お金を稼いでいるのに貯まらない、どうしたら効率よく資産形成できるのかと思ったことはありませんか?
この記事では、15年以上も前に発刊されたにもかかわらず、ビジネス名著としていまだに取り上げられる橘玲(たちばなあきら)さんの書籍「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」を紹介します。
本書は30万部のベストセラーをたたき出し、「新世紀の資本論」と称されています。経済的な不安で悩むサラリーマンに、お金の不安を解消するための教養と人生設計についてのヒントを与えてくれます。それでは、さっそくお金持ちになれる方法をみていきましょう!
<橘玲さんの書籍はこちらでまとめて紹介しています>
1. 黄金の羽根とはお金持ちになる近道のこと
まず気になるのが、本書のタイトルにもある“黄金の羽根”です。著者が定義する“黄金の羽根”とは、制度の歪みから構造的に発生する幸運。“手に入れたものに大きな利益をもたらすもの”といった意味があります。
これは必要な情報を的確に入手し、それを活用する知識を持っている人はいくらでも近道ができるということです。ITの発展により、現代は知識社会に突入しています。知識社会では、知識が持つ価値を上手に使うことで利益をもたらしてくれます。
知っていることが強い武器になる
著者が具体例として挙げるのが、2002年サッカーの日韓ワールドカップでのチケット争奪戦。当時、日本国内では1枚7,000円のチケットがネットオークションで20万円以上で売られていたり、スポンサーに山のようにはがきを送ってひたすら電話をかけたりする人もいました。
一方で、ほぼ全試合のチケットを手に入れ、全国の試合会場を巡って観戦している人もいました。彼らはどうやってチケットを手に入れたのでしょうか?
理由は単純で、海外販売分のチケットが大量に売れ残っていたのです。そしてこれをインターネット経由で、簡単に手に入れることができた。両者の違いは、それを知っているか否かだけ。知識社会では、“知っている”ということが強い武器となり、知識が持つ価値は絶大です。
このことから、黄金の羽根は知識を持っている人に舞い降りるということが納得できるかと思います。
2. お金持ちになる方法はたった3つ
情報を知っていることが、強い武器となることは分かりました。では、そもそもお金持ちになるには何を知っていればいいのでしょうか?それは次の方程式で表されます。
資産形成= (収入-支出)+(資産運用の運用利回り)
と誰もが知っているようなこの方法が、実のところお金持ちになる鉄則だったのです。世に出回っているお金持ちになる本は、利益を増やし、本業の収益力を向上させた上で、保有した資産を有効活用するという原理に基づいて書かれています。そしてこの方程式を分解すると、
- 収入を増やす
- 支出を減らす
- 運用利回りを上げる
となります。著者は本書で、この方程式について具体的な10個のルールを上げています。その中で特出すべきは、利益の確保です。これはお金持ちの方程式で言えば、(収入-支出)の収入の部分にあたります。
なぜ、利益の確保が重要かというと、どんなに素晴らしい資産運用をしていても、収入から利益を得られなければすべて水の泡となるからです。安定した利益確保が資産の形成、大きく言えばお金持ちになる第一歩になります。
3. 資産運用は常識を捨てるべし
ここで気になってくるのが、運用利回りを上げる方法です。実は運用利回りを上げる資産運用にも原理原則があり、著者は本書でこの原則を10個述べています。今回はその中から2つ解説します。
不動産投資を買ったら資産運用はそこで終わり
まずは、不動産投資を買ったら資産運用はそこで終わりについて。住宅ローンで持ち家を購入した人は、そこですべて資産運用が終わっていると言えます。
なぜなら投資の成否は完全に不動産価格と運命を共にしているからです。もし不動産価格が下落すれば、成す術はありませんよね。
短期投資はギャンブルである
そもそも投資とは長期的に見れば資本主義と市場経済の下で、企業の利益はインフレ率以上に拡大するという見通しのもと、資金を投じることを指します。短期投資がギャンブルな理由は、信用取引を使った短期売買となると、現物信用・ロング・ショート問わずすべての株取引は投資ではなく投機となるからです。
以上を踏まえると、現在は資産運用の常識と言われていたことが非常識になっている時代と言えます。
4. 奪われないためにはマイクロ法人化
資産運用の常識が覆されていることが分かったところで、一つ思い出してもらいたいことがあります。それは、“収入を増やし、支出を減らし、運用利回りを上げる”の方程式です。
人はどうしても収入を増やしたり、運用利回りを上げたりと増やすことばかりを考えてしまいますが、支出を減らすこともお金持ちになる重要な要素です。支出を減らすうえで知っておかなければならないのが、サラリーマンは国家からの収奪の対象となっているという現実です。
サラリーマンの実質税負担は過酷で、収入総額の約3割を占めます。そこで著者がおすすめするのが、マイクロ法人です。マイクロ法人とは“同族会社”のことで、資本の50%以上を本人または本人の関係者が保有する法人。
なぜマイクロ法人がいいのかというと、合法的な範囲でできるだけ税金を払わなくて済むからです。この話については、こちらの記事でも取り上げているので、合わせてご覧ください。
つまりマイクロ法人化で個人と法人の2つの性質を使いこなすことで、ゆがんだ制度の負の負担を背負わなくて済むのです。
5. 知識社会の働き方はクリエイティブクラス
ゆがんだ制度の犠牲者にならないためには、マイクロ法人が有効と分かりました。最後は、人生を最適にするための働き方についてです。この働き方を知るには、私たちの生きる今を知る必要があります。
現代はグローバル化した知識社会と、最初にも述べました。知識社会とは“個”が権力として作用し、そこから富が発生する社会を指します。また、知識社会では、テクノロジーの発展に適応すべく、知的能力を基準に労働者が編成されるという特徴があります。この知識社会を生き抜くためには、どんな能力が必要とされるのでしょうか?
それは、
- 文字を読解する言語的知能
- 問題を論理的に分析数字的に処理する論理数学的知能
の2つです。このような特定の知能だけが特権化される社会なのです。ここで、知識社会の仕事について見ていきます。知識社会の仕事は大別すると、以下の3つになります。
クリエイター
クリエイティブな仕事に携わる人のことで、作家や音楽家、俳優、歌手、スポーツ選手などがそれに当たります。
スペシャリスト
専門家のことで、その分野の知識や経験に特化した人たちです。医師や弁護士体系公認しなどがこれに当たります。
マックジョブ
誰でもできる大ない可能な仕事を指します。マクドナルドの店員のように、マニュアルに従って動く労働者がそれに当たります。
この中で、言語的知能・論理数学的知能が発揮される仕事は、クリエイターとスペシャリストです。この2つはクリエイティブクラスと呼ばれ、今後も高い所得を期待できます。
一方でマックジョブは代替可能なので、知識社会において圧倒的に不利になります。
以上のことから高度なテクノロジーに支えられた知識社会は、クリエイターとスペシャリストを目指すべきなのです。橘玲(たちばなあきら)さんの書籍「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」の超重要なポイントに絞って解説してきました。これを機会に、本書を手にとって読んでみるのもオススメです!