あ、これはいいかも!と思ったものをいくつかぜひ見つけてみてください。そこに元気になる秘訣があると思います。
この記事では、堀田秀吾さんの書籍「誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ」を紹介します。
本書は、
- 元気を出す方法を知りたい
- 科学的に効果があると認められている方法を知りたい
という方におすすめです。
「元気ですか?」と聞かれて、「はい元気です!」と自信を持って即答できますか?
著者自身が大学で様々な学生を見て感じることは、みんな全然元気がないということなのだそうです。これはきっと社会人の方も同じでしょう。
本書はそんな元気のない方のために元気になるためのノウハウを教えてくれます。
それではさっそく、中身をみていきましょう!
1. とにかく始める
私たちは日々、仕事の資料作成やメールの返信、資格試験の勉強、家事など、やらなければならないことに直面しています。しかし、これらのタスクに取り組む気が起きないことがよくあること。
例えば、テスト勉強をしなければならないのに、気が逸れて部屋の掃除をしてしまうような経験は、多くの人が共感できるのではないでしょうか?
「やる気スイッチ」の真実
このような現象には、実は科学的な根拠があります。よく言われる「やる気スイッチ」は、実際に存在するのです。
このスイッチを入れる最良の方法は、単純に「行動を始める」ことにあります。
多くの人は始めるくらい簡単だと思うかもしれませんが、人間の脳は行動を開始しないと、集中力を発揮できないようにプログラムされています。
例えば、勉強しなければならない場合、机に向かって教科書を開き、ノートに書き込みを始めることから始めます。
資料作成が必要なら、作業するアプリケーションを開いて打ち込みを開始します。
このように、行動を開始することで、徐々にタスクに没頭していくのです。
心理学と脳科学の発見
これまで、人は何かをする際には、まず頭で考え、その後に脳が命令を出して行動すると考えられてきました。
しかし、心理学や脳科学の分野では、人は「行動してから考える」というのが常識になりつつあります。
例えば、じゃんけんをする際を考えてみましょう。
チョキを出すと決めたとき、実は心がチョキを出そうと意識するよりも先に、脳からの筋肉への命令が出されています。
そして、体がチョキを出す動きを始めた後に、心が「チョキを出すぞ」と考え始めるのです。
行動の優位性
脳の動きを測定すると、この順序が明確になります。
アメリカの生理学者リベットらによる実験では、動作を行う準備のための信号が、動作を行う意識の信号よりも、350ミリ秒早かったことが明らかにされています。
これは、考える心よりも実際の動作が脳に与える影響が強いことを意味しています。
2. 笑顔の力
感情が沈んだ時、元気がない、落ち込んでいる、怒りや悲しみを感じている時には、笑顔を作ってみることをオススメします。
一般的に、人は楽しい時や幸せを感じる時に笑顔になりますが、実はその逆の、笑顔を作ること自体が、楽しさや幸せを感じさせる効果があります。
脳は「笑顔=楽しい、幸せ」と認識しており、笑顔を作ることで幸せな気分を引き出すことができます。
この事実は、世界中で行われた実験によって証明されています。
例えば、マンハイム大学のストラックらによるフェルトペン実験があります。この実験では、被験者を3つのグループに分け、それぞれに異なる方法でフェルトペンを口に加えさせました。
1つ目のグループはストローを吸うように唇を丸め、2つ目のグループは上下の前歯でペンを挟み、3つ目のグループは普通に手で持ちました。
これらの被験者に漫画を読ませたところ、2番目のグループが最も漫画を面白く感じたという結果になりました。
この実験は、笑顔が楽しい気分を増幅させる効果を示しています。
ストレス軽減の効果
さらに、笑顔はストレス軽減にも大きな効果を持っています。
カンザス大学のクラフトとプレスマンによる実験では、被験者に様々な方法でペンを口に加えさせ、ストレスのかかる作業を行わせました。
この実験では、笑顔のようにペンを加えた被験者の心拍数や感じるストレスが最も低かったという結果が出ました。
楽しくなくても笑顔になれる人は、無表情な人よりもお得な人生を送れるのです。
3. 背筋を伸ばす
人生には、面接や重要な打ち合わせ、商談など、重要な場面が訪れます。そんな大切な時に印象を良くするためには、どのような姿勢を取るべきでしょうか?
ハーバード大学の研究者による実験が、その答えを示しています。
この実験では、被験者を堂々とした姿勢を取るグループと縮こまった姿勢を取るグループに分け、1分間その姿勢を維持させた後、模擬就職面接を行いました。
結果として、面接前に堂々とした姿勢を取った人たちのパフォーマンスや雇用の可能性の評価が高く、彼ら自身の自己評価も高まったということがわかりました。
姿勢の変化がもたらす影響
重要なのは、面接時に良い姿勢を取ることだけでなく、直前に堂々とした姿勢を取ることにも効果があるという点です。
重要な場面に臨む前に、トイレなどで数分間背筋を伸ばすだけでも、その後のパフォーマンスに良い影響を与えることができます。
もちろん、本番でもしっかりと背筋を伸ばし、胸を張って堂々と挑むことが最も良いです。
背筋が伸びている人は、美しく、覇気があるように見えます。
姿勢は、自信と力強さを相手に伝えることができ、ポジティブな印象を与えることができるのです。
4. メンタルコンストラクティング
イエール大学の研究チームがアメリカの陸軍士官学校の生徒を対象に行った研究によると、自分のやりたいことに対して「教養のため」「人類のため」「出世のため」といった外発的な理由付けをする人ほど、長期的には結果が悪くなる傾向があることが明らかになりました。
これに対して、自分のやりたいことと好きなことが一致している場合、より良い結果が得られることが分かりました。
動機付けの種類
動機付けには「外発的動機付け」と「内発的動機付け」の二種類があります。
外発的動機付けは「国のため」といった外部からの理由に基づくもので、内発的動機付けは「好きだからやる」という自発的なものです。
例えば、アリを観察することが好きな受験生が、勉強をする動機付けをどのように見つけるかが問題です。
彼らは「アリを研究したいから勉強する」という内発的な動機付けを見つけることができるかもしれません。
途上国のためになることをした人は、途上国へ支援に行ったり、NGOへ入ることで直接貢献する道もありますが、自分の今いる環境や得意分野を活かして支援するという方法もあります。
重要なことは、できるだけ多面的に物事を見て取り組むことです。
メンタルコンストラクティングの効果
ニューヨーク大学の研究によると、目標達成のための障害を克服できると分かれば、人は元気が出ますが、克服できないと元気がなくなります。
この研究では、メンタルコンストラクティングという方法が提案されています。
これは、実現したい未来と現在の障害を比較し、実現可能性が高い目標を選んで実現していくことで、元気、時間、注意力を無駄なく配分し、目標達成率を高めるという考え方です。
大切なことは、「いつか好きなことをしたい」というモチベーションを持ちつつ、目の前のできることをコツコツとこなしていくこと。
このバランスが取れることで、モチベーションと元気を維持し、結果としてより大きな目標を達成できるようになります。
今回紹介した、堀田秀吾さんの書籍「誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ」について、その他のコツなど詳しく知りたい方は、ぜほ本書を手にとってみてください!