収入源の多角化が大切!『パラレルインカムの始め方』要約(FIREの欠点と克服法も解説)

woman sits on brown wooden beach chair 日々を豊かに、丁寧に暮らすコツ

 

お金に困らない生活をしたいと思いますか?

この記事では、泉正人さんの「パラレルインカムの始め方 私たちの新しいお金と生き方の選択肢」という本を紹介します。本書は、

  • 経済的自由を手に入れたい
  • 人生を豊かにしたい

という方におすすめです。少し前は、経済的自由を得て早期リタイアをするFIRE(ファイヤー)という生き方が注目を集めました。

しかし著者は、本当に早期リタイアをゴールにして良いのかと疑問を投げかけます。そして、パラレルインカムという、早期リタイアすることよりも幸せで自由な生き方を提案しています。それでは早速中身をみていきましょう!

 

1. パラレルインカムとは

pink flamingo swim ring on body of water in summer

 

まずは、パラレルインカムとはについて、本書から2つのポイントをピックアップして解説していきます。

お金のなる木を2本持つ

  • お金の心配をせずにやりたいことをやっていきたい
  • 家族と過ごす時間を大切にしたい
  • 好きな場所で暮らしたい一緒にいて楽しい
  • 人たちに囲まれながら過ごしたい

多くの人がきっとこんな願望を持っていると思います。著者は、これらの願望をパラレルインカムというライフスタイルで叶えることができるといいます。

パラレルインカムとは、著者が代表を務めるファイナンシャルアカデミーが考案したオリジナルのメソッド。日本語では“所得の複線化”に直訳できます。

ただし、所得の複線化といっても、昼間は会社で働き夜はアルバイトをしてお金を稼ぐといいうことではありません。自ら労働することによって得られる労働所得と並行して、働かなくても定期的に自動で資産所得を得るという意味で、“パラレルインカム”という言葉を使っています。

例えるなら、お金のなる木を2本持つようなものです。私たちがすでに持っている大きな木である労働所得にプラスして、小さな苗木の資産所得を徐々に育ててく。2本持つことでお金に縛られず、自由な人生をデザインすることを目指すのが、パラレルインカムです

 

パラレルインカムとFIREの違い

所得を増やすというと、汗水流して一生懸命働くイメージが強いかもしれませんが、先に述べたとおり、パラレルインカムでは資産から所得を得る方法を使い、経済的自由の実現を目指します。

本書でいう経済的自由とは、生活費よりも資産所得が大きい状態のこと。何をしなくても生活に必要な以上のお金が、不労所得により入ってくる状態です。そう聞くと、FIRE(ファイヤー)という言葉を思い浮かべる方もいると思います。

FIREは、”フィナンシャル・インディペンデンス・リタイア・アーリー”の略語。運用資金を貯蓄で作り、株式投資を主とした資産運用で生活費を賄えるようにし、早期リタイアを目指すという若者の間で流行っているムーブメントです。

 

パラレルインカムもFIREも、何もしなくても生活できるお金を得ているという意味では似ていますが、パラレルインカムは、FIREよりも少し先にあるゴールを目指すようなイメージだと著者は言います。

FIREは経済的自立による早期リタイアであり、リタイアをして仕事から解放された状態をゴールとしています。それを実現した時に得られるのは、時間の自由。要するに決まった時間に会社に通勤する必要もなく、あくせく働く必要がないということです。

忙しく働いていると、早期リタイヤりてのんびり過ごしたい、解放されたいそういった思いが強くなりますよね。ただし、実際にFIREした人の多くは自由な時間を持て余し、退屈しているのも事実です。

 

FIREは3週間しか続かない

仮に早期リタイアして、何の縛りもない自然豊かな場所に行ったとしましょう。最初は景色の素晴らしさや海の美しさに感動します。日頃の疲れを癒しビーチで泳いだり、ボーっとしたり、散歩をしたり。そんな生活が1ヶ月続いたらどうですか?

さすがに退屈してくるのではないでしょうか。中には1週間で自宅に戻りたくなる人もいるかもしれません。FIREした生活は、平均して3週間ほどしか持たず、何か始めたくなると言われています。極端に言えば、単調で起伏のない生活を20〜30年も続くと想像してください。それはそれで、地獄かもしれません。

 

また、自由気ままに過ごせると言っても、実は質素な生活しか送れないという問題もあります。FIREの場合、決まった時間の仕事から解放される代わりに、多少の我慢は必要という暗黙の了解があります。

収入目標で言うと、FIREは年間400万円の不労所得をベースにしていると著者は言います。日本人の給与所得者の一人当たりの平均給与は433万円。つまり400万円は平均よりも低い金額です。

人によっては、それでも不自由がないかもしれませんが、扶養家族がいたり、社会保険料を全額自分で負担したりしなければならないことを考えると、決して金銭的にゆとりのある生活ができないでしょう。

例えば、45歳で早期リタイアに成功したとして、人生100年時代の残り50年以上を生きていく必要があります。50年も質素な生活を送っていくことが、本当に幸せなのかどうかということは一度じっくり考えてみる必要がありそうです。

 

2. パラレルインカムで手に入る自由

 

ここからは、パラレルインカムをより深堀りするために、パラレルインカムで手に入る自由について、2つのポイントを解説していきます。

お金の自由

経済的自由とは、いま使っている生活費よりも、資産から得た所得の方が上回っている状態のことです。ただし、経済的自由の状態は、生活費には困らない程度の不労所得はあるが、何でも自由にお金を使えるという状態ではありません。普段の生活費を超える贅沢な支出をすると、不労所得の額を生活費が上回ってしまうなんてことも。

まず押さえるべきは、何かをしたい、何かを買いたいと思った時に、お金が理由で諦めなくてもいい状態、お金の自由がある状態ではないということです。

 

パラレルインカムが理想とするライフスタイルは、仕事からの労働収入がある状態でいながらも、2本目の収入として資産所得だけでも生活ができる状態を指します。

例えば、給与などで月50万円の労働所得を得て、月40万円の支出で生活をしているなら、その状態でパラレルインカム(生活費を賄う2本目の所得)を達成すルコとは、月40万円以上の資産所得がある状態を指します。

労働所得と資産所得の2つで90万円の所得があり、その上で支出が月40万円となるので、50万円ずつ毎月貯蓄できる余裕がある状態です。労働収入に加えて、資産所得もある状態というのが大きなポイントです。

 

典型的なFIREでは、仕事を辞めて資産所得のみで生活をすることになるので、支出を切り詰めた生活になってしまいますが、パラレルインカムでは、労働所得と資産所得のパラレルで収入を作っているので、経済的にかなり余裕のある状態になります。

毎月50万円もの贅沢な支出を繰り返す必要はありませんが、例えば、お金最優先で行き先を決めたり、お金の面から制限したりする必要がなくなり、行きたいところに旅行できるといった経済状態を作れます。

つまり、お金の制限がないことで、お金の制限なく自分にとって最善の選択ができるようになる。これが、お金の自由です。

 

時間の自由

次に、時間の自由についてです。時間の自由とは、365日24時間、自分が使いたいように時間を使える状態のこと。これが手に入れば、自分の以外に邪魔されることなく、自分が設定した優先順位に従って時間を使えるようになります。

私たちは普段時間がないことを理由に、色々なことを諦めてしまっています。半年間の休みを取って世界旅行をしたいと思っても、会社の仕事を考えるととても難しそうだから、のんびり長期の旅行をするならリタイアした後と思い込んでいます。

しかし、時間の自由を手にしていれば、いつどれだけ休みを取っても自由です。好きな時に好きな期間だけ、旅行に行くことができます。他にも、時間がかかる趣味に、腰を据えて没頭するのもいいでしょう。

子供の頃から憧れていたバイオリン教室に通い始め、毎日教室に通い徹底的に技術を習得することもできます。育児、親の介護などの人生の重要なライフイベントについても、時間を自由に使うことができれば、不満を抱えることも少なくなります。

 

3. パラレルインカム実現までのステップ

white and red wooden house beside grey framed magnifying glass

 

最後に、パラレルインカム実現までのステップについて、2つのポイントを解説していきます。

資産所得を作る

パラレルインカムを実現するステップは、次の4つに分かれます。

  1. 労働所得を増やす
  2. 資産構築をする
  3. 資産所得を作る
  4. 仕事でも自己実現を達成する

 

本書ではそれぞれのステップが詳しく説明されていますが、今回はステップ3の資産所得を作るという点に絞って解説します。資産から得る収入には、キャピタルゲインとインカムゲインがあります。

キャピタルゲインとは保有している資産価格の変動によって得られる収入。常に売買を繰り返していないと増えないものです。

例えば、株式投資であれば、売買を繰り返す短期トレードやFXがあります。頑張って水汲みを繰り返しているイメージに近いです。

 

対してインカムゲインは、ある程度の期間資産を保有することで、安定的継続的に受け取ることができる収入を指します。これは、蛇口をひねれば自動的に水が溜まっていく、水道のイメージです。

資産を形成していく際には、キャピタルゲインが重要ですが、最終的にはインカムゲインへと移行していき、水汲みをしなくとも収入が入ってくる状態を目指していきます。

 

なぜ不動産が適しているのか

インカムゲインを得るために、本書では不動産投資が推奨されています。不動産投資は、人に貸すための投資用の物件を購入し、それを人に貸して家賃収入を得るというもの。世の中を巡っているお金のうち、資産が働く場所というものは大きく分けて5つあります。

それは株、不動産、債権、商品、為替の5つです。この5つをそれぞれ島に例えると、お金が5つの島の間を金融商品という乗り物に乗ってぐるぐると巡っているようなイメージです。

 

それぞれの島について、株の場合キャピタルゲインは売買益であり、インカムゲインは配当に当たります。不動産で言うと、不動産のキャピタルゲインは売買益であり、インカムゲインは家賃収入。債券もキャピタルゲインは売買益であり、インカムゲインは利子です。

商品のキャピタルゲインは売買益、インカムゲインは特にありません。最後に為替の場合、キャピタルゲインは為替差益で、インカムゲインにはスワップ金利があります。

 

このうち不動産投資が最も資産所得を作るのに適している理由は、家賃収入というインカムゲインがあり、なおかつ元本が急に大きく目減りする危険性が低いからです。

同じように、配当金というインカムゲインが得られる株も候補として考えられますが、こちらは日々の値段の上下があります。不況が来れば値段が急落したり、会社が倒産してしまえば価値がなくなってしまったりすることもあります。

 

一方不動産の場合、買った翌日に価値が1/2になるという状況は考えにくいです。そのため、著者はインカムゲインを継続して得続けるために、不動産を押しています。

ただし、個人的な感触としては、不動産会社が個人向けに投資として出しているワンルームマンションなどは、リスクのある商品を個人に押し付けて分散させているものもあるので注意ですし、株もインデックスなど株式市場に連動するものであれば、長期的に増える確率も高いのでおすすめです。

今回紹介した、泉正人さんの「パラレルインカムの始め方 私たちの新しいお金と生き方の選択肢」について、まだまだ紹介できていない部分が多いです。もっと詳しく知りたいと思った方は、ぜひ本書を手にとって読んでみてください!

 

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