはいいよね、と分かることが学びになります。30代のうちに思い切って無駄遣いをして学びましょう。

 

頑張っている人に気づく

本当に大切なことは見えないところで起こっているので、見えているところだけで判断しない方がいいと著者は言います。

頑張っているのに結果が出ていない人や、出ている結果とは全く別のところで、まだ結果が出ていないことを頑張っている人たちが世の中には大勢いるからです。頑張っていない人は、こうした他の人が頑張っているところが見えません。

しかし、頑張っている人は頑張っている人が見えます。そうすると、自分が頑張っている、他の人が頑張っているところが見える、自分もまた頑張りたくなる、という正のスパイラルに入ることができます。

あの人は頑張っているなと思うと、よし自分も何かできることはないか頑張ろうという気持ちが湧いてくるものです。モチベーションは若そうと思っても、なかなか湧いてくるものではないですよね。頑張っている人が目に入ることで、モチベーションが自然に湧いてくるはずです。

そのためには、頑張っている人に気づくことも重要です。20代の頃には差がつかなくとも、30代になると同世代の中でも差がついてきます。その時に、あいつは運がいいから運のせいにするのは厳禁です。

見てないところでしていることを見る力をつけることが、30代では必要です。運がいい人と悪い人という2種類ではなく、頑張っている人と頑張っていない人という2種類だということに気づきましょう。

頑張っていない人は頑張っていない人ばかりを見て、ほらね頑張っていないでしょうと、ばかりで頑張っている人が目に入らなくなってしまいます。見えないところで頑張っている人間は、世の中にたくさんいるということに気づくことが大切です。

 

30代はやりすぎよう!

先にもあげましたが、30代はなんとなく生きていても不自由のない年齢です。しかし、30代を楽しんだ人と楽しめなかった人と、将来を楽しむための種をまいた人と巻かなかった人で、後々の差がどんどん広がっていきます。

そのために、ここで一番しなければならないことは、勉強と体験だと著者は言います。30代は過剰でいいのです。普通になる途中でやめておくことをやりすぎても、まだリカバーできるのが30代です。やりすぎておかないと得られないものがたくさんあります。

やってもやっても仕事がなくならない、次から次へと開けてもくれても仕事があるという明け暮れ感、出過ぎていくくらいでよくのんびりするのはNGだと著者は言います。また、良い体験やうまくいった体験だけではなくマイナスの体験も必要です。

むしろ30代のうちにうまくいかない体験や失敗をどれだけしたかで後の人生がもっと楽しくなるのだそう。仏教の生みの親であるブッダでさえ失敗だらけの人です。こう思ったけど、うまくいかなかったという失敗の連続で、決して若いうちから誘っていたわけではありません。

むしろ失敗ばかりを繰り返しているからこそ、なんかあの人と話したいよねという形で人が集まってきて人気者になり、仏教は生まれました。30代ではやりすぎて七転罵倒することを楽しみましょう!

 

今回紹介した、中谷彰宏さんの書籍「30代が楽しくなる方法」については、考え方が尖っている部分もあり、賛否両論あると思います。他にも紹介できていない部分が多いおすすめ本ですので、ぜひ手にとって読んでみてください!

 

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