土日が明けても月曜日から何だか身体がだるい…と日々感じていませんか?
この記事では「スタンフォード式 疲れない体」を取り上げます。
名門大学として世界的に知られるスタンフォード大学は、全米大学体育協会によるランキングで23年連続で1位を獲得している文武両道の大学。
著者である山田知生(やまだ ともお)さんは、そんなスタンフォード大学・スポーツ医局のアソシエート・ディレクターを務めているすごい方。
本書は、山田さんがアスリートに対して実践している、疲労予防と疲労回復のメソッドをまとめています。
最新のスポーツ医学では、疲れは“筋肉”だけでなく、“神経”のコンディションの悪さからも引き起こされるとされています。
つまり、疲れは体だけでなく脳からも発生しているのです。どうしたら、疲れのない体になれるのか、さっそく内容をみてみましょう!
<健康に関する書籍についてはこちらでまとめて紹介しています>
1. 疲れていることが客観的に分かる4つの条件
最初に、以下の簡単な問いを考えてみてください。
Q. 次の4つの条件のうち、いずれかに当てはまりますか? 1つでも該当すると、あなたは疲れている状態です。
1. 脈がいつもと違う
安静時の脈拍は1分間に70〜80程度。それよりも速かったり遅かったりしている場合は疲れのサインです。
2. いろいろな時間に寝ている
寝起きする時間が不規則だと、体を休ませるための副交感神経の働きが悪くなります。
3. 腰が痛い
腰は身体の要として体のあらゆる部分の無理をカバーしようとします。腰に痛みがある時は、体の複数の部分にダメージが蓄積している可能性があります。
4. 呼吸する場所を間違えている
胸だけの浅い呼吸は酸素不足や姿勢のゆがみを引き起こし、体が疲れやすくなります。呼吸は疲れないカラダをつくる上で特に重要なポイントです。
いかがですか? どれにも当てはまらない方は、元気モリモリです。
2. IAP呼吸法と疲れを残さないための動的回復
ここからは、疲れない体をつくる方法を紹介していきます。まずは、スタンフォードのメンテナンスルームで標準的に行われている「IAP呼吸法」についてです。
IAPとは、イントラ・アブドミナル・プレッシャーの略で、お腹の内側の圧力(腹圧)を意味しています。
IAP呼吸法は、息を吸う時も吐くときもおなかの中の圧力を高めてお腹まわりを硬くする呼吸法で、お腹まわりを硬くしたまま息を吐ききるのが特徴です。
著者は腹圧呼吸とも呼んでいますが、いわゆる腹式呼吸とは別モノ。
腹式呼吸は息を吐くと同時にお腹をへこませますが、この腹圧呼吸ではお腹をへこませず、膨らませ続けることを意識します。
おなかの中の圧力が高まることで、体幹と石柱という身体の中心が支えられて安定し、無理のない姿勢を保つことができるようになります。
そして、体の中心を正しい状態でキープすることで、中枢神経の指令が通りやすくなり余分な負荷が減るというわけです。
疲れを残さないための回復方法
次に、疲れを残さないための回復方法についてです。
疲れを素早く取り除くには、体を動かして回復をはかる「動的回復法」が効果的。これは、何もしたくないほど疲れている日でも、あえて軽い運動をするという回復法です。
軽い運動により、血液の流れが促進され、脳と筋肉にたくさんの酸素を送ることができ、疲労物質が蓄積することを防ぐことができます。
オススメなのは、ゆっくり走る・泳ぐといった軽めの有酸素運動を20〜30分行うこと。筋肉のコリもほぐれて、自律神経やホルモンのバランスが整うという効果もあります。
3. 睡眠について守るべき4原則
続いて、体のパフォーマンスや健康に大きな影響を及ぼす睡眠についてです。睡眠について守るべき原則は、次の4つです。
1. 夜更かしも早寝もしない
就寝時間と起床時間を固定することで、体のリズムを一定にすることが重要です。
2. 週末に体内時計を狂わせない
睡眠のリズムを崩すのは簡単ですが、元に戻すのはずっと大変です。週末だからといって長く見過ぎないようにしましょう。
3. ベッドに入る90分前までに入浴する
スムーズに寝るためには、体の深部体温と皮膚温度の差を縮めることが重要になります。入浴して90分以上経つと、深部体温が下がり寝つきが良くなります。
4. 寝る前にお腹を硬くする呼吸を行う
先ほど説明したIAP呼吸を行うことで、副交感神経の回復作用が働き、睡眠の質が良くなります。
4. 疲労しにくい体質になる食事
ここからは、疲労しにくい体質になる食事についてです。
まず、朝食をきちんと摂ることが重要になります。朝食を抜くと、ランチを必要以上に食べることになるためです。
空腹後に大量に食べると血糖値が急上昇し、その後急降下する血糖値スパイクという現象を引き起こし、糖尿病や心臓病原因になります。
朝食を摂る時間を固定することも重要です。睡眠と同じく、時間を固定することで生活のリズムができ、自律神経を整えることができるというメリットがあります。
空腹によるオートファジーを働かせることも大事なので、個人的には昼食で満腹まで食べないことが大事なのかなと思っています。
飲み物には食べ物以上に気をつけなければなりません。飲み物は気軽に手に入り、どこででもすぐに飲めるので、飲み方を間違えると疲れの素を体内にどんどん取り込むことになってしまいます。
まず、清涼炭酸飲料は避けるべきです。糖分が多く1日にとっていい砂糖の量は、ペットボトル1本で超えてしまいます。疲れと肥満を招く、危険なドリンクと言えます。
また、お酒も飲みながら疲れをとるのは難しいことです。お酒を飲む場合は、同じ量の水を同時に摂るようにしておきましょう。
5. 通勤電車での疲労の抑え方
最後に、通勤電車での疲労の抑え方です。
日本の満員電車は、疲れをますます悪化させています。疲労とストレスを避けるためには立たずに座った方がいいのですが、それが難しい状況も多いですよね。
通勤中の疲労を最小限に抑えるには、つり革を2つ確保して両手で一つずつ持つこと。
2つ確保できないようであれば、1つのつり革が体の真ん中にくるように立ち、それを両手で持ちます。ぐっと力を入れて下に引くようにして体を固定することで、体幹を維持しながら疲労を抑えることができます。
以上、「スタンフォード式 疲れない体」の内容を紹介してきました。自分のベストコンディションを維持するには、疲れの予防と回復の仕方を知ることが必要です。
本書はIAP呼吸法など体のパフォーマンスを上げるための方法がイラスト付きでわかりやすく説明されています。興味を持った方は、ぜひ読んでみてください!