『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』要約(錯覚資産が成功へ導く)

ハッとさせられる考え方・哲学


ビジネスで成功するために必要なのは“実力”なのか?

この記事では、そんな素朴な疑問に答える書籍「人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」を紹介します。

著者のふろむださんは、延べ数百万人に読まれたブログ「分裂勘違い君劇場」でモンスターブロガーと称され、リアルでは複数の企業を経営する敏腕オーナーです。

頑張っているのに、なぜか上手くいないというビジネスパーソンの切実な悩みを一刀両断

成功に必要なのは運か実力か、さっそく内容をみていきましょう!

 

1. 成功は運や実力で決まらない

low-angle photography of man in the middle of buidligns


いきなりですが、質問です。

みなさんがイメージする世の中一般的な“成功”を手にするには、何が必要だと思いますか?

運や実力ではありません。

答えは本書のタイトルのとおり、ずばり“勘違いさせる力”です。

勘違いさせる力とはどんな力でしょうか?

それが、著者が考案した「錯覚資産」と呼ばれるものです。

錯覚資産とは、周りの人々が自分に対して持っている都合のいい思考の錯覚のことをいいます。

この錯覚は一種の資産として機能するため、こう名付けられました。

なぜ成功には、この錯覚資産が必要なのか。

その理由は、思考の錯覚にあります。

  • 売上を半期で73%アップさせました。
  • 月間300万ページビューのブロガーです。
  • あの有名なベストセラー本を手がけた編集者です。


など、成功の表現は様々ですが、実はこれらが本人の実力ではないことも多いです。

本当は上司や同僚、顧客のおかげで達成できた実績…

にもかかわらず本人の実力として捉えられてしまうのです。

また思考の錯覚は、掛け算的に増えたり、福利的に増えたりするのが特徴。

錯覚資産は使い方次第で、その差は大きくも小さくもなります。

 

2. 成功にはトリックがある

two people shaking hands


信用とは、実力と人柄を周囲に認められること。

信用のある人は尊敬を集め、尊敬できる人間だから結果として成功するのだから、信用は成功には不可欠と言われます。

しかし、実は信用と呼ばれる大部分は、先ほどの錯覚資産なのです。

錯覚資産の大きい人は、尊敬できる人ということでしょうか。

答えは、NO。

著者は錯覚資産を“人の判断を誤らせる空虚なハリボテ”と表現しており、このハリボテに信用というラベルを貼り、尊敬に値するものにしていると言います。

つまり、トリックによる成功であり、思考の錯覚の魔力がここにあります。

なぜ信用を錯覚させることができるのかは、ハロー効果を例に説明できます。

ハロー効果とは、認知バイアスの一つ。

ファスト&スローの要約でも紹介しましたが、何か一点が優れていると何もかもが優れて見えてしまう錯覚のことです。

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この誤認によって、客観的事実よりも主観の印象が正しいと信じてしまい、錯覚だとしても事実だと思ってしまうのです。

著者は成功するにはこの力を利用して、成功の錯覚資産を増やし、人生の活路を切り開く必要があると言います。

まさに魔法、トリックの世界ですね。

 

3. 成功・錯覚資産の両方を手にしたければ確変を狙う

multicolored slot machine close-up photography


成功するためには錯覚資産が必要で、錯覚資産を手に入れるには成功してハロー効果を使う必要があるという矛盾したことを言ってきました。

ここからは、まずどうやって錯覚資産を増やすのかを説明していきます。

その方法は、確変を狙うことです。

確変とは確率変動のことで、パチンコの玉が特定の場所に入ると一定期間当たる確率が急上昇すること。

成功したければ初めは小さな確変狙いで、当たる確率が高いときに全力で投資することです。

具体的にはハロー効果が得られそうな仕事(箔が付く、功績が認めれらるなど)を数多く手をつけ、チャレンジを続けます。

そして確変が起こるまで続け、ある仕事で確変が起こったら全力を出す。

そこから得られた成功のハロー効果を使い、さらにより環境を手に入れる。

錯覚資産を手に入れて成功するには、小さなハロー効果をテコに、もう少し大きなハロー効果を手に入れていく“わらしべ長者”のような戦略が有効となるのです。

 

4. 成功をするには、奴隷から主人になる

people harvesting crops painting


ここで注意すべきは、自らが思考の錯覚に陥らないことです。

成功している人の共通点として、高学歴が挙げられます。

高学歴の人に成功者が多いといわれますが、実は彼らは高学歴で優秀だから成功したのではなく、高学歴というハロー効果によって成功したとも言えるのです。

多くの人は相手の実力を見抜いて判断しているのではなく、思考の錯覚によって無意識のうちに学歴で人を判断しています。

しかし、人は自分が学歴で判断しているということを認めたくありません。

なぜなら、実力や価値が見抜けない不公平な人間と思われるからです。

無意識に学歴で判断していることと、学歴で判断してはいけない矛盾を解消しようとし、学歴なんて意味がないと言ってしまう。

これを専門用語で認知的不協和といい、人は矛盾を解消しようとその差を勝手に埋めようとします

このあまのじゃく的な性質を利用して、成功を目指しましょう!と著者は言います。

注目すべきは、この“肩書き”の性質です。

今の自分の状態は実力も何もない自分であったとしても、立派な肩書を作ってしまうことで、その矛盾を無意識に埋めてもらいます。

この力に気づいて利用することで、錯覚してしまう思考の奴隷から主人になることができるのです。

 

5. 思考の錯覚は「脳の過剰性」が引き起こす

man sitting on chair while using laptop on his lap near sofa inside room


最後は、なぜ思考の錯覚が起こるのか、そのメカニズムについてまとめていきます。

  • ハロー効果
  • 利用可能性ヒューリスティック
  • 認知的不協和

などの認知バイアスがあるのですが、これらは「脳の過剰性」が引き起こします。

脳の過剰性とは、一貫性・原因・結論の3つに分けられます。

一貫性

過剰に一貫性を求めることを指します。

一貫していないことが深いと感じたり、一貫していないものを真実だと思ったりと、人は事実や記憶までも変えて一貫させようとします。

原因

過剰に原因を求めることを指します。

単に偶然の結果に過ぎないことでさえ無理やり原因を見つけてしまいます。

人は犯人がいないのに犯人をでっち上げたり、原因を確定するデータが不十分でも原因を追究してしまったりするのです。

結論

過剰に結論を急ぐことを指します。

結論を出すのに必要なデータが揃っていなくても、無理やり結論を出してしまう性質のことです。

 

人は結論を出すのに時間がかかりそうな問題は、すぐに結論が出せる問題に置き換えてまで結論を出してしまいます。

この3つの過剰性が、さまざまな認知バイアスを生み出しているのです。

成功には勘違いによる錯覚資産をテコに“わらしべ長者”的に高めていくことだと解説してきました。

本書の方法論には賛否あるかと思いますが、成功者 = 尊敬すべき人という短絡的な考えを見直すきっかけになると思います。

より詳しく知りたい方は、ぜひ本書を手にとってみてください。

 

 

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